海リンピック2回戦!
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「かっ……可愛い!」
「はわぁー! 萌えぇ〜だよー!」
「これは、可愛い!」
「「ぐうカワ!」」
スノウやリリ、ココアにサキやミキは、必死になって頑張っている姿を見て悶絶していた。
「アシカだな」
「イルカもあるよね」
「……いつのまに」
「スクショ! スクショ! フゥーー! 良いよーこっち向いてーーー」
可愛いと悶絶しているスノウ達とは逆に、右近やキースは冷静でそれぞれの感想を述べており、いつのまにこんなことを覚えたのかとヨシタカは驚き、呆然となりつつもパチパチと握手を送っている。
真司は真司でいつも通りの醜態を晒しており、本人は気付いてやっているのかは分からないが、2次元で見かけるようなテンション高めのカメラマンの様な状態になっていた。
「フォーーー! ナイス! こっちに目線お願いしまーす!」
真司が熱狂的に撮っているもの、それは唯がこっそりと教えて、灰白達が習得したヘディングパスであった。
「ん。これで最後だけど、さっきの練習通りにすれば大丈夫」
「……」
唯は、転がったボールを灰白の鼻筋に乗せてアドバイスをすると、そっとその場から離れる。
灰白も唯に言葉を掛けられたが、鼻筋にボールが乗っているので返事を返せない代わりに、「絶対に成功させる!」と闘志に燃えた目でもって見返した。
「灰白さん大丈夫かな?」
ヨシタカ達が見ているもの。
それは、ヨシタカ達がビーチフラッグに興じている間に、暇を持て余した唯が教えた技であり、唯にとっては取り敢えず取ってみたけれど、あまり使う機会が無かった調教師スキルがやっと日の目を見た瞬間でもあった。
「……。バァウ!」
「ぎゃっ……ギャウー!」
灰白は自らの鼻筋に乗せていたボールを軽く鼻先で打つと、今度は頭で思いっきり弧を描くように打ち上げる。
その落下地点に移動していたこがねが、ボールを夜空の方へとヘディングで打ち上げる。
「ブルルルルン」
夜空がボールの落下地点に向かい、落ちて来たボールをヘディングで打ち返すと、再び灰白の元へとボールが向かう。
灰白はそのボールを見つめながらウロウロと場所を見極めると、灰白の鼻筋にボールが落ちて見事、それを上手くキャッチしてみせた。
『おおーーー!』
ボールをキャッチした灰白に対して、ヨシタカ達は拍手を送る。
「ん。がんばった」
師事していた唯も、灰白達が成功した事に対して満足気な様子である。
実は今までヨシタカ達が見ていたヘディングパスは失敗を繰り返しており、中々上手くパスが出来なかったり、最後の灰白の鼻筋でキャッチ出来ないでいたのだ。
だが最後の最後で、遂に成功して見せたのである。
「……ッ!」
灰白はこの成功を全身で表現したかったのだが、口を開けるとボールが落ちてしまうし、かと言ってそのままヨシタカの元に向おうものなら、言うまでもなくボールは簡単に灰白の鼻筋から落ちてしまうので、灰白は唯一喜びの表現が出来る尻尾を思いっきりブンブンと振り回すと、「どうでした? どうでした? 褒めて欲しいです!」と、灰白はヨシタカに熱い視線を送っていた。
もちろんこがねも「見た? 見てた! ヨシタカ、今の見てた〜〜?」と、ぎゃうぎゃう言いながらぴょんぴょんと飛び跳ねており、夜空も「ヨシタカしゃ〜〜ん! 見ててくださいましたかぁ〜!」と、喜びを表すようにクルクルッと駆け回った。
(これは後で目一杯褒めてあげないとなぁー)
ヨシタカはそう思いつつ灰白、こがね、夜空に手を振ると、灰白達はこの後に褒めてもらえると言う喜びにふるると震え、再びヘディングパスを何度も続け始めた。
「それじゃあ、次はこっち」
灰白達のヘディングパスが成功を収めたあと、唯はヨシタカ達をビーチチェアの近くにある、テーブルが置かれている場所へと連れて来た。そこには既に真白、紅緒、露草、さえずり、濡羽、しじまがスタンバイをしている。
テーブルの高さはちゃぶ台くらいで真白でも簡単に乗れる高さであり、横に幅長いタイプのテーブルなので、全員が乗っていても狭くは見えない。
「灰白さん達があんな技を習得したんだから、真白達も何か出来るようになっているんだよな」
ヨシタカの言う通りで、唯は灰白達を2つのチームに分けて、それぞれに技を習得させていた。
チーム分けは小動物とそれ以外に分けており、ヘディングが難しそうな真白達は別の技を習得させていた。
と言うよりも、最初は真白にもヘディングパスの練習をさせていたが、実際に他の3匹と絡めて練習をしてみたら、体が小さい真白ではいつ他の3匹に踏まれるのかと、見ていてあまりにもハラハラしたため、急遽紅緒達の方に参加させたのである。
「今度は輪投げ」
次に何を披露するのかを教えた唯は、麻縄を色付けして輪っかになっている物を取り出すと、それを紅緒、露草、さえずりにそれぞれ1つずつ手渡す。
投げ輪を掴んだ3羽は空へと飛び、テーブルの上に真白、濡羽、しじまがそれぞれスタンバイする。
「ちゅん!」
「ブッ!」
まずは1投目。
紅緒が真白に向けて放った投げ輪は、綺麗なカーブを描くと真白の首にスポッと嵌る。
『おおおぉー!』
それを見ていたヨシタカ達は歓声と共に拍手を送り、その間に紅緒は唯から新しい投げ輪を受け取ると、再び空に飛んでスタンバイする。
2投目は露草と濡羽のコンビで、3投目はさえずりとしじまのコンビでも、見事輪投げの成功を収め、これを3巡ほど繰り返し行われたが、誰も失敗する事なく見事やり遂げた。
そして真白達も、ヨシタカに褒めて貰いたいがためにキリッとした表情で整列をし、期待のこもった眼差しを向けていた。
○
「では、第2回戦。ビーチバレーを開始します! 1回戦は、ビーチフラッグ1位の真司チーム対ビーチフラッグ4位のヨシタカチームです!」
スノウがそう宣言したのと同時に、ヨシタカ達の視界にはピーチバレーのスコアの映像が映し出された。
ビーチバレーの前で行っていたビーチフラッグのビリ決定戦で、ヨシタカはキースに負けてしまったのだ。
ヨシタカの敗因はただ単に身長の差が原因であり、このビリ決定戦が終わった後に「俺、今日から牛乳と小魚食べる」と、誰に言うでもなく呟いていた。
言うまでもなく、ヨシタカは今いる男子メンバーの中では1番小柄であり、年下であるはずの右近よりも頭半分ほど小さかったのだ。
男のプライドとして、あと5センチは身長が欲しいと思うヨシタカである。
そんな話はさておき、今度のビーチバレーでは友人同士のヨシタカと真司の勝負となった。
「ふふん。俺達に勝てると思うなよー!」
「こっちだって負けないからな!」
ネット越しで会話をする2人。
今回のビーチバレーのルールは、以下の通りで進行される。
・先に11点先取で、3試合のうち2勝した方の勝利。また、お互いが同点である場合は2点差が着くまで続けられる。
・サーブは通常のバレーと同じローテーションとなっていて、すでにサーブを打つ順番を各チームは決めている。
最初のサーブ権のみコイントスで決めるのだが、この時に発言権があるのはビーチフラッグでの順位が低い方となっている。
また、決めた順番を破ってサーブしてしまった場合は、たとえサービスエースになったとしても相手の得点となってしまう。
ただし、その前にチーム内の全員の視界に、【注意! 順番が違います! 注意!】となるので、そんな事故はほとんど起こらない。
他のルールも、基本的なのは馴染み深い室内でのバレーと同じであるが、唯一違うところがあるとすれば、それは『ここがゲームの中』ということだ。
「普通のバレーのルールにプラスして、今回はそれぞれの戦闘スキルを使用可能にしているわ。ただ、相手プレイヤーにダメージや障害が出るような、攻撃的なのは禁止だからね!」
スノウの説明を聞いたヨシタカと真司は、自分のチームの中で戦闘スキルが魔術師であるココアとリリに声をかける。
「頼んだよ。ココア!」
「頼むぜ。リリ!」
「ん! 任された!」
「了解っすー!」
ココアはサムズアップで、リリは敬礼をしてそれぞれが答えると、2人は杖を取り出して構える。
「では、今回も審判役を務めてもらう舞姫さん! よろしくお願いします」
ビーチフラッグに引き続き、今回も舞姫が審判役を引き受けている。
「はいはーい。ではでは、コイントスするよー。ヨシタカどうぞー」
ポーンと弾き飛ばされたコインが落下して来る前に、ビーチフラッグで4位だったヨシタカが表か裏かを当てる。
「裏!」
ヨシタカが言うのと同時に、パシンと音を鳴らして舞姫の元にコインが戻り、ゆっくりと上に被せた手を退ける舞姫。
「コインは裏! サーブ権はヨシタカチーム!」
ヨシタカは見事コイントスを当てて、舞姫からボールを投げ渡される。
「よし! 取り敢えずは入れて来る!」
「はい。無理せず、枠内に入るようなサーブで大丈夫です!」
バレーボールを授業でしかやってこなかったヨシタカには、大会に出るような選手がやるカッコ良いジャンピングサーブなど出来る訳もなく、無難なサーブを決める。
「私、取りまーす」
ヨシタカがサーブしたボールをリリが危うげ無く拾い、そのボールをミキがネットの近くに打ち上げると、勢い良くジャンプした真司が打つ。
ただし、そのボールは紅葉の完璧なブロックによって塞がれた上に、真司達の陣地に落とされたボールを誰も拾う事が出来ず、失点してしまう。
「ヨシタカチーム。1点」
舞姫が得点した方のチーム名を言う。
「あぁ! マジか。紅葉ちゃん強いな!」
「えへへ。バレーボールは、小4からずっとやっているので」
ピースをしつつ照れながら言う紅葉に対して、これは強敵だなと苦笑する真司。
「ヨシタカ君。次もよろしくね」
再びサーブする位置に戻ったヨシタカに、紅葉はボールを投げ渡すとはにかむように笑い、背中を向ける。
「よしっ!」
今度も気合を込めて打ったサーブは、見事相手チームへと入った。
「よっと」
「ハイ!」
「決める!」
「させないよ!」
真司がボールを受けて、リリがネット近くに上げる。それをミキが打ち込むが、これも紅葉がブロックしてしまう。
またさっきの二の舞になるかと思いきや、そうはならなかった。
「えっ!」
得点が入ったと思った紅葉は驚く。その原因は、地面から出来た砂の玉だった。
「ナイス、リリ! 真司君!」
「あいよ!」
そのままミキがボールを打ち上げて、真司がアタックをかます。
さっきまでのブロックから体制が整っていなかった紅葉は、再びブロックする事が出来ずに見逃してしまい、そのまま真司達の得点となってしまう。
「真司チーム1点」
得点が真司チームの方に入り、これで1:1となる。
「さっきのって」
未だふよふよと浮かんでいる砂玉を見て、この原因を作り上げたであろうリリを見ながら呟く紅葉。
「ふっふっふっー。 当たりです」
そのまま、リリの周囲にふよふよと浮かぶ砂玉達。この砂玉はリリが作り出したものであり、簡単な命令のみを行使するのであれば、数十分は保てる。
これこそが、ゲーム内だからこそ出来るビーチバレーだ。
「ココア、同じの出来そう?」
リリが作り出した砂玉を見て、紅葉は同じ魔術師であるココアに尋ねるが、ココアは頭を抑えて蹲る。
「うっ……。ここに来て基礎練をサボっていたツケが!」
リリが作り出した砂玉。これは魔術師のスキルに元から入っているものではなく、ココアが言ったような基礎練の有無によって使う事が出来るのである。
そもそも、魔術師のスキル構成は格闘家と同じように、各属性に分けられている。
仮にヨシタカが使っている片手剣の場合だと、Lvが上がって行くことにより技の種類、もしくは戦闘スキルの解放となるが、魔術師はそうではない。
魔術師は通常、属性の中から1つを選びスキルのLvを上げて行く。そのまま経験値を貯めて行くとLvが上がっていき、その属性の技の種類が増えて行くのだ。
その時に魔術師としてのLvも上がり、属性以外の技の種類が増えて行くのである。
その中でリリが選んだのは精密操作であり、これによって浜辺の砂を操作しているのである。
さらに、ここまで自由自在に操るとなると簡単な事ではなく、何度も何度も繰り返し練習したと言う事でもある。これがココアが言った基礎練だ。
ちなみに、ココアは一撃必殺の大技を使うのが好きなので、リリの様に細かい操作が必要とするのを苦手としており、リリは憧れの魔法少女を目指してここまで練習して来たので、その完成度はかなりのものである。
「なら、ココアには威力の高いアタックを打って貰えば大丈夫かな?」
「オケ! それなら大得意!」
さっきまでの態度とは打って変わり、サムズアップで答えるココア。
「行くぜー!」
「さっこーい!」
真司がサーブした玉をヨシタカが拾い、それを紅葉が打ち上げてココアに託すと、ココアは己の杖の先端に巨大な氷塊を纏わり付かせると、氷塊の重さを利用して思いっきりボールを打ったのである。
むしろアタックを打ったのでは無く、叩き落としたと言った方が正解かもしれない。
「ふふん! どやー!」
地震満々で言ったココアの宣言通り、小さな体からは想像出来ない見事なアタックを見せた。
「ちょっ! 氷塊で打ったアタックって有りかよ!」
「ルール的には問題無いかな?」
舞姫はあっさりと真司の言葉を受け流すも、真司はさらに詰め寄る。
「手じゃなくて杖だったぞ!」
「それはそっちも同じでしょうに」
「ぐっ!」
舞姫の言葉に二の句を言えない真司は、すごすごと自分の陣地に戻って行く。
その後も両チームの白熱した試合が進み、あと1点入れば勝敗が決まるところまで進んだ。
ここまでのお互いの得点は1勝1敗で、3試合目である今の得点は、ヨシタカ達のチームが9点、真司達のチームが10点となっている。しかも真司チームのサーブから始まる。
ここまでの流れとしては、お互いの足りない部分を仲間が上手くカバーして、それぞれのチームの特徴を生かした戦法をしていたので、一進一退となっていた。
ヨシタカチームの方は、小4からバレーをやっていた紅葉が司令塔となり、ヨシタカやココアを引っ張っていた。
ヨシタカは慣れない砂場に苦戦しつつも、なんとかチームに貢献しており中々の好成績を残している。
ココアもヨシタカと同じく砂場に苦戦する場面が多々あったが、それを上回るほどの高威力のアタックを披露していた。
一方の真司チームは、古参組の真司が司令塔となってリリとミキを引っ張り、ミキも慣れない砂場に負けじと奮闘していた。その中で、リリは持ち前のコントロールの良さを生かして、取りこぼしを無くし失点しないように尽力していた。
そして、勝負の行方はーー。
○
「ビーチバレーの優勝者は、右近チームでーす!」
舞姫は勝者となった右近達のチームを指しながら、この場にいる全員に聞こえる声で宣言した。その瞬間歓声が上がり、それぞれが感想を口にする。
「クッソー! コテンパンにやられたわ!」
「へへー! 次も負けないっすよ」
ビーチバレーの優勝者は、右近チームであった。
初戦のヨシタカチームvs真司チームの対決では、最後の最後でヨシタカが砂に足を取られてしまった事が原因で敗北してしまい、真司チームが勝ち上がった。
次の試合である右近チームvsキースチームでは、右近チームがストレート勝ちをして早々に勝ち上がったのである。
「やっぱ、元々の素質が良いんだろうな。あとは、双子ならではの何かかー。あー、悔しい!」
真司が言う通り元々の運動神経が良かった右近達は、ビーチバレーでもその実力を発揮して、早々に得点を稼いで勝利したのである。
もちろん、これはキースと戦った時も同様であり、さらに右近と左近のコンビネーションは双子ならではの、何故か会話も無く意思疎通が出来るなどといった、テレパシーやシンクロのようなものも勝因の1つとして上げられる。
さらに、スノウの戦闘スキルの一つであるハンマーで、上手い具合に相手から来たボールの威力を減らしつつパスをしたり、ハンマーで叩き潰す様にアタックしたのも、有利に働いた結果である
「はーい、おつかれー。どれも良い試合だったよー!」
審判役をしていた舞姫が、談笑をしていた左近を後ろから抱きしめると、動かないようにガッチリガードする。
「ありがとうございます! で、これは何ですか?」
「んーふっふっー! ここからは隠しステージだよー!」
右手を上げて高らかに宣言した舞姫だったが、その場に居た面々はポカンとしていた。ただ、その中で真司だけは「はは〜ん」と訳知り顔で成り行きを見ていると、白薔薇がやって来て捕捉する。
白薔薇の隣には、うきうき顔の唯もいる。
「実は、こっそり君達が試合をしている間にね、舞姫とチャットをしていたんだよ」
日陰でビーチチェアに腰掛けながら観戦していた白薔薇と唯は、舞姫とこんなチャットをしていたのだった。
『ねぇねぇ、私もバレーやりたくなってきた!』
『賛成。見てるだけなの飽きた』
『だったら、この勝負の優勝者でやろうか? ちょっとは戦い甲斐のある試合が出来るのではないかな?』
『よっしゃあ! 試合終わったら逃げられないようにキープしなきゃ!』
『ん。スキル減らしとく』
『あぁ。フル装備の私達と戦ったら、あっという間に終わるだろうからね』
と、こんな話をしていたのである。
「君達は私達と戦う権利を得た」
「さぁ、やろうか」
舞姫を捕捉する様な形で、白薔薇と唯も舞姫の元に行き説明すると、やっと理解出来たビーチバレーの優勝者3人は、絶叫して逃げ出そうとしたが舞姫達にあっさりと捕まってしまい、さらに誰もこの3人を助けようとはしなかった。
「せめて! せめて、ハンデを下さい!」
逃げられないと分かった右近達は、土下座する勢いで舞姫達にお願いをする。
「えー。ハンデかぁー」
「一応、スキルとかは新人Lvに減らしているんだけどね」
「もう一声ぇぇぇぇ」
必死でハンデをもぎ取ろうとする右近。そんな右近に、心の中で声援を送る左近とスノウ。
こんな態度の理由であるが、二つ名持ちの舞姫達の戦闘シーンを録画した、プレイ動画をスノウが2人に教えて知っているからであり、その時に見た動画での戦いぶりを知っているからこその懇願である。
「よし! なら、サーブはずっとそっちからで良いよー!」
「そうだね。あとは、1点入ったら勝ちにしてあげようか」
舞姫と白薔薇からの提案に、ホッと胸をなで下ろす3人だったが、唯の一言で凍り付く。
「その代わり、本気で行くから覚悟してね」
冷笑を顔に浮かべ、底冷えする様な瞳で見つめられた3人は、
(あっ、これ生きて帰れないやつだ)
と、瞬時に悟った。
新作始めました。
良かったらこちらもどうぞ。
「おっさん間近の俺が田舎のコンビニで夜勤をやっているんだが、異世界からの客が来る件について」
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