表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/76

橋場不動院

今日は予定があるため、早目に投稿させて頂きます。


今日で、このゲームを始めて1週間ほどが経過した。

だいぶ慣れて来たこの世界は、俺にとって、もう一つの世界の様である。


「うぅーん…暑い」


ログインした時の状態は基本的に2つで、最初にログインした時みたいに、立った状態でインする場合と、今みたいな寝ている状態でインをする状態である。

この2つの違いは、ただ、ログアウト出来る場所で立ってやるか、寝てやるかの違いだけである。

ちなみに、寝た状態で完全に睡眠状態になると、ゲーム機本体が脳波を察知して勝手にログアウトしてくれる。

なので、寝落ちで電池が切れて今までのデータがー!って言う事が起きないのだ。

電気代にも優しい設定である。


さて、今の俺の状態を説明しようと思う。

俺は今ベッドに寝ていて、右の腕と脇の間に灰白さんがいて、左の腕と脇の間にこがねがいる。

さらに、胸の上に真白と紅緒と露草がいるのである。

つまり、毛皮に囲まれていると言うわけで、いくらゲームの中が過ごし易いと言っても、この状態では大変暑いのである。


「あぁ…灰白さん、おはよう」


「ワフッ」


スッと、顔だけ上げた灰白さんに挨拶をすると、「おはようございます」と言う感じに鳴いた後に、俺の顔をペロペロと舐め出した。


「ブッ」


「チュン」


「おはよー」


真白と露草も起きたみたいで、2匹に挨拶したら、真白は俺の顔を両手でポフポフとやって、露草は頬に来て全身でスリスリする。


「ヂュン!」


「ぐふっ!」


「ギャン!」


上から順に、紅緒、俺、こがねの順番なのだが、まだ起きていない紅緒とこがねに、灰白さんが前足でバシッ!バシッ!と文字通りに叩き起こして、その余波を俺も喰らった事になったのだ。

灰白さん…良いパンチですね。


「さて、皆起きたみたいだし飯にするか」


ログインをして1番始めにやる事。

それは朝食を食べる事である!

そう言う訳で、皆ベッドから降りて一階の食堂へと向かった。


「えっと、今日行くのは橋場不動院だな」


がやがやと賑わっている食堂の一角で、今日の日替わり朝食を食べ終わった俺は、地図を確認しながら今日の予定を決める。


時計周りで進むと決めているので、今日向かう先は端っこの方にある「橋場不動院」である。

その隣には石浜神社があるが、そこは昨日討伐した寿老人がいるところなので、今回はスルーする予定である。

闘技大会前に、皆でお参りしよう!って話になっていたから、その時に向かう事になるのだろう。


そんな事を思いながらも、指先は慣れた感じにスイスイとウィンドウを操作する。

恒例となったいつものやつである。


舞姫の七福神攻略方法!


橋場不動院について


・橋場不動院に祀られているのは、布袋尊だよ。

場所が、他の神社に比べるとちょっと遠いいのが難点かな?もし、馬とか使えるなら、使った方が時間短縮にもなるし、スキルも上がるからオススメだよ!

そうそう、ちょっと話が変わるけど、馬関連のスキルは法則があって、時間経過でレベルアップするんだ。

Lv10までは、2、4、8、16って感じに増えていって、Lv10以降は1000時間必要って事。

ただ、これは馬に乗っていただけの話であって、走ったり戦闘したりしていたらプラス判定でどんどん時間が消費されてレベルアップし易くなるよ!

歩きは1.2倍で、走ったり障害を超える行動をすると1.5倍になって、戦闘中は2倍!経験値が増えて行くよ!

(ちなみに併用も可能)


橋場不動院のエリアボスについて


・布袋尊の外見は、ハッキリ言おう!デブでハゲであると!

…いや、本当にぽっちゃり通り越しててね。

ボンッてお腹が出ていて、道着?なのかな?が見えないんだよ。

上の服もボタンとか止めれなさそうな感じだしね。

性格はいつもニコニコしていて感じのいいおっちゃん!って感じだよ!

あとは、大きな袋を背負っていているのが特徴だよ!

さて、そんな布袋尊を討伐すると貰えるお守りは、「吉凶のお守り(微)」と「天候耐性のお守り(微)」が手に入るよ。

お守りの性能は以下の通りだよ。


吉凶のお守り(微)

効果 選択を迫れた時に僅かな確率で、良い方へと導く事があるお守り。


天候耐性のお守り(微)

効果 天候による状態異常になる可能性を僅かながら減らしてくれるお守り。


と、なっていて、吉凶のお守りは2択を迫れた時が1番高い効果を発揮して、選択肢が増えるほど威力が分散されて低くなっちゃうんだけど、ダンジョンとかの分かれ道とかには直感みたいなのが来て、たまにビビビッって来るから、持っていて損は無いお守りだと思うよ!

これは、ヨシタカ君が持っていれば効果を発揮するから、1つだけで大丈夫だよ!


天候耐性は、天候によって左右される状態異常を軽減するって効果なんだけど、例えば、雨の日だった場合は、水に濡れた状態になっているから、水属性と同じ攻撃を受けた事による、水やられって言う状態異常と同じ効果になっちゃうんだけど、それを軽減するお守りなの。

布袋尊の袋を破壊すれば、天候耐性のお守りは固定で手に入るから、破壊すべし!

ちなみに、属性攻撃よりも、天候異常の方が状態異常の確率が高いから、気を付けてね!

なので、こっちのお守りは皆の分をゲット出来るように、頑張ってね!


戦い方について


・布袋尊の戦い方は、ハッキリ言ってかなりやり難いよ!

その理由としては、背負っている袋は布袋尊の私物がって言っても、ほとんど食べ物なんだけどね。

それが、入っているみたいで体力が減ってくると、一定の確率で食べ物食べて回復しちゃうんだよ!

あと、これが最大の理由なんだけれど、すっごいコロコロ天候が変わるの!

基本は晴れなんだけど、それ以外にも雨や雷に強風もあるから、気を付けね。

天候の判断は、布袋尊が食べる物によって

変わるみたいね。

おにぎりなら雨が降って、魚だったら雷になって、お菓子なら強風みたい。

布袋尊の戦闘方法は肉弾戦だから、ちゃんと動きを見ていれば大丈夫だよ!


最後に


むちゃくちゃ激昂するけれど、晴れているうちに袋を破壊した方がいいよ!


と、なっていた。

うぅーん…これだけ見ると色々と不安が出て来てしまうな。

まぁ、なるようなるか!

あっ…雨で思い出したけど、今日母さんに頼まれてたのあったな。

まぁ、大丈夫だろう!

早速夜空を迎えに行き、橋場不動院へと向かった。



ポツ…ポツポツと水滴が顔当たる。

空を見上げれば、さっきまで晴れていた空を覆い隠す様に、灰色の雲が当たり一面に広がっていて、そこからサーーーーーと、雨が降り始めた。

原因は、おにぎりを食べた布袋尊のせいである。

くそう!ただの白いおにぎりだったのに、美味しそうに食べやがって!

こっちのお腹が空くじゃないか!


「さて、雨か…」


布袋尊とも5回以上戦っているし、全天候も味わった。

なので、まだ雨ならばどうとにでもなる。

一応、今回も部位破壊してお守りを入手すれば、ノルマ達成なのでサクッと終わらせたい所なのだが、そうはさせてくれないだろう。

布袋尊は見た目の通り大きいので、防御力が高いので、部位破壊する前に1〜2回は布袋尊が何かを食べてしまう。


一応、3つの天候の特徴はどれも厄介だったて事だった。


雷は、運悪く落雷に当たると麻痺になってしまうし、落ちる場所は完全にランダムだから俺達はまだしも、露草に当たりでもしたら、かなりのダメージになる事は分かっていたので、天候が雷の場合は回避に専念させてい

た。

まぁ…ランダムだからか、たまに布袋尊も当たったりもしていたけどね。

そうそう、雷に当たって「アバババババ!」ってアニメみたいな事にはならない。

一瞬で一定のHPを削られるのだ。

ただ、雷属性のこがねだけが積極的に雷に当たっていて、雷が当たると威力とかが上がるみたいで、嬉々として攻撃していた。


強風ならば場所取りが大事で、吹く位置によっては春一番の様に目も開けていられない状態になるのだ。

そんな所を布袋尊に攻撃をでもされたら、かなりヤバイだろう。

横風の場合も体が持ってかれるから、バランスが崩れてしまうので、とても戦い辛い。

あとは、砂埃が舞って視界が奪われてしまうのも戦い辛い原因だろう。


さて、今の天候は雨だ。

雨が体に纏わり付いて動き難いから、回避がし難いし、体力を奪われる。

そして、目に入りそうになる水滴が、集中力を奪って行く。

ただし、雨になった途端に露草が活発になって来ている。

それに反して、火属性の紅緒の動きが極端に悪くなっているので、灰白さんの背中に乗せている。


「ワァーハッハッー!」


「フッ!」


雨なんて何のその!って感じで、笑いながら

殴りかかって来る布袋尊を避けると同時に、すれ違い様に袋へと片手剣で斬りつける。


「ギャウ!」


「皆!一斉退避!」


雷を練っていたこがねからの合図に、俺は皆に命令して布袋尊から一斉に離れたと同時

に、数個の雷の玉が布袋尊に向かって放たれた。


「アギャウ!…グッ…クッ!」


「ガウ!」


「ブッー!」


雷属性の攻撃を喰らって動けなくなった布袋尊の袋に、灰白さんの噛み付きと真白の飛び蹴りが当たる。


「ギャウー!」


少し遅れてこがねも噛み付き、千切れろー!と言わんばかりに、灰白さんとこがねがブンブン振り回していると、ビリって音と共に袋が破れて、中の食べ物が宙に散らばった。

それと同時に空に掛かっていた雲も、サァーと消えて太陽が出て来る。


「あぁ!…あっ…あっ…グッ…グオオオオオオ!」


食べ物の恨みは恐ろしいとはよく言ったもので、宙に散らばった食べ物は地面に落ちると同時に消えて行く。

それを見て衝撃、呆然となった後に、ギッ!と、こちらを睨み付けると同時に雄叫びをあげて突進して来た。


狙いは誰かとか決めている訳ではなく、近くにいる奴からぶっ倒す!と言わんばかりに、手当たり次第殴ったり突進して来る。


「皆無理するなよ!」


さすがに5回以上も戦っていると、対策も出て来るもので、接近戦しか出来ない俺達は、ひたすら回避しつつ、すれ違い様に数回攻撃をするだけで、深追いはしない。

その代わり、遠距離から攻撃出来るメンバーは、これでもかって程に属性攻撃を連発させれば、あっという間に布袋尊のHPは0になった。




「ふぅー!おつかれー!これで今日のノルマも達成出き…あれ?」


鳥居を通り、戦闘エリアから抜けた瞬間に、俺の顔にポツポツと雨が当たる。


辺りを見渡せばさっきまでと違い、どんよりとした空模様で、周りのプレイヤーも傘やカッパを方いる人が多い。


「そっか、こっちでも雨って降るんだ…

あれ?雨って…」






○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○


「由貴ー!今日ずっと家にいるのー?」


母さんが用意してくれた朝食を食べている時に、母さんの姿は見えないが、バタバタと慌ただしく仕事に行く準備をしている音がするので、ちょっと離れた所から声を張り上げて聞いているのだろう。

朝は何かと忙しいもんだ。


「もくもぐ…いると思うー!」


口に入っていた食べ物を飲み込み、母さんに答える。

こっちも母さんに聞こえるように、声を張って答えた。


「なら、ベランダにある洗濯物外に干して置いてー!あと、3時ごろから雨が降るみたいだから、雨が降る前にしまって置いてー!」


ベランダって言っても、部屋の中のベランダの側にあるカゴに入れられた洗濯物が置いてあって、ここからでも見えた。

中には、タオルと衣服が別々に入っているカゴが2つ置いてある。

多分あれだ。


「わかったー!」


「頼んだわよー!…それじゃあ、行ってきまぁーす!」


「行ってらっしゃいー!」


○●○●○●○●○●○●○●○●○●○



「あああああぁぁぁぁぁー!」


思い出した俺は絶叫した。

急いで時間を確認すると、15:07を表示していている。

やばい!やばい!やばい!

もう、雨が降っているかもしれない!

むしろ、今の季節ならば豪雨かもしれない!

急いで帰らなければ、洗濯物が濡れてしま

う!

濡れてしまえば、母さんに怒られる!


「ごめん皆!今日はここでログアウトする

ぞ!」


そう言うが早いか、雨に濡れるのなんか気にしないで、急いでテントを敷いて行く。

宿屋まで向かう時間が勿体無いから、濡れるのなんか御構い無しに設置し、慌ただしくログアウトした。



七福神も残すは2話分!

年末年始にも投稿しようと思っています。

そして、1月から闘技大会編です。


その闘技大会ですが、モブのお名前を募集中です!

期限は12月までで、活動報告に記入して下さい!

ドシドシご応募お願いします!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ