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お参り〜浅草七福神〜

お待たせしました。

今年ありがとうございました。

来年もこの作品をよろしくお願いします。

お昼より少し早い時間にログインした俺は、真司達との待ち合わせ場所である雷門の下

で、真司達が来るのを待っていた。

もちろん、他のプレイヤーの邪魔にならないように、真ん中では無く端っこの方で、灰白さん達を撫でながら待っていた。

時折ここを通るプレイヤーさん達に、チラチラ見られていたけど気にしない。


「ガウッ!」


「ギャウ?」


「いきなり、どうした?」


そんな時、撫でられてご満悦だった灰白さんとこがねだったが、何かに気が付いたのかバッと身を起こすとある一点を見つめている。

その後に続いて、真白、紅緒、露草も同じ方向を向いている。


気になったので俺もそっちを見たけど、何も無い…いや、何か鳥のようなものがこっちに向かっているのが見えた。


しばらく俺達がその一点を見続けていると、ゾロゾロと雷門に人が集まり、ザワザワと辺りが騒がしくなって来た。

それもそうだろう、だって近付いて来ているのは、飛行機よりも一回り小さいが大きなドラゴンだからだ!


「うわっ!ゲフンゲフン!!」

「やべぇ!へほっへほっ!」

「うおっ!ゲホゲホっ!」

「ギャッ!ぺっぺっ!」


だから、辺りが騒然となっているのだがドラゴンのスピードが早く、あっという間に近づいて来てドシンッ!と着地したかと思うと、止まり切れず前に倒れそうになる体を、羽を羽ばたきながら体勢を戻すのだが、その時に着地した際に舞った土埃などが、俺達に向かって来て、一斉に門付近にいたプレイヤーが咳き込む。

もちろん、俺達だって例外無く土埃に飲まれてしまい、咳き込んでしまった!

と言うかこのゲームは、目にゴミが入る所まで再現されているのか!


「あはっ!みんなゴメーーーーン!」


「てへぺろ」


ドラゴンからひょいっ!っと何かが落ちたと思ったら、それは舞姫さんと唯さんであっ

た!


「「「てめー!何やってんだ!?お前が犯人か舞姫ー!」」」


「アハハー!このドラゴンの持ち物は唯っちだよ?」


舞姫さんと顔見知りだろう人達が、一斉に舞姫さんの周りに集まり言いよるが、当の舞姫さんは悪びれる様子も見せずにいる。

日常茶飯事的な感じで纏まりそうな雰囲気

に、舞姫さんの性格が垣間見えた気がした。


たぶん、目的のためならば皆の迷惑になりそうな事でも平気でやる人で、皆もそんな舞姫さんに慣れている感がある。

憎めない系のお茶目さんって感じだ。

唯さんも、そんな舞姫さんの所で皆と談笑をしていて、あまり顔の感情が動く方の人では無いけれど、今は楽しそうに会話に参加している。


さてさて、では俺は何をしているのかと言うと…


「グルルルルルルゥゥゥ」


「ヒッ!」


2人が降りたドラゴンに、至近距離から見られていた!

他の皆も、俺の後ろに避難してそっと顔を出している状態である。

灰白さんだけは、俺の隣にいてくれているので、何とか正気を保っていられる。

あぁ…吐息が生暖かいよぅー


ーーーベロンッ!


「ウブっ!」


しばらく俺とドラゴンとで見つめ合っていたら、下から天辺まで大きな舌で舐められた。大きな舌で一回舐められただけなのに、全身がヨダレまみれになり、グッショリだ。


「おぉ…さすがだね。ドーラに好かれてる」


「だねー!ヨシタカ君おひさー!」


ベロン!ベロン!とドラゴンから舐められていたら、やっと2人がこっちに来てくれた。

俺はその間、ずっと動けずにされるがままであったので、もっと早くに来て欲しかった。

だって、目の前にすごい大きなドラゴンがいるんだよ!

無理無理無理無理!!!


「ほら、ドーラ。待て」


「グルルルルルルゥゥゥ」


ドシンドシンと少し下がり、今まであった圧迫感が無くなったので、ヘタリ…とその場で座り込んでしまった。

……怖かった。


「ほいっ!タオル!40秒で支度しな!…あれれ?さえずりちゃんと真司は?」


「ありがとうございます」


「あれ?ちょっとドーラの背中見てくる」


少し放心状態で、受け取ったタオルで全身を拭って行く。

そう言えば、さえずりと真司の姿が見えなかったが、ドラゴンが怖過ぎてそれどころでは無かった。

ごめん2人とも!


「ただいま。2人共ドーラの背中で気絶してた」


「アハッ!慣れてないと高度1000mからのジェットコースターとか気絶するよね!」


「はい。ヨシタカ君」


肩に担いでいた真司をボトリと地面に落として、へたり込んでいた俺の所に、さえずりをそっと渡してくれた。

確かに目を回しているみたいで、頭の所に星がキラキラと回っていた。






「はっ!俺は何をしていたんだ!」


「おはよう。えっと…大丈夫か?」


「おっはよー!」


「おはよう」


今いる所は食堂で、目が覚めない真司をそのままにするのも時間の無駄だし、取り敢えずはどっか入ろうか?って話になった。

その際に、俺に何か食べたいものある?って聞かれたけれど、ドラゴンのドーラの事で精神的に参っていた事もあり、優しい物でって言った俺の言葉に、「なら、ここかな?」と

ここに連れられて来たのである。

ちなみに、ドーラはここに来る前に唯さんが返して、真司は、さっきまで机に突っ伏した状態で寝ていた。


「さて…真司も起きた事だし、ご飯にしよーう!」


「それじゃあ、ご飯の後にさえずりのスキルの説明を」


「そうですね。ちょっとお腹も空いてきましたし」


「えっ?俺どうしたの?」


舞姫さんが、「ここは何回も来た事があるから注文は任せて!」って言って、スタタター!と受付に向かって行って、その間に、真司にここに来るまでの事を説明して上げた。


「ほいっ!お待ちどー」


と、テーブルの上に並べられているのは、色とりどりの小籠包、水餃子、ちまきなどなどの点心と、各1人1人には中華粥が置かれている。

デザートは胡麻団子と杏仁だ。


「では、いただきまぁーす!」


「「「いただきまーす」」」


カチャカチャムグムグガツガツと、皆一斉に食べ始める。

お店の端っこの方に座っているので、壁との間に灰白さん達もいて、初めての中華を満喫中だ。

ムグムグ、初めての中華粥だけどうまぁー!

トッピングもたくさんあるし、最初はこんな大盛り食べれるかな?って思っていたけど、なんだかんだ味変して食べて行くと、サクッと食べ終えてしまった。

もちろんデザートまでペロッといただきました!


「舞姫、ご馳走でした。さて、最初にヨシタカ君のステータスからお願いしても?」


「はい。一応、ここまでLv上がりました!」


食後のお茶を飲みながら、唯さんから言われて俺と、灰白さん達のステータスを発表して行くことになった。


ステータス

名前 ヨシタカ

体力 100 満腹 100


ギルドランク Lv22

職業

冒険者(片手剣/小楯/テイマー)

使役モンスター6/9

所持金38,052G


攻撃力 270

防御力 350


耐性

火0 水0 雷0 氷0 龍0 聖0 闇0


補助スキル

索敵 植物知識 ダッシュ 乗馬 乗馬攻撃術

連携 回避 鑑定 看破 気配察知

残スキルポイント33


武器

先見のナイフ

小楯速・改


防具頭 飛びウサメット

防具胴 飛びウサメイル

防具腕 飛びウサアーム

防具腰 飛びウサフォールド

防具足 飛びウサグリーブ


装備品

金運のお守り(微) 食運のお守り-減-(微)

落銭のお守り(微) 根性のお守り(微)

自然回復のお守り(微) 異状状態のお守り(微)

吉凶のお守り(微) 天候耐性のお守り(微)

降魔厄除(微)


これが今の俺のステータスで、攻撃力は2つの武器の合計値が表示されるみたいだった。

補助スキルは、アーサーさんとブッチャーさんに「この先必要になるぞ」って事で、取って置いたものだ。


使役モンスター

灰白(ウルフ)Lv25

体力100 満腹100


攻撃力 285

防御力 124


耐性

火0 水0 雷0 氷0 龍0 聖0 闇0


スキル

噛み付き 体当たり 引っ掻き 遠吠え 索敵 追跡 受け 威嚇 突進


防具

無し


装備品

力の首輪 手作りのお守り

食運のお守り-減-(微)根性のお守り(微)

自然回復のお守り(微) 異状状態のお守り(微)

吉凶のお守り(微) 天候耐性のお守り(微)

降魔厄除(微)


紅緒(紅雀)Lv21

体力100 満腹100


攻撃力 155(火)

防御力 155


耐性

火20 水-5 雷0 氷5 龍0 聖0 闇0


スキル

嘴撃 回避 火属性 危険察知 爪撃 飛翔


防具

無し


装備品

紅石の足輪 手作りのお守り

食運のお守り-減-(微)根性のお守り(微)

自然回復のお守り(微) 異状状態のお守り(微)

吉凶のお守り(微) 天候耐性のお守り(微)

降魔厄除(微)


真白(飛びウサギ)Lv20

体力100 満腹100


攻撃力 96

防御力 235


耐性

火0 水0 雷0 氷0 龍0 聖0 闇0


スキル

飛び蹴り 頭突き 発掘 危険察知


防具

無し


装備品

守りの首輪 手作りのお守り

食運のお守り-減-(微)根性のお守り(微)

自然回復のお守り(微) 異状状態のお守り(微)

吉凶のお守り(微) 天候耐性のお守り(微)

降魔厄除(微)




露草(葵雀)Lv20

体力100 満腹100


攻撃力149(水)

防御力149


耐性

火5 水20 雷-20 氷-5 龍0 聖0 闇0


スキル

嘴撃 回避 水属性 危険察知 爪撃 飛翔


防具

無し


装備品

碧石の足輪 手作りのお守り

食運のお守り-減-(微)根性のお守り(微)

自然回復のお守り(微) 異状状態のお守り(微)

吉凶のお守り(微) 天候耐性のお守り(微)

降魔厄除(微)


こがね|(雷獣)Lv27

体力100 満腹100


攻撃力 286

防御力 256


耐性

火0 水10 雷20 氷-15 龍0 聖0 闇0


スキル

噛み付き 体当たり 引っ掻き 咆哮 雷属性

索敵 跳躍 威嚇


防具


装備品

食運のお守り-減-(微)根性のお守り(微)

自然回復のお守り(微) 異状状態のお守り(微)

吉凶のお守り(微) 天候耐性のお守り(微)

降魔厄除(微)


そして、問題のさえずりである、


さえずり(歌雀)Lv52

体力100 満腹100


攻撃力 557

防御力 557


耐性

火0 水0 雷0 氷0 龍0 聖20 闇20


スキル

嘴撃 回避 聖属性 危険察知 回復効果UP

耐性強化UP 爪撃 飛翔 斬撃 飛行強化

HP自動回復 MP自動回復 魔法抵抗


防具

無し


装備品

食運のお守り-減-(微) 根性のお守り(微)

自然回復のお守り(微) 異状状態のお守り(微)

吉凶のお守り(微) 天候耐性のお守り(微)

降魔厄除(微)


「うぇっ!ごごごご…52!」


「うん。もうちょっと時間があれば60までは行けたかも…」


「ななな何で?」


何故ここまでLvが上がったのかと言うと、唯さんが空いている時間に、ソロでモンスターを討伐する際に、盾の内側にさえずりを入れて、何もしないと経験値が入らないので、ヒールとオートヒールを交互に使わせていたらしい。

ほとんど唯さんが討伐したので、さえずりが入る分は微々たる物だが、さすがに高Lvのモンスターなので、ここまでLvが上がったって事だ。

途中からは、さえずりも攻撃に参加させていたみたいで、後半は上がりにくい筈の経験値を稼ぎ、ここまで上がったと言う事だ。

スキルもかなり増えてて、UPの文字が付いているのが周りに効果のあるやつで、無いやつが自分に効果のあるやつらしい。





一通りステータスの説明が終わり、もう1つの目的であるお参りに向かう事になった。

ここは長々と説明するのも何なので、ダイジェストみたいにしたいと思う。


まず、浅草寺から始まり、浅草神社までを徒歩で一周する事になったって言っても、距離がある所は皆と遊んだり、競争したりしていたから、飽きる事は無かった。

ダントツで速いのが唯さんで、その次が舞姫さん。

やっぱりLv差と戦闘経験値の差の影響は大きくて、その事を唯さんに聞いてみたら、


「結局は、イメージの力が大事かな?ここはゲーム世界だから、動かす為に必要なのは筋力でも何でもないイメージだよ。って言っても、ゲーム世界のルールがあるから、私みたいになるには最低でもLv999にならないとダメだけどね」


って言っていた。

ふむ、イメージか。


そして、各七福神の所に行ったのだけど、今回はお参り用のチケットを、皆で購入して鳥居の中に入っていった。


浅草寺の大黒天の場合は、あの小槌で1人1人の頭をポコポコ叩いていった。

次が矢先神社の福禄寿で、おそらく魔法だと思うが、体の周りがホワァって光が包み込

む。

ちょっと距離が開いた先の鷲神社では、寿老人が扇子を一閃させて突風が俺達を包み込

み、すぐ隣の吉原神社の弁財天は、祝歌による歓迎を受けた。

また少し距離が開いた先の、今回始めて行く

今浜神社の寿老人には、頭を撫でられるのだが、その為に背が高いメンバーは皆で正座をさせられた。

橋場不動院の布袋尊には、袋の中の食べ物を貰ったし、ここも初めての今戸神社では、猫達の肉球でポポポポンと体中を押された。

その際の猫達の比率は皆が1匹づつで、やっぱりと言うか真司の所に来た猫が0で、猫達に拝みたとして渋々1匹が真司の所に向かってくれた。

俺?俺はその場にいた猫が、全部群がって来たわ!

目の前が毛玉でいっぱいで、真司は羨ましがるし、舞姫さんは爆笑だしで、結局唯さんに救い出された。

唯さん、ありがとうございます!

昨日討伐した、待乳山不動産の毘沙門天に何故か真司だけデコピンを喰らっていた。

弛んでいるって事ですか?

それ以外のメンバーは、槍を頭上にかざしてくれた。

そして、最後に浅草神社の恵比寿の所でも、俺達の頭を撫でてくれた。


そうして、全部の神社を回った時に《称号【七福神の祈り】を入手しました》と、メッセージが来た!


「おぉ!称号貰いました!」


「おめでとー!」


「ここが東京で最初に取れる称号」


「えへへー!これを取る為にお参りしたんだよー!特に効果があるわけじゃ無いけどねー

さて、時間的にもそろそろログアウトするかな?」


「そうだね。それじゃあ明日8時にここ集合でね」


「おう!このメンバーだと、初戦は俺かー」


「その次が私」


「最後がヨシタカ君だね!」


と、話が進んで行った。

ついに明日から闘技大会の始まりだ!

ドーラはあのおばあちゃんをイメージでw

ついに次からは闘技大会編ですが、次の週は執筆時間が無くなりそうなので、お休みさせて頂きます。

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