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ふっ。大成功だせ!

注意!

今回、微エロ要素あります。

砂糖を吐きそうな描写があります。

 運営からのメッセージで賞金首が発生した事を知った俺達の元に、さらに白薔薇さんと舞姫さんからもメッセージが届いた。

 そして、メッセージを送ると同時にやって来ては俺をビビらせた唯さんが、この場に加わっている。

 唯さんが俺達の所に居る事を知った白薔薇さんと舞姫さんも、「なら、私もそっちに行く!」と言う事で、こちらに向かって居るようなので彼女達が来るまでの間は、ここで待機をする事となった。

 ただ、待って居る間に唯さんに懇願されてしまい、待ち時間の間を利用して猫耳尻尾を披露する事となってしまった。


「至福。至福。ヨシタカ君手触り良いね」


「ちょっ……! 唯さん、あんまりこっちに体重をかけないで!」


 真司の猫耳尻尾を堪能した唯さんは、今度は俺の猫耳尻尾をツツツーと撫でたり、揉みしだいたり、頬擦りしたりと堪能しているのだが、堪能している姿勢が悪かった。


 真司の時は、普通にベンチに座っている真司の真正面に立ち、黒の長毛の猫耳尻尾を触って堪能していたのだが、俺の時はベンチに座って居る唯さんの前に俺が座るように指示されたのだ。

 ここで、その座り方は如何なものだろうかと、「無理です!」と俺が拒否して「……ダメ?」と、潤んだ瞳で見つめられたりなんかして一悶着があった。

 結局、唯さんに根負けした俺が、ちょこんと唯さんの身体に触れないように座ったのに対し、それを無視するかのようにガバッと後ろから抱きつくような形で触り始めてしまったのだ。

 しかも、頼みの綱である真司は、この場には居ないのである。

 その理由が「私も欲しくなったから、真司君。買ってきて」って言われて、只今絶賛お使い中なのである。


「オスの三毛って珍しいんだよね? これってヨシタカ君が分かってて買ったの?」


「……いえ、真司からプレゼントで」


「ほほー。真司グッジョブ」


 俺が選ぶ暇もなく、強制的にプレゼントされたのがこれだったので、何か訳があるのなら真司に聞かないと分からない。

 だが、唯さん的にはそれで満足みたいなんだけど、何がグッジョブなんですか?!


「あの。色々と当たってたり、周りからの視線がアレなんですけれど。それに、俺じゃなくて灰白さん達でも良いじゃないですか?」


 俺の周りには、我関せずの状態だが灰白さん達も揃っている。

 こがねなんかは「何してんの? 遊んでる? 遊んでるの?」っと、俺達の周りをチョロチョロしている。

 モフモフ度合いだったら、完全に灰白さん達の方が上だから、出来ればそっちを撫でてくれないかなぁーと思ったのだ


 それに、今日の唯さんの格好は普段の鎧系の一式防具ではなく、胸元と腰回りに分厚い毛皮の防具。それと、お揃いの毛皮で作られた膝丈のサイハイブーツに、二の腕から手の甲までの長さで中指に通している防具は、胸や腰に比べると生地が薄い。


 全体的に生地が厚めで暑そうな印象があるが、お腹や太腿が出ているし、さらに胸元のみの胴装備はホルターネックとなっているから、背中側は肩から肩甲骨ら辺がパックリと空いているので、肌の露出が多い。


 これでさらに真司のお使いが追加されれば、獣っ娘装備の完成であるのだが、俺にとってはその装備だと刺激が強すぎだ!

 それに、周りから見た俺と唯さんって、露出度の高い装備をしたお姉さんに、猫耳尻尾を装備した青年が後ろから抱きつかれて、イチャコラしているように見えるはずだ。

 それって、どんな羞恥プレイだよ!

 それに、さっきから猫耳尻尾を触られていると、だんだんとゾクゾクとした感覚が強くなって来た気がするのだ。


「うふふ。普段、こんな感じで他の人と触れ合えないから、もうちょっと我慢してね? それに、ヨシタカ君じゃなきゃ意味が無いんだよ」


「ふぇっ……? でも、なんか変な感じになるんですけど!」


「んー? もうちょっとかな?」


 もう限界に近かったから必死に止めようとしたけど、唯さんはお構いなく触り続けて、ついには尻尾の付け根をトントンとされた瞬間に崩壊した。


「何がっ? んっ!……んにゃぁ」


 唯さんに両耳や顎下、首元なんかを重点的に撫でられ続けていた俺の体は、だんだんと力が抜けてきていたが、その時はまだ我慢出来ていた。

 ところが、尻尾の付け根を触られた瞬間に、ビリビリっとした刺激が走ったと思ったら、ポテンっと脱力してしまって唯さんに寄りかかる状態にまでなってしまった。


「にゃう〜」


「ふっ。大成功だせっ!」


 唯さんが何か言っているようだが、俺はのぼせてしまったのか、頭がボーッとしているようで理解が追い付かない。

 それに、さっきまでの事なんかどうでもよくなって、今はもっと唯さんに撫で撫でしてもらいたいにゃぁ〜。


「唯さん。もっと俺の事撫でて〜。にゃあにゃあ〜早く早くー!」


 体を捻り唯さんの首元に腕を回して抱きついてから、鼻と鼻をちょんと当てた後スリスリと頬擦りをすれば、何故だか唯さんは口元に手をやってプルプルと震えてしまう。


「ヤバイ。想像以上に可愛い」


「んう?」


 キョトンとした目で見ていると、何でもないと言うように腰に添わされていた手で背中を撫でなれた。

 そこも気持ちいいけど、頭とか首元が良いんだけどにゃぁーなんて思いつつ、撫でられているのに身を任せていると、ふと、遠くの方から名前を呼ばれている事に気が付いた。


「ちょっ。唯さんやり過ぎっすよ。おーい、ヨシタカー! 起きろー! 全員集合しているぞー」


「んにゃ……? ハッ! ヒェッ! ごっごめんなさい!」


 真司の呼び掛けに最初は微睡んでいた頭が完全に覚醒したようで、周りを見渡せばその場にいた唯さんはもちろん、お使いに行っていた真司は苦笑で俺の事を見ている。

 その隣には、にやにや顔の舞姫さんに暖かい眼差しで見つめてくる白薔薇さんも来ていた。


「んにゃっだって! んにゃっ! かーわーいーいー!」


「たしかに唯君に懐いているヨシタカ君を見てると、微笑ましいものがあるね」


「えー! これは腐の方に滾っちゃうよー」


「この場では、それは貴女だけでしょう?」


 全員の顔を見て今の状況を思い出し、さっきまでの痴態がぐるぐると頭の中に思い浮かんで、血の気が引いて来てしまった。


「……違う。さっきまでのは俺じゃない。俺じゃないんだぁー! うわぁーん。恥ずか死ぬー!」


 最っ悪の所を見られてしまったと、急いで唯さんの元を離れて灰白さんに抱きつき、「さっきまでのアレは俺なんかじゃない。俺なんかじゃないんだ」って、現実逃避に走った。


「ちょっと、唯っちー。ヨシタカ君完全にメロメロだったじゃーん!」


「うんうん。尻尾なんかも唯君の腕に巻き付けていたしね。役得だね」


「いやぁ、まさか買い物に行っている間に、ヨシタカが獣化しているなんて思わなかったっすよ」


 現実逃避に走っている俺を無視し、皆で俺の事について盛り上がっている。

 俺の味方をしてくれる人は誰もおらず、唯一の味方と言えば、顔を舐めて慰めてくれる灰白さん位だろうか?


「おっと、忘れるといけねぇ。唯さん頼まれていた猫耳っす」


「あぁ、ありがとう真司君。早速装備してみるね。まぁ、多少は恥ずかしいかもだけど、これでスキル出現出来たし、私はヨシタカ君を堪能出来たし大変満足でしたよ?」


 早速真司から受け取って装備した猫耳尻尾は防具の色と合わせていて、それに合わせるように髪色も黒から栗色に変更させて、ロングストレートになった唯さんに頭を撫でられたのでそちらを向けば、唯さんはいつもよりもキラキラの増した笑顔を俺に向けているのだった。


「はぁー……皆さん。さっきのは忘れて下さい。あと、写真に撮っていたり録画してたら消して下さいね」


 さっきの笑顔に絆された訳ではないが、まぁ唯さんが満足しているなら多少は恥ずかしいが、いや、かなり恥ずかしかったんだけど、さっきの事は事故だったと俺の中で闇に葬る事にした。

 別にラッキースケベなのでは? って思うかもしれないが、だからと言って俺の痴態付きでは恥ずかしさの方に軍配が上がってしまうのだから、素直にラッキースケベを堪能するだなんて出来なかったのだ。


「おっふ。せっかく可愛かったのに、残念だ。残念だなぁー」


「そうか……それは残念だな」


「ヨシタカ君が消えたんなら私だけ写ってても意味無いし、私のも消してね」


 俺の猫耳写真を撮ってしまった真司の事故の事を思って、もしやと思い聞いてみたらやっぱり撮っていたか。

 さっきの俺の発言で録画していた物が消されたらしく、舞姫さんは四つん這いになるほどに残念がっていた。

 この世界の特徴で、写るプレイヤーの許可無く写真を撮ったらモザイクになるし、さらに、さっきのように宣言すれば強制的に自分自身を消せるのだから、凄いものである。

 つまり、集合写真を撮って消えろと言えば、自分の所だけ消えて無くなるのだ。


 世界から存在が無くなったキャラクターが、写真からも消えて居なくなってしまう、アニメや漫画で見かける設定のアレと言う訳だ。


「まあ、そのおかげで『獣化』ってスキルを覚えたので、あとはスキルポイントを溜めて有効化出来れば良いんですけど」


 今回、こんな事になった原因はと言えば、簡単に言えば唯さんの独断専行だった。

 理由は簡単で、動物をモチーフにした装備を装着してから、その動物の本能を刺激するような事をすれば、獣化と言うスキルを発現すら事が出来るのだ。

 今回の俺の装備が猫だった為に、唯さんは思いっきり俺の事を撫でくり回していたと言う訳であった。

 他にもマタタビなんかも選択肢に入っていたらしいが、これは俺が酔っ払ってアレ以上の痴態を披露するかもしれないと、最初から選択肢には入れていなかったらしい。

 ちなみに、マタタビを与えられた猫は個人差があるが、デロンデロンに酔っ払った感じになったり、ヨダレをダラダラ流しちゃうような痴態を披露してしまうのだ。

 そんな事にならなくて本当に良かった。

 あとは、猫じゃらしで遊ぶくらいだろうか? だからって、いい歳なのにそれをするのもなんか嫌だ。


 なので、唯さん曰く消去法で撫でくりまわされたおかげ? で、新しいスキルを発現した訳なのだが、この『獣化』に必要なスキルポイントが100なのである。


「闘技大会の時のがあるよね? 使わないの?」


「今はまだ必要じゃ無いかなって。それに、意外と『獣化』のポイントが多くて、序盤なので他に必要なスキルが出た時にポイントが足りなくなると困るので、今回は断念します」


「あぁー。『獣化』って、必須スキルって訳じゃねぇしなぁー」


 今の俺の残スキルポイントは、闘技大会のおかげで100ポイントを超えているから、有効化する事は出来る。

 けれど、そうするとポイントがほとんど無くなってしまうので、他の場面で必要に駆られたスキルがあった場合を考えて見ると、今は使う気になれない貧乏性な俺であった。


「それじゃあ、残るは賞金狩りだけだね。私の従魔達の追跡によると、こっちの方へと森を通りながら向かっているみたいなんだけど、以外と近くにバウンティハンターもいるんだよね」


 テイマーである白薔薇さんは、ここに来る前に従魔達による賞金首の追跡をして貰っていた。

 テイマーの特権の1つに従魔のみの構成で、プレイヤーから離れて行動する事が出来るのだ。

 この場合、リーダーになる従魔を決めてパーティを組ませると、プレイヤーのパーティから離れて自由に行動するようになる。

 行動の最優先事項はプレイヤーの命令になるのだが、例えば好戦的な従魔をリーダーにした場合は戦闘が多くなったり、生産スキルを持っている従魔がリーダーだった場合は、採取をしたりするみたいなのだ。

 他にも、リーダーよりもLvが高い従魔がパーティにいる場合は、独断専行をしてしまったりするので、このパーティ決めは最初の頃は誰をリーダーにするのか悩むみたい。


 それはそうと、こんな所でうかうかしていられない事態になってきたみたいだ。


「おっと? 早めに行かないと三つ巴戦になっちゃうかな?」


「うふ。下手したら終わってたりしてね」


「それは困るな! なら、早速やりに行こうぜ!」





「目標発見。人数は6人全員居るみたい。うーん。あと5分位でバウンティハンターと鉢合わせしそう」


「その視界ジャックって便利だよなぁー」


「高低差を移動する系だと、慣れるまでは結構酔っちゃうんだよ。これって」


 早速俺達は白薔薇さんの案内のもと、賞金首の面々が居る場所へと北上していた。

 どうやら賞金首達は明治神宮との境界線ギリギリの森の中を進んで居るらしく、ここからでは見えない位置に居るようだが、白薔薇さんの従魔達が木の上で監視していてくれて居るようだ。


 そして、舞姫さんが言った「視界ジャック」とは、別名「視界共有」とも言って従魔の視界を共有する事と出来る。

 やろうと思えば全ての従魔の視界を目前に写すことが出来るが、その分自分の視界が邪魔されるので、白薔薇さん曰く10個位が限界と言っていた。


「まず、私達はバウンティハンターの足止めを専念ね。真司達は逃げ出そうとするのが居たら牽制してね。それで、ヨシタカ君が賞金首を狩っちゃおう!」


 唯さんの作戦実行のもと、それぞれの位置に配置して彼等と鉢合わせるのを待っていた。


 今現在の俺達はユニオンとなっており、俺のパーティは闘技大会に出場していたメンバーで構成され、残りは真司と同じパーティになった。

 舞姫さん、唯さん、白薔薇さんは3人でパーティを組んでおり、それプラスで白薔薇さんの従魔は賞金首とバウンティハンターを監視する者以外は、解散となって居る。

 なので、計3組のパーティでユニオンを組んでいるという、6人の賞金首を相手取るには中々に大所帯となっていたのだったが、「売られた喧嘩は倍返しだ!」と言う皆からの意見から、俺達以外は基本的に賞金首が逃げ出さない為の見張り役なので、俺達闘技大会出場メンバーのパーティで討伐する事となってしまった。


 そして、とうとう奴らと対面する。








年末年始は諸事情で更新が出来ないかもしれません。

なるべく普段通りの更新を心掛けます。


海編は2月ごろを予定しています。

結構先ですが、4話分を使う予定です。

お待ちください。



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