18話 回想 ー異音ー
「ふむ、愛の言霊を紡がれし時は皆無と等しい故、如何様な対応が望ましいか…思索に程良い書物は無いか…少々探索を試みよう。書物庫に向かう。用は此方に」
「わかったよ。今回はどのくらいだ?」
「9つ半までだ」
「よし、間に合いそうで何より」
「あぁ、愉しみだ。書物庫の書物を読破せし我が、まだ存ぜぬ事が在るのだからな」
そしてしばらく経ち…
「そろそろ戻らねばな、ふむ、胸の高鳴り…高揚感…心臓が打たれる様な衝撃…つまり、我は知識に好意を抱いていると言うことか?だが人は人に恋するモノらしい。どういう事だ?我は、人では無いのか?確かに、バケモノだなんだのと罵られた事は有るが…あれはただの事実を述べたと言う事か。うん?それではあの女もこの我に好意を抱いていると言う事になってしまうが。もう少し調べ…戻るか、アイツには敵わん」
この頃でも一応彼には最低限感謝はしていた。だから、なるべく早く行こうと…いうのはもう無理だったので、時間には間に合わせたかった。もう少し早くその判断が出来ていれば、あんな事は起こらなかった、と願わずにはいられない。
「今は…まずい、急がねば9つ半に間に合わん」
いつもいる図書委員に軽く会釈をし、時計を見て慌てる。書物庫…もとい図書室から教室までは少し距離があった。だから走った。そろそろ授業も始まる時間なので、道行く生徒も少ないから走りやすいだろう。走り出すこと数瞬、変な音が聞こえた。鈍く、ゴトリ、と。中々日常生活では聞かない音に、違和感を覚えずにはいられない。
「なんだ…?先生が荷運びでもしているのか?」
と考えるが、やはりおかしい。ただの荷運びと言う結論に違和感。これほど恐怖を感じることもないだろう。
「音はここか」
ここは機械室だが、そんな機械が置いてあるわけではない。水や換気をするためのパイプがむき出しで通っているだけだ。ここは先生でも立ち入りをすることはない。
「はぁ、アイツに叱られたくはないんだがな」
大変お待ちしました。大変お待ちさせた割には今回も短いですね(自虐)。恐らく次回は少し長くなるかなと思われます。よしなに。




