放課後相談会
翌日放課後、ローズは友人二人を連れ、学園内のサロンを借りた。
ミーシャとアリシアは予想通り、本日も勉強をする予定だったらしく、話ついでの勉強会となった。
「ローズちゃん、お話ってなんですか? 朝からため息が凄かったですけど」
カバンからノートと教材を取り出しながらミーシャが言った。
隣では、アリシアが分厚い本を黙々と読んでいた。
その内容は、研究者たちによる実践的魔法に関する論文であり、仮にミーシャが読めば数分で眠りにつくだろう。
「そういえば、本日のローズ様の様子はどこか変でしたね」
そこでふと、気づいたようにアリシアが言った。
ミーシャの言葉に初めて、この集まりがただの勉強会ではないことに気付いたようだ。
二人の中々の物言いにショックを受けながらも、リーグの言うとおり、少なくともミーシャには心配させてしまっていたことに気付いたローズは、落ち込みながら昨日あったことを話した。
「あら、そんなことが」
「本当ですか!? レオンハルト殿下が他の女に?」
「私見は交えているけど、これが昨日あった話よ」
二人の反応はそれぞれ違い、アリシアは大した出来事ではないと、ミーシャは一大事のように言う。
「私には二人の関係が推測しきれないから、二人はどう思うのかしら、と思って」
突然降って湧いたような出来事に困ったローズが、自分を頼ってくれている、という嬉しいことに、少々にやけながら考え込むミーシャ。
それとは対照的に、アリシアの回答は早かった。
「例えば側室として、なら、王族の役目としてはあり得ることですね」
王家の血が途切れないよう側室をとることはよく有り、その枠にアイリスが選ばれた可能性は十分ある。
希少な魔法の使い手であり、平民という後ろ盾のない存在。
その保護という名目で、側室に迎え入れることになるのでは。
しかし、ではあの表情は一体何だったのか。
その問いにアリシアは素早く、そして無慈悲に答える。
「そのまま、アイリスという少女に惚れ込んだのではないですか」
容赦ない一撃に、ローズはテーブルに突っ伏した。




