お披露目
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みんな喜べ、水着回だぞ!
「やっぱり、野郎の水着見ても楽しくないな」
髪の色と同じ紺色で下が濃く、上が白くなる様に4段のグラデーションになっている水着を着た左近が、誰ともなしにポツリと呟く。
俺や真司にキースの水着も、左近と同じ膝丈の長さで俺がオレンジ、真司が黒、キースが濃い赤系の色の水着を着ている。
あとは左近がグラデーションで俺が白く大小の星、真司は無地でキースは南国の草の様な模様が付いているくらいだから、女性用の水着の様に色々な形がある訳ではなくて、ぱっと見は色違いの水着なものだがら、左近の言う通りに見ても楽しくはないだろう。
むしろ、男の水着を見て興奮するならそっちの方が困る。
「まぁ、待っていればそのうち見れるよ。それか、あそこら辺の女の子達にナンパしに行く?」
キースが言うように、ここには女の子達がいっぱいいるのだ。
キースが指差す方向には数人ずつのプレイヤーがいて、その中の女の子だけのグループを指差している。
それに、今日のメンバーだと女性の方が俺達男メンバーの2倍近くいるので、彼女達が水着に着替えたらいくらでも見れるだろう。
「いや、ナンパはいいや。はぁ、早く着替えねぇかなぁー」
「ちょっと、気になったんだけどさ。姉とか妹とかの水着ってさ、やっぱりムラムラする系?」
真司が俺と右近に向かって、結構どうでも良い事を聞く。
「うーん、無いな。左近の見てもつまんねぇし」
さっぱりと否定をする右近。
「俺も無いよ。姉ちゃんは女だけど、女じゃないんだよ」
「それ分かるわー」
俺も即座に否定すると、右近もウンウンと俺に同意する。
右近と左近は双子だったので、思春期に入る前までは一緒にプールやお風呂に入っていたそうで、今更女の子として見れない様だ。
俺も、姉ちゃんがいるからよく分かる。姉ちゃんで想像をしてみたけれど、そういう気分には全くならないからだ。
確かに、弟の俺から見ても姉ちゃんはモテるんだろうとは思うけど、下着姿でウロウロする姿を知っているので、見慣れたってこともあるんだろう。
実際に姉や妹がいれば、それぞれの姉や妹属性なんて出来ないのだ。
だって絡まれるから、真っ先にウザいって思うもん。
「にしても、何やってんだろ?」
「舞姫達は渋々って感じか?」
女性陣の方を見ると、何やら砂場に線を書いている様で、その指揮をとっているのはスノウだ。
男女で別れて水着に着替えると言っても、俺達男メンバーは、ウィンドウをポチッと押せば一瞬で水着に着替える事が出来るので、ものの数秒で着替え終わったのだが、女性陣はまだ着替えてもいない。
その上、乱立していたパラソルの内の4本を引き抜くと、さっき書いた線の四隅に再び突き刺す。
そこに仕切り用の布を巻き付けて即席の仕切りを作っている様だ。
「あぁ、成る程。仕切りかぁ。確かに異性の前で着替えるのって恥ずかしいよね」
ぽんと手を叩いて納得したキースは、女性陣に気を使ってすぐに目線を逸らした。
そのパラソルの仕切りの中で着替える様なのだが、布の長さ的に顔の部分と太ももから下が見える長さだ。
なんか、大事な所が隠れている方がエッチなので、一応念の為に俺も見ない様にしておこう。
「別に仕切りを作らなくても良くね?」
確かに真司の言う通り、ウィンドウで水着を選択すれば一瞬で着替える事が出来るので、裸になるだなんて事はない。
その証拠に俺達が着替える時なんかは、誰の裸も見ていないのだ。
まあ、たとえゲームの中だとしても、すっぽんぽんになって局部なんかを出しちゃうと、当然だが公然猥褻罪になるので、ゲーム仕様でモザイクや謎の光とかで遮るみたい。また、温泉や風呂場だと自動的に湯気がその仕事を果たすのだ。
これはウィンドウで変更出来て、初期はボクサーパンツだ。
女性バージョンは知らない。
そう言えば、初めてお風呂に入った場所の主人である、クリスティーナとエリザベートは元気にしているだろうか?
機会があったら、あの2人にまた会いに行こう。
「それはほら、あれだよ。いくら速攻で装備変更が出来ると言っても、乙女心的に男性の前で水着に着替えるのは恥ずかしいんだよ。例え見知った相手でもね」
「……あいつらに乙女心ってあんのか?」
「真司、それは言っちゃあダメだろ」
キースの言う通り高校生であるスノウ達には、たとえ一瞬だったとしても男の前で着替えるという事に羞恥心があると思うが、真司が言うあいつらは舞姫達だろう。
いくら普段があれでも一応は女性だ。羞恥心はきっとあるはず!
「ねぇねぇ、別に仕切り作らなくても大丈夫だよ? 一瞬で着替えられるもん。一瞬だよ?」
すでにパラソルを四角くなる様に配置して、今は布で壁を作っているところで、舞姫がスノウに言うと、スノウはその発言に驚愕した。
その隣では唯も、コクコクと舞姫の言った事に同意する。
「舞姫さんも唯さんも、何言ってるんですか! 仕切りは大切ですって。だって、すぐそこに男の人達が居るんですよ。恥ずかしくないんですか?」
ヨシタカ達がいるのは、すぐそことは言っても50mほど先である。
「うーん。別に……」
「だから、ここで着がーー」
唯は顎に指先を当てて、舞姫は両腕を組みながら考えるポーズをするが、効率厨な唯と舞姫には裸が見えないのなら別にどうでも良い事で、すぐに着替えようとしたがスノウに邪魔をされる。
「ありえない! ありえないですよ、そんなの! ほら、中で着替えますよ!」
「アハハ。若いなぁー」
「残念」
舞姫と唯手を引っ張り、スノウ達も仕切りの中へと入って行く。
なんて会話がされていたみたいなのだが、もちろんヨシタカ達には聞こえていない。
閑話休題。
「ほいっと、次はヴォル男の番だぞ」
「オウ! オデノ番ダナ!」
「そーとだよ。そーと」
「ソートダナ。ソート……」
目の前の砂山から、真剣に棒を倒さずに砂を
取り除くヴォル男。
先ほども言ったように俺達の着替えは一瞬で終わったので、あとは女性陣待ちなのでその間は暇だからと、棒倒しをして遊んでいるのである。
参加者は俺、真司、キース、右近、あとはヴォル男の順番で円になって棒倒しをしている最中なのである。
灰白さん達は俺の近くや背後から「何やってるの?」って感じで、黙ってゲームが進んでいくのを見つめているが、興味津々なのか尻尾がユラユラと揺れている。
ただし、ヴォル男みたいな人型でないと、上手い具合に砂を取れないので、この棒倒しには残念ながら参加は出来ない。
先程、ヴォル男に対抗心を剥き出しにしていた白菊は、白薔薇の所で水着に着替えるようなのでここにはいないが、その代わりに清白と三毛猫である珠子は、俺の隣に陣取っている。
珠子は白薔薇の従魔の中ではリーダーの様で、先程俺のターンの時に「構って構って!」と俺に絡んで来た清白に、「邪魔しちゃあダメでしょ?」って高速猫パンチをして黙らせたのだ。
今は清白の頭の上に香箱座りをして、悪さをしない様に見張っている。
「いやぁん、男子ー! 着替えるんだからこっち見ないでよー!」
どうやらやっと仕切りが完成した様で、これから着替えるらしい。
すでに皆が仕切りの中に入っている。
すでに水着に着替え終わっている俺達に向かって、仕切りの準備をしていたぶん遅れて、これから着替えようとしていた左近が、顔に両手を添えてクネクネとした動きをしながら、猫撫で声でそんな事を言うのだが、一瞬で兄である右近に罵倒されてしまった。
「うっせぇ! 誰が見るかブス!」
「ぐぉらぁ貴様ー! 可愛い妹になんじゃその口のきき方はー!」
「誰が可愛い妹だよ! さっさと着替えろよ!」
そこから兄弟喧嘩に発展しそうなほどの罵り合いで、一触即発の雰囲気になりそうなもんだが、2人の間には仕切りがあるので、ただの口喧嘩だけとなった。
「うぅーん。どこを掘っても倒れそうなんだけど」
静かになったのを確認して、俺は改めて砂山を見る。
ヴォル男が意外と善戦してギリギリの所まで攻めたせいで!既に棒が斜めになっており、どこを削り取っても倒れそうな状態になっているのである。
「パスは無しだからな」
「頑張ってね」
「罰ゲーム忘れんなよー」
俺の後である真司や右近なんかは、既に俺が敗北すると思っている様で、ニヤニヤしながら俺を見ている。
唯一俺を応援してくれているキースだが、自分が安全圏に入ったからか、いい笑顔だ。ちくしょう!
「オデ、悪イ事シタダ?」
「ううん。大丈夫。絶対真司に回す!」
ヴォル男がしょんぼりとした顔で、自分が悪い事をしたのではないかと心配するが、これはゲームなのでヴォル男のせいではない。
俺が出来るか出来ないかだけだ。
「落ちるなよー。落ちるなーー」
なので、砂山のギリギリ、本当にギリギリの所をゆっくり丁寧に、頂点に刺さっている棒が落ちないように削ったのが悪かった。
「何しているの?」
「アーーーー!」
ポヨンとした二つの感触と、スルッと首元に滑り込んで来た腕に驚いてしまったからか、それとも余計な力が入ったせいか、砂山に衝撃を与えてしまい、ぽろっと棒が倒れてしまった。
「「イェーーイ! ヨシタカ罰ゲーーーム!」」
「……ごめん」
罰ゲームを回避する事が出来た真司と左近はお互いにハイタッチをすると、俺を指指しながら囃し立てて、事態を把握した唯も流石に悪いと思ったのか、俺から離れて素直に謝まる。
「いや、いいんです。唯のせいじゃないし」
「ごめんね? 本当にごめんね。おっぱい揉む?」
「いや、大丈っ……えっ?」
何言ってんだこの人? って、思って後ろを振り向くと、そこにはビキニを着て膝立ちの唯がいて、普段は下ろしているストレートの黒髪を、今は頭の高い位置でポニーテールにしているので、普段は見えないうなじが露出している。
水着の下はよく見るタイプだが上は肩紐が無く、普通の三角タイプのビキニじゃなくて、胸全体から二の腕までがベールで隠れているタイプの水着を着用している。
柄は黒地に白のレースの様な模様が付いていて、ここからの位置だとちょうど前屈みになって、さらに両腕でムギュッとサンドされているせいで、物凄く谷間が強調されている。
さらに、上目遣いで俺を見ているので、破壊力は抜群だった。
「ゴクッ……えっと、冗談だよね」
素晴らしい魔力を放っている谷間から目を背けて素っ気なく言うと、唯はコテンと首を傾げた。
「ん? 揉むってやつ? なんか舞姫がさっき言っーー」
「おっぱい揉む? は元々の元ネタがあるが、私は自分の彼氏が落ち込んでいる時に使う用語であり、普通に大丈夫? や、どうしたの? って聞くよりも、回復効果が認められている! ただし、使うには恋人以上だい!」
最初は俺に対して、最後は唯に向けられた説明に、「えっ、舞姫彼氏いるの?」と思わず言ってしまったほど、そっちの方が衝撃的だったし、女性陣は全員着替え終わった様で、舞姫の後を付いて来たスノウ達も驚いている。
唯一その中で驚いていないのは、唯と白薔薇のみだったが、その彼氏は案外身近に存在した。
「あんまり周りに言うなよ。恥ずかしいだろ?」
「それよりも、向こうで日焼け止めクリーム塗ってよ。真司!」
そう、舞姫の彼氏とは、俺をこのゲームへと誘った真司だったのである。
今まではそんな雰囲気を感じられなかったが、舞姫は真司の腕に抱き付くと、グイグイとパラソルの下に引っ張って行く。
「しょうがねぇなぁー」
そのまま、しょうがなくといった感じで真司は付いて行く。その2人のその後ろ姿は完全に恋人同士だ。
「なら、ヨシタカ。私のお願いね?」
「えぇっ!」
2人を見ていたら、いきなり唯にそんな事を言われて驚いたが、俺とは違う理由でスノウも驚いていた。
「あの、ちょっと疑惑なんですが、ゲームなのに日焼けするんですか?」
「日焼けと言うよりかは、火傷になってしまうと言った方がいいかな? 一種の地形ダメージみたいな物だよ」
「ダメージが入るだけで、黒くなったりはしない」
「そうなんですね! 良かったー!」
どうやら日焼けをするのが嫌だったみたいで、確かにスノウの肌は白い。
「確か、海の家で売っているはずだよ」
「早速買ってかなきゃ!」
日焼け止めクリームは海の家に売っていたので必要な分だけを買い、ついでに浮き輪やビーチボールなどの遊ぶ用の道具は、レンタルした。
一緒について来た唯は、ドライな銀の缶や紺なのに金の缶などを、それぞれのメーカーの缶を一本ずつ購入。
「一度やって見たかった。全メーカー味比べ」
と、ホクホク顔で買い物をしていた。
そんな訳で、全員で一旦パラソルの下で日焼け止めクリームを塗る作業が待っているのを利用して、女性陣の水着を紹介したいと思う。
まず俺達男性陣と唯は紹介したので割愛して、最初に舞姫からだ。
舞姫はうつ伏せになって真司に日焼け止めクリームを塗ってもらっている。
そんな舞姫の水着は、黄色を基調としたビキニで、ヒマワリのイラストがされている舞姫らしい水着だ。
下の水着には、紐パンツの様に左右で蝶々結びにされた紐の先が揺れている。
「ついでに肩揉んで」
ルンルン気分で足を上下にパタパタ揺らしながら、普段は出さないような甘えた声を出して真司におねだりする。
「いや、ここでやっても意味ないだろ?」
「いいのー!」
「はぁ、しょうがねぇな」
ゲームの中なので、リアル世界での肩凝りにはならない。それに、いくらここで肩揉みをしてもリアル世界には還元されないのだが、真司は溜息を1つ吐くと、うつ伏せになっている舞姫の上に馬乗りになり、首元から肩、背中に肩甲骨辺りをマッサージしだした。
「はぁ、気持ちいー。落ちたら寝る前に、またやってね」
「はいはい。でも、そのまま寝落ちするなよ?」
よほど気持ちが良いのか、うっとりしている舞姫の耳元で真司が囁く。
「えー。何されちゃうのかなぁー。真司のえっちー」
「そりゃあ、男の子だからな。頑張ったご褒美はくれるだろ?」
これ以上は、聞いちゃうといけない気がする。それにしても、真司は舞姫のお家に泊まっていたのか。
「コレ、ヌルヌルスル」
舞姫達の近くでは、白菊に日焼け止めクリームを塗っている白薔薇がいて、白菊は初めての日焼け止めクリームの塗り心地が苦手のようだ。
「そのうち慣れるから大丈夫さ。それに、これを塗らないと帰らせるよ?」
「ウー。我慢、スル」
ニッコリと迫力のある笑顔でそう言われると、白菊も文句が言えない。
「オデ、塗ラナイ?」
「ヴォル男は塗らなくて大丈夫」
そのやり取りを見ていたヴォル男も、自分は塗るのか白薔薇に確認を取るけれど、体全体が毛に覆われていて、毛がないお腹周りはオーバーオールで隠れいるので、日焼けする場所が無いのだ。
そして、残念ながらヴォル男はお父さんから白薔薇へと急遽預けられたので、水着の準備が出来なかったけど、本人は特に気にしていないみたいで、指を咥えポカン顔で、白薔薇達が日焼け止めクリームを塗っているのを見てる。
そんな白薔薇は、大きな麦わら帽子に白のビキニだが、下は海の色と同じパレオを巻いているので、腰から足首までを隠しているが、正座を崩した座り方をしているために、パレオがひらりとめくれていて、そこから見える太ももが眩しい。
白薔薇に、日焼け止めクリームを首元から背中の部分までを塗られている白菊は、今は完全な人型だ。白菊はスレンダーな体型なのでビキニを着ているが、その上に水色で水玉のキャミソールの様なものを着て、体型をカバーしている。
初めての日焼け止めクリームに、戸惑っているようで、口をへの字に曲げている。
その少し離れた場所では、スノウは紅葉と、トト子はココアと日焼け止めクリームを塗りあっている様で、双子であるサキとミキもお互いに塗りあっている。
スノウはピンクで、紅葉はオレンジのホルターネックタイプの水着の様で、スノウの場合は上のビキニ部分にフリルがヒラヒラと付いていて、下の方はミニスカートタイプの水着を着ている。
紅葉の方は上は同じだが下が違っていて、普通の下ビキニの腰回りにフリルが付いているタイプだ。
トト子は黄緑色のチューブトップで、三角の頂点から紐が出ている三角ビキニとは違い、胸の中心部分から紐が出ているのが特徴だ。
そして、ココアは己の体型を完璧に把握しているのか、平仮名で「ここあ」と書かれたスクール水着を着ている。
なるほど、ロリッ子好きに狙われたのが納得である。
サキとミキはお互い形は同じだが色違いのワンピースタイプの水着を着ていて、特徴的なのが背中だ。
後ろは腰辺りまでパックリと空いているのだが、背中から腰までの両端から、つく紐の様に幅の広い紐で結ばれていて、先っぽは蝶々結びにされている。
下はフリルが2重になっているので、ふんわりしている。
全体的な色合いは、サキが黄色でミキが緑。そこにフルーツのイラストがされている。
左近はボーイッシュっぽい水着で、お腹が見えているがピチッとしたタンクトップに、下は超ミニのパンツタイプで、引き締まった腹筋と生足を晒している。
どちらも紺色をしており、上はストライプ柄で、下は無地。白のキャップをしている。
左近は背中が空いていないので、一人で日焼け止めクリームを塗っているが、その隣では右近とキースがお互いの背中を塗りあっている。
男子2人が笑いながら塗りあっているこの光景は、舞姫に教えたら大変な事になりそうなので、黙っていーよおっと。
以上がこの場にいる全員の水着姿だ。
それで、俺はと言うと。
「はい、どうぞ」
そう言いながら、唯から日焼け止めクリームを渡される。渡した唯はゴロンとうつ伏せになってジッとこちらを見上げる。
「うぅ、本当に俺がやらないとダメなんですか?」
「うん。ヨシタカが良い」
その場から動けずに聞いてみるが、答えは変わらなかったので、気合いを入れて手に液体を出した。
「それじゃあ、塗りますよー」
「ん」
唯の側に座り込み、両手全体にクリームを行き渡らせると、露わになっている背中にそっと触れた。
「……ひゃんっ」
くすぐったかったのか、ぴくんと肩を震わせて甘い声を出す唯に、思わず俺は固まる。
「ごめん。ちょっと、くすぐったかっただけだから、そのまま続けて」
「はぁ、それじゃあ失礼して」
「……ん。んっふ。はぁ、あんっ」
これはさっさと終わらせた方が良いと判断した俺は、僧侶の様に悟りを開いて煩悩を振り払い、素早く塗り終えた。
「ありがとう。ふぅ、今度はこっちが塗るね」
うつ伏せから起き上がり、こちらを潤んだ顔で見つめる唯の手には、先程俺が使っていた日焼け止めクリームを持っている。
そこから白濁した液体を手に取ると、ヌチュヌチュと両手に広げて行く。
「お手柔らかにお願いします」
海は始まったばかりだと言うのに、クライマックスになりそうだ。
必要かはわからないがこんな感じ。
胸のでかい順。
白薔薇>唯>スノウ>舞姫>トト子=紅葉>サキ=ミキ>左近>ココア=白菊
標準の舞姫がDで、ココアと白菊が壁
これは本当にどうでも良い話だけど、真司はまだ童貞。




