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闘技大会予選〜初級パーティ編〜

いつもよりちょっぴり長め。



「はい!これヨシタカ君の分ね!」


ドドン!と目の前に置かれたのはカツ丼で、おやつはたい焼きである。

どちらも出来立てなのか、湯気がもわんって漂っているし、食欲をそそるいい匂いだ!


他の皆はそれぞれ違う物を買っていたみたいだけど、俺の分は「私が買ってくるから、白薔薇と共に席取りしておいてねー!」

と、言われていたのだが、目の前に出された食べ物を見て納得。


もちろん、勝つでカツ丼。

おめでたいで、たい焼きである。


「ユッキー1回戦突破おめでとう!」


「「「おめでとうー!」」」


真司が音頭を取り、それに合わせて女性陣3人がクラッカーを鳴らす。

一応食べ物に掛からない様に配慮はされているので大丈夫だが、ちょっと周りの目が恥ずかしいです。

あと、クラッカーの耐久値はものすごく低くて、打ち出してから10秒もしない内にエフェクトが出て消えてしまう。

飛び散ったあれやこれを片付けなくていいのは、ゲームならではで便利な所である。


「ありがとうー!でも、あと2回勝たないと本戦には出れないんですよね?」


昨日の初級パーティで、俺は初戦突破を果たした。

だけど、終了時間が迫っていたからか、他のパーティ達が1巡したら、30分程早めに終了して今日に持ち越しされたのだ。


「そうだろうね。けれども、初級だけは武器とか攻撃力とかの数値が一定で同じになっているはずだから、ちゃんと相手を見て行動して戦えさえすれば、優勝…出来ちゃうかもね?」


「かもねー!ってか、取り敢えずご飯食べよーよ!いただきまーす!」


「ふむ。そうだね。いただきます」


「ん。いただきます」


「「いただきまーす!」」


はふっ!あちち!ほふほふ。

ジュワッと甘しょっぱいタレを吸い込んでいる衣と、そこにトロンって絡み付いているふわとろの卵。

そして、豚独特の甘みが合わさっていて、ご飯が進む!進む!

サクサク食感のトンカツも美味しいけれど、味が染み込んでいるカツ丼も美味しい!

行儀が悪かろうと、口いっぱいに頬張り込んでカツ丼の味を堪能する。


ぺろんとカツ丼を食べ終わった後は、おやつであるたい焼きが待っている!

外はサクッと中はもちっとした弾力と、舌を優しく包む小豆の甘さ。

カツ丼を食べていた分、熱々では無くなってしまっているが、俺にはちょうどいい温度である!

甘さもちょうど良くて美味しい!

もう1つのたい焼きには、カスタードが入っていて、小豆とは違う甘さとバニラの風味、そしてねっとりした舌触りが良い!

きのことたけのこ戦争の様に、どちらからで食べるかの論争があるかもしれないが、俺は断然頭からかぶり付く派だ!

最後に、緑茶で喉を潤して満足満足!




「君達は、この後どうするんだい?」


ある程度食べ終わった時に、ふと白薔薇さんからそんなことを言われた。


「あー。どうしようか?見てても勉強になると思うけど、ぶっちゃけちゃえば私達を相手に訓練した方が色々経験値積むかな?」


「どちらも利点ある。けれど、観戦は最終日が見てて楽しい」


「だよなー。まぁ、結局はユッキーが決めるのが良いんじゃね?」


どう言う事なのかと思って聞いてみると、どうやら、俺の予選が終わった後についての事であったらしい。


今は闘技大会3日目で、ここまででソロが各階級と、パーティの初級が少し進んでいる位で、今まで通りに進むのであれば、今日と明日で残りのパーティと上級のユニオンが終わり、明後日には無差別級のユニオンとレギオンが終わるかもしれないらしいのだ。

なので、4日〜6日までは観戦をするのか、もし俺が本戦まで残っているのなら、優勝目指して、さえずり・真司・舞姫さん・唯さんと白薔薇さんから2匹分の従魔をお借りしての特訓をするか?って話になっている。

上級以上だと、戦闘時間は平均5分程で終了してしまうため、6日目の午後に全予選が終了するのであれば、何やらお楽しみがあるらしい。


「うーん。どうしよう?観戦も捨て難いんだけど、優勝を目指しての特訓も惹かれる…」


実は、闘技大会の各優勝者には優勝賞金が入るのである。

内容は各階級によって異なるのだが、賞金とスキルポイント、各アイテムに称号が貰えるらしい。


スキルポイントは各1人1人に配布されるけ

ど、賞金と各アイテムは1パーティに配布されるので、俺以外が従魔で構成されている俺

の場所は、全部俺の物になるらしい。

ちなみに、プレイヤーのみで構成されているパーティなどは、パーティリーダーに一旦配布されるので、綺麗に分配するか、欲しい物をパーティ内で相談し合うみたいである。

例えば、賞金のアイテムは沢山持っているので、出来れば現金多めが良いとか、逆にお金は要らないけど、アイテムが多めに欲しいって意見が合えば、トレードをし合ったりす

る。


「あっそうだ。一応闘技場外でも映像は映るから、有名所が出ていたり、面白そうなのがあったらメールで送るよ」


「ただし、音声は入りませーん!」


「臨場感が減る」


「けど、集中して見れるかもな」


なるほど、だったら…


「せっかく参加してて優勝目指さない男はいないです!なので、俺の特訓に付き合って下さい!」


「「「「「「ビクッ!」」」」」」


優勝を目指して、特訓コースを選択した。

決めた瞬間、4人の顔がニタァってなっていたけど、頭を下げていた俺にはその顔は見えなかったのである。


「オッケー!ビシバシ鍛えちゃうぞー!それはそうと〜昨日の女の子達とキャッキャウフフしていたみたいだけど〜〜!」


「仲良さげだった」


「もしや、あの中の誰かが彼女だったりするのかな?」


「昨日は逃げれちゃったしねー!」


「今日は白状すべし」


「おばさんに話してごらん?」


ニヤニヤしつつ、にじりにじり近づいてくる女性陣の突然の話題に頭が真っ白になる。


「なっ!ちっ…違いますよ!昨日も言ったけど前にフレンドになったってだけで、ちょっと!真司助けてよ!」


「すすすー」


あっ!あいつ白薔薇さんの従魔の方へと逃げて行きやがった!

まだ、3人共お酒飲んでないんですよね?えっ?これシラフなんですか?


「オットー!ソロソロ予選ノ時間カナー?皆行クゾー!」


「あっ…逃げた」


「おやおや?からかい過ぎてかな?」


「あっー!せめて!せめてだけでも、どの子がタイプだったのー!」




「ふぅ…何とか撒けたけど、後で何か言われるのかな」


「クゥーン」


「大丈夫ですか?」って灰白さんが寄り添って来たので、安心させるために頭を撫でておく。


舞姫さん達が言っていたように、昨日の初戦の相手は、浅草寺で会ったスノウ達だったのである。




昨日の初戦で、運営に言われたフロアへ向かうと、先に女性のパーティがすでに待っている状態であった。


「「「「あっ!」」」」


「んっ?」


初めてモンスター以外での対人戦って事で、緊張しつつも戦闘準備に入ろうとしたら、こっちに指を指している子や、手を振っている子もいた。


「ヨシタカくーん!私!私ー!スノウー!」


ちょっと遠いいなーって目を凝らせば、前方のハンマーを持っているプレイヤーが居て、大声で自分の名前を言った。


「あー!久しぶりー!」


誰だったのかが判明して、10日ぶりに会う知り合いにこっちも手を振り返すけど、あの時は4人しかいなかったはずなので、残りの2人は誰なんだろうか?


「積もる話は試合が終わってからねー!正々堂々と戦いましょーう!」


「分かったー!」


そうして、試合開始の合図が鳴った。


「灰白、こがね!GO!」


試合が始まる前に、唯さんからアドバイスを貰っていたのだ。


「まず、前衛と後衛で別れていた場合は、灰白とこがねのスピードを生かして、後衛狙いで向かわせた方が良い。利点は、プレイヤーが魔法を放つ際に、呪文を詠唱しないといけないのだけど、その詠唱中は他の動作がほとんど出来なくなるから狙い目。それに、空を飛べる雀達の利点を生かすなら、遠距離攻撃が出来る相手を潰した方が、安心して攻撃出来るでしょ?」


確かに、なるほどって思ったから早速その作戦で進める!


スノウ達のパーティの編成は、前衛担当のハンマー、片手剣、双剣が2人。

後衛担当の弓と魔術師で編成されていて、その内の片手剣と双剣の2人がこちらに駆け出して来ていた。


先行して飛び出した灰白さん達は、双剣と片手剣目掛けて駆け出したように見えて、相手に近づいて攻撃範囲に入りそうな距離になった瞬間に、向こうが足を止めて迎撃体制に入ったのを、スルンって通り過ぎてその後ろにいる魔術師と弓使いに体当たりをかました。


「キャー!」


「ウソッ!」


「「えっ!」」


「…グッ」


魔術師は後衛だったため、あまり中心に寄っていなかったのが原因で、灰白さんに体当たりされた衝撃で場外に飛んで行ってしまっていた。

場外に出てしまうとアウトなので、残り5人だ!


弓使いの方は避けられたけど、電撃を纏ったこがねの体当たりは、掠っただけでも運が良ければ麻痺になるのだが、今回は運が良かったみたいで膝をついていて動けない状態だ!

この隙を見逃す灰白さんでは無いので、魔術師を吹っ飛ばして着地した瞬間には、もう弓使い目掛けて突進して行った。


「ヒッ!」


向かって来る灰白さんに恐怖した弓使いは、頭を庇うようにガードしたけれど、そんなの御構い無しにドンッ!って体当たりした。


「ギャウ!」


吹っ飛ぶ弓使いに容赦無くこがねも体当たりの追撃をして、見事弓使いも場外に吹っ飛ばして、残り4人!


さて、こっちはと言うと舞姫さんのアドバイスのおかげで後衛が居なくなったので、紅緒

と露草の活躍が物凄かった!


相手の攻撃がギリギリ届かない所からの属性攻撃を繰り出して、相手が武器を投げようものならひらりひらり躱して、挙げ句の果てには飛んで来た武器をキャッチしてしまって、見事に相手を翻弄していた。


真白はと言うと、小ちゃい事を生かして相手の足元をチョロチョロ移動して、他のプレイヤーへと助けに行くような行動をしようとしたら、お得意の飛び蹴りを繰り出して、見事に相手の注意をコントロールしていた。


真っ先に相手を戦闘不能にした灰白とこがねが、そのまま傍観なんてするはずも無く、直ぐにこっちに戻って来て援助し始めた。


では、俺はどうかと言うと…


「はぁはぁ…フン!」


「グッ!…スノウ女の子なのに一撃重っ!」


「まぁハンマーだから…ねっ!そっちもいきなり私の仲間を戦闘不能にしてくれちゃってー!」


会話しつつの、スノウとの打ち合い斬り合いの状態に発展していた。

ハンマーの威力にビビって距離を取り過ぎると、他のプレイヤーの方へ行かれてしまい、連携されると厄介なので、距離を保った状態を維持していた。

それに、スノウの一撃は重く、ちゃんと盾でガードしていても、ダメージを受けていた。

だけど、その状態は終わりだ!


「あれ?もしかして私以外いない感じ?」


このフロアには俺の相手をしているスノウ以外は、皆敗者になってしまっていたのだ。


「…の、様だな。どうする?続ける?」


ジリッと、スノウの周りを皆で囲みながら聞いてみた。


「ふぅー。6対1とか無理ゲーだよ!降参で」


ゴトンっと構えていたハンマーを地面に置いて、両手を挙げて降参を宣言した。




「それじゃあ、こっちの2人を紹介するね。こっちの左のサイドアップの方がサキで、右のサイドアップがミキだよ」


場所は選手控え室。

そこで初顔合わせの2人を紹介された。


「「よろしくー!」」


双剣使いの2人は双子で、髪型の違いが無ければ区別が付かない位にそっくりだった。


「それはそうと!」


「撫でても!」


「良いですか?」


「うん。いいよー」


双子を遮り、紅葉、ココア、トト子がズイッと前に出て来て、めをキラキラさせながら聞いて来たので、快く快諾した。


「キャー!ありがとうー!」


「モフモフ!」


「お久しぶりやなー!」


許可を出した途端に、お目当を一斉にナデナデし始めた。


「えっと…この前もだけどごめんなさいね」


双子もモフモフするのに混ざり、余っている俺に、スノウが苦笑しながら謝って来た。


「ううん。大丈夫だよ。灰白さん達も撫でられるの好きだしね」


やっぱり撫でられるのは好きなのか、皆ご満悦なのである。

こがねに至っては、お腹撫ででポーズをしている始末である。



「さて、負けちゃったし、この後の予定も無くなっちゃったから、そろそろログアウトするね」


スノウもモフモフに参加していたけど、暫くしたら手に乗せていた紅緒を俺に返しながら言って来た。

その言葉を聞いて、他のメンバーも名残押しそうだったけど、撫でるのを終わらせた。


「私達、ヨシタカ君が優勝するの応援してるよ!」


「うん!ありがとう!頑張って、優勝目指すよ!」


「それじゃあね!」


「「バイバーイ!」」


「またなー!さて、俺達も皆の所に戻るか」


スノウ達が手を振りながら去って行くのを見送り、控え室の扉を通り真司達が待っている観客席に行こうとしたら、ガシッと肩を誰かに掴まれた!


「うわぁっ!」


「ヨーシタカくーん!今の子達とどんな関係かにぁー!」


「仲良さげだった」


さっきまでそこで覗いていたのか、2人共口元に手を当ててニヤニヤしている。


「えっ?あっ!ちっ違いますよ!ただのフレンドですよ!」


「本当かなー?」


「むふふー!慌ててるとは怪しいのー!」


「だから、違いますってー!」


ツンツンって、頬を叩かれながら2人に詰め寄られている状態に、我慢出来ず俺は逃げ出したのである。



以上が昨日の一戦の内容と、その後の事であった。


「さて、すっごく早めに来ちゃったけど、あの場にいるの辛いし、ここで順番が来るまで待ってますか!って事で、ただ待っていると緊張しちゃうし、順番にブラッシングでもしますか!」


もう灰白さん達は、ブラッシングの「ブラ」って聞いただけですっごい尻尾をブンブン降り出した。


「おい…あいつ昨日の」

「あぁ、しかも初日には…」

「俺も見たぜ!破天荒と最強の…」

「チクショウ!羨ましいぜ…」


「もふもふ…」

「かわいい…」

「…撫でさせてくれるかな?」

「えっ?どうする?」


灰白さん達をブラッシングしていると、人がどんどんやって来た。

控え室はかなり広いが、それでもボソボソと噂されているのが聞こえる。

多分破天荒と最強は、舞姫さんと唯さんのことだと思う。

そして、羨ましいって単語が聞こえたので、もしかしたら初日に2人からほっぺにキスされた事だろうか?

確かに、はたから見たら俺も羨ましいと思うかも知れないけれど、実際に相手をすると若干鬱陶しいタイプだぞ!

一緒にいて楽しいけど、楽しいんだけど!

鬱陶しい時は、鬱陶しいのです!


「おい」


こがねをブラッシング中に、ふっ…と影が差したので顔を上げると、そこには俺よりも年齢が低そうな少年達がいた。


「おい、お前!どんなズルしてんだよ!」


「はぁ?」


ゲームの年齢制限は15歳。

俺よりも幼い感じの少年達は、おそらく中学生か、高校に入りたて位だろうけど、初対面の年上相手に「お前」呼びとか、こいつらバカか?


「おい!無視すんじゃねぇよ!何で、こんなにモンスター連れてんだよ!」


「そうだそうだ!お前どんなチートしてんだよ!」


最初に声をかけて来た少年の、両サイドにいる2人も俺に絡んで来た。

さらにそんな3人の後ろに似たような雰囲気の少年が3人も居る所から察するに、こいつらはパーティメンバーだと思う。


ざわざわザワザワ


辺りも騒がしくなって来て、正直面倒さい展開になって来たと思っていたら、俺達にケンカを売ったと認識したのか、灰白さん達が唸ったり、威嚇したりし始めた。


「ワン!」


「ギャウ!」


「「「ヒッ!」」」


灰白さんとこがねが吠えたら、俺達に文句を言って来た少年達がビクッとなり、青ざめ始めて、後ろにいた少年達は完全にビビってしまい後ずさりしてしまっている。


おそらく威嚇のスキルが発動していて、灰白さんとこがねよりもLvが低いのか、完全にビビってしまっている。


「あれ?どうかしました?」


そこへ運がいいのか、運営の方が来たのでそれ以上の騒ぎにはならずにすんで、予選は進んで行った。





「って事があったんですけど…どうすれば良いですかね?」


予選終了後、観客席にいる皆の所へと戻った俺は、控え室で起こった出来事を皆に話していた。


「うーん。こればっかりはちょっとなー」


「文句言う奴は、完膚無きまでに叩き潰せば良いよ」


「これこれ。…まぁ、そこいら辺は運営も厳しいから、チート行為は監視されているし、しようものなら強制排除されるよ」


「そうだなー。初期の頃は改造厨が色々湧いていたけど、その度に菜々緒の恐怖のお仕置きと、強制アカウント排除があったかな?」


「あった!あった!あと、運営の再三の注意無視すると永久追放されちゃったりねー!それはそうと…ヨシタカ君のさっきまでの対戦相手偏ってたよねー」


アッハハ!って笑いながら俺がさっき戦っていた相手の事を言って来た。

実は、2戦目と3戦目の相手はどちらも全員戦闘スキルが同じだったのだ。


2戦目は魔術師で、3戦目が格闘家達だったのだ。

一応魔術師も格闘家も、他の戦闘スキルとちょっと違っていて、片手剣のようにLvが上がって他の武器とかが解放される訳ではなく、最初の方に、全部の種類が使えるのだ。

魔術師なら各属性が使えるが、魔術師のLvが上がる時に解放されるのは、無属性の魔法のみであるみたいだ。

だから、ほとんどのプレイヤーは、各属性を一点集中して、その属性だけ高いスキルにする言う事だ。


例えるならば、魔術師Lv10火魔術20水魔術1雷魔術1…みたいな感じで、格闘家も似たような感じになっているようで、空手やボクサー、柔道に合気道などが最初から選べる。

そして、格闘家のLvが上がった時に解放されるのは、身体能力強化系らしい。


「確かにハマれば強いんだけど、逆にハマるとめっちゃくちゃ弱いんだよね」


舞姫さんの言う通り、魔術師パーティが相手の時は、先制で灰白さんとこがねが突進して行き、詠唱して動けないでいる2人を先に場外へと弾き落とした。

2人も失って動揺して統率の取れなくなった

残りは、反撃を喰らったけれど、俺達はあっさりと倒してしまった。

詠唱時間が仇になってしまった形だ。


格闘家の方は、俺と灰白さんと真白が壁役になり、カバー仕切れない所は紅緒の火魔術で補って貰っている所に、露草とこがねの遠距離攻撃の水→雷のコンボで範囲に入っていたプレイヤー3人程が麻痺になって動けなくして、残りの3人のHPを削り取とって、最後に麻痺状態で残っていた人達が、降参して終わったのだ。


「なんだかんだで本戦突破だね。特訓頑張ろうね」


「で…ですねー」


ニッコリと唯さんが微笑みながら言った言葉が、何故か背筋をゾクっとさせる物で、愛想笑いをしつつ返す。


「だよな!ここまで来たらユッキーが優勝して、文句言ってた奴らにギャフンって言わせちまえよ」


「ちなみに、その文句を言いに来たのはこの中に入っているかい?」


真司も文句を言ったプレイヤーに対して思う所があるのか、そんな事を言うけど、ギャフンって…

そして、白薔薇さんが表示しているウィンドウを覗き込む。


「んー?いや、入っていないみたいですね」


画面に映っていたのは、リーダーが大きく、その下に他のプレイヤーが小さく表示されている映像で、もちろんそこには俺と灰白さん達も映っている。


「なんだ。口先だけのガキか。本戦にまで来れたなら、直接相手してやれたのにな!」


「でも、そんなお子ちゃまって自分の思い通りにならないと、永遠に駄々こねるから、相手しなくて良かったかもよ?」


「ん。無視無視」


「それじゃあ今日は、のんびり観戦しつつ休息をとって、明日からの特訓に備えておけば良いよ」


「そうですね。そうします!それより…お腹空いたー!」


もう13時は過ぎていて、はっきり言って我慢の限界だったのだ。


「そう言うだろうと思って、皆のご飯用意しておいたんだよー!」


「えっ!ありがとうございます」


嫌な出来事もあったけど、灰白さん達のおかげで予選を突破する事も出来たし、優勝目指して、明日からの特訓を頑張ろう!

どこにでも文句だけで、実力の無い者はいるもので…


双子の見分けは、某アイドルにするか、鬼の双子にするかで迷ったけど、アイドルの方で。


それにしても、今季のアニメも豊作で作者はウハウハです。

3月ごろに更新が遅れている場合は、アニメの最終回ラッシュで意気消沈しているか、モンスターを狩るゲームにハマっている可能性があります。


先に謝っておきますw

さぁ、ゲームの予約をせねば!

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