浅草神社
ログアウトした俺は、寝る前に真司にメールを送った。
由貴「今日は時間ギリギリだったけど、ノルマ達成出来たよ。良かった良かった!そっちはどう?」
真司「こっちは青森で修行だよ!途中から、ハル君と奥さんが来て一緒にLv上げしてた
ぜ!」
由貴「へー!あっなら6人だからちょうどピッタリだな!」
真司「そうなんだよ!俺と一緒で、ハル君と奥さんは初期組だから上手いんだよ!まぁーこっちは学生だから、Lvの差はあるけどな」
由貴「まぁ、そうだな。テスト期間とかはゲーム休むかも…所で、気になってたんだけどさ、さえずりってLv低いのに、青森まで行けるの?」
真司「そうなんだよなー!そのせいで、俺まだ400まで行ってねーし!そっちはプレイヤーのみ適用されるんだよ!だから、唯さんに貸してるから、唯さんのLvが適用されるって訳だ!」
由貴「なるほど!あと、片手剣の派生で盾が使えるようになったんだけど、何が良いのかな?」
真司「それは唯さんに聞いてみた方が良いんじゃね?唯さん片手剣だったし!明日聞いてみるから10時ごろに電話するわ!」
由貴「えっ…その時間はゲームにいるかも」
真司「ちゃうわ!ゲームの中の電話だよ!フレンドリストの所で電話機能付いたんだよ!戦闘中とかログアウトは使えねーけどな」
由貴「あぁ!なるほど!」
真司「じゃあ、俺そろそろ寝るわ!」
由貴「分かった!ありがとうーおやすみ!」
真司「おう!おやすみユッキー!」
由貴「ユッキー言うなし!」
次の日、8時頃にログインした俺は、戦闘中には自動的に留守電になってしまう電話が、10時頃に来るので、それまでは次の目的地に行く前に、朝食やメッセージを見ながら時間を潰す事にした。
「それじゃあ、ちょっとここで席取りしててくれよな!」
「ワン」
代表で灰白さんが答え、そのまま俺は朝食を買いに受け付けへと向かった。
「うーん。今日はどうしようかな?」
宿屋の特徴は、朝食で色々な効果が付与される事である。
主に攻撃力UPと防御力UPがメインで、宿屋ごとに、もう1〜2個違うのがあったりする。
始まりの町の場合は日替わりメニューで、攻撃力と防御力が1日交代だった。
ここの宿屋は、金運UPと運気UPの2つがあるのは、やはり七福神の影響なのだろうか?
今日の事を考えると、俺と灰白さんと紅緒が防御力UPで、露草とこがねが攻撃力UPにしようかな?
「はーい!お待たせしました。ご注文をどうぞ!」
「日替わり定食Aと日替わり定食Bを2つで、Bの方は1つ大盛りでお願いします。あと、麦茶を3つ下さい。麦茶の2つは従魔用のお皿をお願いします」
「はーい!1350」
ちょうど決めた所で、俺の番になったので注文をする。
お金はいつも通り自動引き落としである。
ちなみに今日の日替わりメニューはこうなっている。
日替わり定食A
・ご飯
・たくあん
・厚焼き玉子
・小松菜の味噌汁
・鮎の塩焼き
日替わり定食B
・ご飯
・たくあん
・厚焼き玉子
・大根の味噌汁
・豚の生姜焼き
となっていて、どちらも美味しそうだ!
「お待たせしましたー!」
受付から出された、定食が乗った大き目のお盆を持って、皆の所へと向かうと、ふわっと定食のいい匂いが漂って来る。
さっき朝ご飯を食べたけど、やっぱり匂いを嗅ぐとお腹が空くな!
「はーい、お待たせー!」
「ワン!」
「ブッ!」
「「チュンチュン!」」
「ギャウー!」
「はいはい、ちょっと待って下さいよー」
皆の所へ戻ると、「早く早くー!」と俺の足元に集まって来たので、先に俺の分をテーブルに置き、残ったのを皆の前に出した。
「真白と灰白さん達が豚で、露草達の方が魚ね」
「ぎゃうー」
「お肉が良かったですー」と言いたげに、こがねが鳴いたが、ひと口塩焼きを食べたら、パァッと顔が輝き出してバクバクと食べ始めた。
「チュチュン!」
「ちょちょちょっ!僕の分でもあるんだからね!」と言いたげに、こがねに突き注意する露草を眺めながら、俺も自分の分を食べ始めた。
灰白さんと紅緒と真白はちゃんと分けて食べているから、これは入って来た差かな?
それか、灰白さん達のは大盛りだからかな?まぁ、こがねはやんちゃっぽいもんな。
「ふー、ご馳走様でした」
俺が最後に食べ終わると、目の前の食器は消えて行った。
もちろん灰白さん達のも一緒に消えて行く。
「さて…まだ時間はあるし、舞姫さんからのを見ておこうかな?」
食後の休憩って事で、舞姫さんから来たメッセージの、今度は浅草神社のページを読み始めた。
舞姫の七福神攻略方法
浅草神社について
・基本的には浅草寺と同じだよ!
場所が近いから、移動時間短くて良いよね!
浅草神社のエリアボスについて
・ここでのエリアボスは、皆お馴染みの恵比寿になっていて、地名やビールなんかでも有名だよね?
・恵比寿の特徴としては、右手に釣竿、左手に鯛を持っているのが特徴で、リアルでは航海と釣りと、商売繁盛の神様だから、ここでは釣りのお守りと商売のお守りをレアドロップで落とす事があるよ!
航海のお守りは1個上の恵比寿が落とすんだけど、ここでは関係無いから省略させてもらうね。
各お守りの性能は以下の通りだよ!
釣りのお守り(微)
効果 釣り上げた魚の品質を少し上がり、魚の食い付きが微量ながら良くなる。
商売のお守り(微)
効果 商売繁盛のお守りで、微量ながら商売の運気が良くなる。
今回は、どっちもヨシタカ君にしか効果は無いから、お守りは入手してもしなくても大丈夫だよ!
ただ、釣りと商売に興味があるなら、取っておいて良いんじゃないかな?
戦い方について
・恵比寿の武器は竿で、攻撃力はそんなに高くは無いんだけど、貫通攻撃をして来るから注意してね!
貫通攻撃は、竿をシュンシュンって小さく回したら一回転での攻撃で、指揮者みたいに縦に振ったら、前方一直線の攻撃になっているから注意してね!
どちらも、1m位の攻撃判定あるから注意だよー!
・恵比寿が持っている鯛を破壊すると、釣りのお守りを確定で入手出来るけど、抱えていた重しが無くなるからな、動きが早くなるから気をつけてね!
最後に!
今回のお守りは、灰白ちゃん達にはあまり効果が無いから、戦闘は少なくていいけど、最低でも、対人戦闘って事で3回位はやって欲しいな!
読み終わった俺は、灰白さん達にも恵比寿に付いてを説明しておく。
今回はお守りの入手がメインでは無いから、
時間が余ったから、次の場所の下見に行って見るのも良いかもしれないな!
プルルルルルルと頭に響くように、電話音がして、目の前にウィンドウが展開される。
見て見ると唯さんからであったので、通話ボタンを押した。
「はい!もしもし?」
「やっほ!ちょっと早いけど大丈夫?」
「あっはい。大丈夫ですよ」
今は9:20分位で、電話が来るまで暇だったから、浅草神社の受け付けでチケットを3回分買ったのとちょうど同じタイミングで電話が来たので、少し静かな場所へと電話をしながら離れて行った。
「そう…真司から聞いた。小楯だよね?」
「はい。どう言う盾が良いのか相談しようと思って」
「盾はちょっと変わった戦闘スキルだから、
説明するのが難しいんだけど、今のヨシタカ君なら、スピードが付いてるのが良いんじゃないかな?」
「スピードですか?」
「スピードなのは性能が良いのは上位になってからだから、それ以下は基本どれも一緒」
「はぁ…分かりました。取り敢えず、ショップで買ってみます!」
「うん。一応、武器一覧の盾の所で詳しい事が書いてあるから後で見てね。慣れる為に1週間頑張ってね」
「はい!」
電話を切った俺は、小盾の所を見てみるとこの様に書いてあった。
小楯の使い方
・盾は基本的に、個別の攻撃力と防御力を有しているのだが、武器と防具に加算されない為注意されたし。
・防御力より高い攻撃を受けると、ダメージが入る事がある為、注意されたし。
ただし、ガード強化とガード性能が高い場合は無効化される。
となっていたので、補助スキルにあったガード強化とガード性能を習得する事にした。
ガード強化
相手の攻撃をガードした際に、仰け反りやダメージを喰らい難くする。
ガード性能
相手の攻撃をガードする際に、行動をサポートするスキル。
どちらもガードする時に必要なスキルだったのか。
片手剣でガードする機会も多かったのに、取らなかったけど、強いモンスターは出なかったから、ガードでダメージは出なかったな。
あっ…こがねの時はダメージが入った気がするな!
さて、せっかく小楯用に補助スキルを取った事だし、早速ショップで小楯を買いに行こうかな?って事で、ウィンドウのマップでショップを探すと、結構近くにあったので、そっちへと向かった。
「はい、いらしゃい!」
場所はNPCのショップで、受け付けはちょっと独特の訛りがあるお兄さんだった。
「武器の小楯を欲しいのですが」
「あいよー。ちなみにどれ位なら払える?」
大黒天での戦闘で、結構お金が入ったから、
ちょっと奮発しても大丈夫かな?
「一応1万〜1万5千位でお願いします」
「あいよー。性能はどうする?」
性能は唯さんが言っていたやつだよな?
「ちなみに、性能って何があるんですか?」
「結構あるぞー!各属性が付与されていた
り、各属性耐性があったりだな。後は、ちょと高めになるが、攻撃力や防御力、速さとかの性能が上がるのもあるさー」
そう言って出してくれたのは、どちらも火の属性が付いた小楯である。
「一応見本だなー」
「ファイヤースモールシールド」5600G
・小楯に、紅雀の尾羽を使い火属性を付与した小楯。
攻撃力80 防御力170 火属性20 耐久値210
「耐火の小楯」5800G
・小楯に、紅雀の羽を使い火耐性を付与した小楯で、火属性の攻撃のダメージを減らす事が出来るが、水属性の攻撃には弱くなる。
攻撃力70 防御力180 火耐性20 耐久値220
「へー、攻撃力と防御力が一緒になっているのか」
「そだー、防御力より高い攻撃を受けたら、ダメージ食らうから注意なー」
唯さんはスピードをって言っていたし、スピードを上げるのにしようかな。
でも、攻撃力と防御力UPのも見ておこう。
「スピードが上がるのってありますか?それと、攻撃力と防御力が上がるのも見たいで
す」
「となると、この3つかなー?」
「小楯 撃」6000G
・小楯に、ウルフの牙と爪を用いて攻撃力を高めた小楯。
攻撃力を高めた代償で、若干、防御力が低くなっている。
攻撃力90 防御力150 耐久値200
「小楯 護」6000G
・小楯に、飛びうさぎの毛皮を用いて防御力を高めた小楯。
防御力を高めた代償で、若干、攻撃力が低くなっている。
攻撃力50 防御力220 耐久値200
「小楯 速」6500G
・小楯に、速燕の羽と尾羽を用いて速度を付与させる事が出来る小楯。
若干ながら、移動速度が上がる。
攻撃力70 防御力180 耐久値200 速(微)
「うーん、これだったら唯さんが言ったように、スピードが上がるのが良いかな?すいません。この、小楯下さい」
「あいよー6500Gだー。一応残りのお金で強化するか?」
「強化ですか?」
「そうさー。5000G追加で武器の強化が出来るぞ」
詳しく聞いて見たら、武器に強化を施す事が出来る見たいで、強化した武器の名称に〜改と付くようだ。
さらに強化をすると、〜撃や〜真と付くみたいだけど、ここだと改までしか強化が出来ないみたいだ。
また、プレイヤーショップの武器はそこでしか強化が出来ないので、俺がここで強化出来るのは、小楯のみになってしまう。
まぁ、強化するには1個の武器に5000G掛かるのが、懐的に痛い所かな?
「まぁ、お金に余裕はまだあるし、お願いしますね」
「あいよー」
そう言って小楯を奥に入って行き、奥からトンチンカンと鳴っているのを聞いてしばらくすると、お兄さんが戻って来た。
「待たせただー」
「小楯 速・改」
・小楯に、速燕の羽と尾羽を用いて速度を付与させる事が出来る小楯。
若干ながら、移動速度が上がる。
改造がされていて、強化している。
攻撃力90 防御力190 耐久値200 速(小)
「おぉー!ちょっとだけど上がってる!」
「11500G貰うぞ」
「うん!ありがとう!」
お金を払った俺達は、早速腕試しという事で恵比寿の討伐へと向かった。
「ふぉふぉふぉー!」
「貫通来るぞ!皆回避!」
竿を小さく振り、高笑いをし始めた恵比寿
は、ちょうど俺の腰辺りで一周の貫通攻撃をしたので、俺はしゃがんで防ぎ、他の皆も
それぞれ飛んだり伏せたりして回避する。
最初は、この攻撃のダメージ範囲が分からなかったけど、3回も戦ったら回避するタイミングが何となく分かる様になった!
分かったらこっちのもんだい!
竿を注意して見ていれば、回避するタイミングも、だんだん分かるようになった。
「ハァー!」
「ッ!」
恵比寿が貫通攻撃をした後は、硬直状態になるので、その隙に俺と皆で攻撃を畳み込む!
《経験値を入手しました》
《1700G入手しました》
《釣りのお守りを入手しました》
3回目の恵比寿との戦闘を終えたけど、時間はまだ12:50であった。
恵比寿は昨日の大黒天に比べると、並んでいたプレイヤーが少なかったので、サクサク進んで行った。
並んでいたのは10人位だったかな?そのおかげで、並んでいる間にブラッシングする時間が無くて、皆残念がっていた。
と言っても、今回は3回分のチケットしか買ってなかったから、全員分のブラッシングは出来なかったんだけどね。
「皆お疲れー!今日はまだ時間が余っているから、散歩にでも行かないか?」
「ワンワン!」
「ぶぅー」
「「チュンチュン!」」
「ぎゃうー!」
そう、今日はログアウトするまでまだ時間があるから、散歩がてら他の七福神の場所まで行ってみようかな?と思っていたのだ。
ここ以外だと、場所的にちょっと離れているから、迷わない様に予め下見したいっての
と、後はあれの練習もしたいんだよね。
皆も行く行くー!って感じで、テレビでよく見る、散歩に行く前の犬みたいにテンションが上がってるけど、俺のお腹がペコペコで空腹が限界だ。
「けどその前に、お昼食べに行くか!」
そう言って雷門の方へと戻って行った。
今日はまだまだやる事が残っているぞー!
アニメのキャラクターがお亡くなりになってしまって、ウツウツします状態から何とか書き上げたぞ!
モフモフに癒されたい。




