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新しい仲間と雷門

「やっぱり大っきいなー」


俺の目の前に映るは赤く大きな雷門。

俺達は川を越えて、次の観光場所としての浅草雷門へと、新しい仲間を連れて共に来たのである。


「ギャウー」


しゅるんと俺の足に尻尾を巻き付けつつ、こちらを見つめるのが、新しく仲間になった元雷獣こと、「こがね」である。

こがねを撫でつつ、いつ仲間になったのかと言うと、それは昨日の事であった。








《経験値を入手しました》

《雷獣の牙4つを入手しました》

《雷獣の爪を3つ入手しました》

《雷獣の毛皮を3つ入手しました》

《雷獣の魂のかけらを2つ入手しました》

『雷獣の魂のかけらを5つ持っています。アイテムを利用して、雷獣をテイムする事が可能です。テイムしますか?はい/いいえ』


「えっ?」


「んっ?どうした?…ってか、何で雷獣いんの?」


今日ラストの雷獣の討伐が終わった時に、経験値とアイテムの後に何か言ってたよね?

聞き逃しそうになったけど、雷獣のテイムがどうのこうの…っと言うか、今までだった

ら、討伐後は消えてしまうのに、まだ目の前に雷獣が大人しくお座りの状態でいる。


「や…なんか、雷獣がテイムが出来るみたいなんだけど…」


「マジか!早よ早よ!」


雷獣がテイム出来ると聞いて、目をキラキラ

させながら無責任に言うな!

ペットじゃ無いけど、無計画に増やす物ではない様に思うが…それにアイテムを消費するみたいだし。

いや、確かに俺自身のLvも上がって、テイム出来る上限が増えたみたいだから、増やしても良いのかな?って思うけど、まだまだ初心者の俺からしたら皆の助けって必要だし…ソロでこのまま進めるのも大変そうだしって事で、取り敢えず皆にも聞いてみるか。


「皆に質問です。新しい仲間が出来そうなんだけど、良いかな?」


「ワン!」


「ブー!」


「「「ピチュン!!」」」


「大丈夫!」って事なのか、皆も真司と同じく目をキラキラさせている。

新しい仲間が出来るのが嬉しいのかな?

皆が大丈夫って事なので、俺は雷獣を仲間にするべく「はい」の所を押したが、


『パーティの上限がいっぱいです。雷獣をテイム出来ませんでした。』


と、表示されてしまった。


「あれ?…ごめん、パーティの上限でテイム出来ないっぽい」


「あれ?そうなの?だったら、灰白タンこっち来る?」


『テイムモンスターの灰白が、真司のパーティに誘われています。許可しますか?』


「灰白さん。真司と同じパーティになってもらっていい?」


真司も知らなかったのか、新しくモンスターをテイムするには、自身のパーティに空きが無いと出来無いみたいだった。

ただ、テイムした従魔だったら、任意のパーティに行く事が出来るみたいなので、申し訳ないが、灰白さんにパーティを移って貰う為お願いしてみた。


「…!?」


「何ですとっ!」って感じで、目をカッ!ってしたけれど、新しい仲間が出来る為だからか、渋々真司の方へ行く灰白さん。

なので、ありがとうって撫でつつ真司からの仲間申請に許可を出して、真司の方へと移って貰った。


「ようこそ、灰白ターーン!」


「グルルルルルル」


「気安く私に触ら無いで下さい!」って事なのか、抱きつこうとした真司をヒラリと躱して唸っている。

このやり取り、いつもの風景になりそう。


「あはは。それじゃあテイムするぞー!」




ステータス

こがね|(雷獣)Lv23

体力100 満腹100


攻撃力230

防御力200


耐性

火0 水10 雷20 氷-15 龍0 聖0 闇0


スキル

噛み付き 体当たり 引っ掻き 咆哮 雷属性

索敵 跳躍 威嚇


装備品

無し



名前の由来は黄金色だったからだ。

ぱっと見は猫っぽいんだけど、何か犬と狐と猫を足して割った感じなんだよな。

ただ、尻尾の形は完全に狸みたいな感じで、もっふりしている。


「はい」を押したら、お座りしていたこがねがタタッとこっちにやって来たので、頭をナデナデする。

大きさは、灰白さんより1回り小柄な感じ

で、撫で心地はフワッフワっである。

これが、帯電状態だと刺さりそうなほどにツンツンするのか。


「よろしく、こがね」


「ぎゃうー!」


「カワイイー!俺も撫でるぞー!」


「ギャウッ!」


こがねを撫でてた俺を見て、真司も参戦しようとしてガバァッてやって来るが、それにビックリしたこがねが「わぁー!来ないでー」って感じの追いかけっこになっている。


「ほら!他の人が待っているんだから、さっさと出よう」


ずっとここに居たら、他の人達の邪魔になってしまうではないか!


「ちぇー。やっぱり餌づけか?餌づけなのか?」


って、真司がウンウン言ってるけど無視で良いかな?


「ギャ…ギャウ〜」


「ワフッ…フンフン」


「「「ちゅちゃん」」」


「この人嫌ですー」って感じで俺達の所に戻って来たこがねに、灰白さん達が近寄って、匂いを嗅いだりしている。

こうして見ると、普通の犬とか猫っぽい。


「それで、今日はどうしようか?時間も無いし、もう一回ここでログアウトでいい?」


「いいぜ。じゃあ、石使うか」


「了解」


そう言うわけで、俺達は転移石で1階に戻って、新しく入ったこがねがいる事だし、もう1度ここでログアウトしに受け付けへ向か

い、今回は俺が受け付けの対応を担当した。






「今日はどこ行く予定なんだ?」


「ぎゃう〜。ギャウ!ギャウギャウ!」


次の日、こがねをブラッシング中に次へ向かう場所を真司に聞いたら、手が止まってしまたのか、こがねに両手でガシッと掴まれてアグアグされてしまう。


「あぁーごめんごめん。ほら、離して」


甘噛みなので全然痛くないが、ついでのように後ろ足でゲシゲシするのは止めて!


今日は俺の方が早くログイン出来たので、真司を待っている間に、皆のブラッシングをしていて、最後にこがねをやっていた時に真司が来た訳だ。


「そうだな…近いし、浅草に行くか?」


「おお!俺行ったこと無いや!」


浅草かー雷門とかが有名なんだっけ。

テレビで特集されてたりするけど、行ったこと無いんだよね。


「よし、じゃあ決まりだな。あっ…2000円位電子マネーにしといた方がいいぞ!」


「えっなんで?」


「浅草の名物食べるに決まってんじゃん!1個単位が安いから、2000円位あれば色んなの食べれるぞ!」


全国には有名な食べ物があるが、それらは全て課金アイテムとして売られている。

例えば、野菜・果物・魚・肉などはゲームマネーで買えるけど、加工してある食べ物は基本的に課金アイテムになってしまう。


「あっそっか。じゃあ、そうしようかな。えっと…お金ってどうすればいい?」


「そうだなー。俺はプリペイドでやってる

ぞ。あとはーー」


真司からの説明だと、このゲームの電子マネーのやり方は、まず1つは銀行の引き落としである。

自身の銀行の番号をゲーム会社に教えると大丈夫みたいだ。

それで、引き落としにも種類があり、1つは完全自由に買い物が出来るタイプがあって、もう1つは、使う金額の上限を決めて、その範囲で買い物するタイプである。

これは月々で変更が可能で、親が子供に使う場合が多いみたいだ。

そして、上限を超えそうな場合は、『上限を超えてしまいます。利用出来ません』って表示されるみたいだ。

なので、足りなくなりそうだからって上限額を増やしても、適用されるのは次の月になってしまうので、ご利用は計画的にしないとダメなんだとか。


次に、電子マネーにするタイプである。

こっちの場合は、コンビニなどに売っているプリペイドカードを利用するやり方になる。

使い方はそのまんまだな。

足りなくなりそうだったら追加で買える所が利点になるのかな?


「と、言う訳でどっちにすんだ?」


「とりあえず、真司と同じにしようかな。」


そんな訳で、真司と同じ電子マネーにしたので、電子マネーにするやり方を真司に教えてもらい、一旦ログアウトしてコンビニにプリペイドカードを買いに行った。


「ただいまー」


「おかえりー!出来たか?」


ウィンドウを確認して、ちゃんと電子マネーが入っている事を確認する。


「ちょっと待って…うん。バッチリ!」


「よし、それじゃあいくぞ!雷門!」


「おー!」



と、言う訳で俺達は入り口である雷門の前まで来たのである。


道中に出て来たモンスターは、新しく入ったこがねの事もあり、サクサク倒せている。

やっぱり、麻痺させる事が出来るのって相手の動きが止まるから、楽に倒せていいな!


「さって、時間的にお昼なんだが…買食いするか、お店で食べるか…」


「この通りって結構食べ物屋さんが多いんだな。雷門で食べれる有名なのって何があるんだろ?」


「町の中の店だったら、ウィンドウで調べられるぞ」


「へーそうなんだ」


そう言われて、ウィンドウでこの町に入っているお店の一覧を見てみた。


「へぇー結構色んなお店があっ…えっ?ドジョウ?」


「ドジョウがどうかしたか?」


「えっと、ドジョウって食べれるんだね」


「まぁ、魚だから?」


「あぁ、うん。そうなんだけどね」


ウィンドウで調べてたら、ドジョウのお店があってビックリした。

画像もあったんだけど、ちょっとグロいと言うか何と言うか…


「ん?ドジョウ食べるか?」


「いや、大丈夫!むしろ、無理そう…」


うーん、俺的にはドジョウって蜂の子とかそんな感じだなぁー食べ物ってイメージが湧かないな。


「なら、とりあえずこの通りで気になったの買って食べようぜー」


「そうだな。皆もそれでいい?」


「ワン!」


「ブッブッ!」


「「「ピチチ」」」


「ギャウ!」


真司の提案に皆も「大丈夫だよー!それより早く!早く!」って感じで、灰白さんと、こがねが俺の両裾をグイグイッて引っ張る。


そんな訳で、通りを歩きつつ気になったお店の食べ物を皆で買食いして食べ歩いた。

俺達が食べたのは、鯛焼き、メンチカツ、メロンパン、人形焼きなどなどである。

1人1個だとすぐにお腹が一杯になるって事

で、俺と真司と真白で半分個、灰白さんとこがねとで半分個、紅緒達で半分個して食べてたけど、ふぅ、皆で分けて食べたけど結構量があったな。

俺はそろそろお腹一杯になりそうって思っていたら、いきなりパッと目の前にウィンドウが表示された。


「わっ、ビックリした」


表示されたウィンドウを見てみたら…


『運営からのお知らせです』


って大きく書いてある。


「なぁ、運営からのお知らせって真司にも来た?」


「あぁ、多分闘技大会のお知らせじゃね?」


そう言われたので、確認してみると確かに闘技大会のお知らせで、中身は日時と場所と参加するかどうかだった。


「どうする?ユッキーは出んの?」


「えっ!ちなみに真司は?」


「俺?んーまぁ、出るとしたらソロかな?ユッキーだったら、初級でパーティで良いんじゃね?」


「うーん。どうしようかな」


予選と本選の日時には、予定が空いてるから

出る事は出来るけど…


「なら、腕試しに出てみれば良いじゃん!それに皆もやる気満々みたいだし?」


って、言われて皆を見ると、確かに「やりましょう!」って感じで目をキラキラさせている。

いや、むしろギラギラ?の表現の方が良いのかな?


「皆なる気なのか…じゃあ、一応出て見るかな」


「おう、そん時はこの前の面子で応援してやるさ!」



そして、俺は闘技大会に出場を決めたのだ。

闘技大会に参加したおかげで、俺は運命の出会いをする。





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