黄昏のなかで
ぼんやり黄昏の街のなか
ぼくは500円だけを財布に入れて
わけもなく歩いた
車
人の親子
信号機
一羽の鶺鴒
肌をたゆたう風の音
ナガミヒナゲシ
小川
ぼくは何故か
ぼくが臨終を迎えたように感じた
そうして
ぼくがぼくを嘲笑する暇もなく
なんだかオカシクなって笑っていた
それから
コンビニエンスストアに入って
ハンバーガーとポテトチップス
ジュースを買って
イートインコーナーで食べた
財布は水のない浴槽のように
ほとっとほとっとほとっと
からっぽになった
食べているとき
もうぼくは成すべきことを
全て成したように思った
他に何ができるんだろう、か、、
ぼくのようなちっぽけな存在、が、、
そうだ、、ちっぽけなりに、
やっていくしかない(これこそ絶望であり、希望でもあり、いづれでもない狂想だ。人は皆、平熱の狂想のなかで生きている、否、固有性がこぼれているだけだ)
人は今日も夢の為ではなく
お金の為に
むきだしになって働いている(とても滑稽で、哀れな境涯だ。そんなことをしなくてはならない競争社会というものが、あまりにもナンセンス)
人は今日も
あらゆるカオスを胸に抱いて
自分の愛の原石を磨き
輝かせるために
血を吐いて
汗を流し
草臥れてしまっている
人は
ちっぽけなりにやっていくだけ
ちっぽけなりにちっぽけな
しあわせを
見つけるだけ
それはきっと
たらふくなしあわせ
たらふくなしあわせ
しあわせ?
それはきっと
他愛もない
ほのぼのとした帰り道
それはきっと
特別で特別なロマン
シュトゥルム・ウント・ドラング
理性や知性
あるいは感情さえも超越してしまうもの
今年も咲いた
今年も咲いたんだね
ネモフィラ
ネモフィラさん




