初めての冒険者
初めまして。
完全なる初心者です。
拙いですが長い目でお読み下さい。
4/20改稿しました。
「へぇー。ゲームの中って言っても、現実世界とほとんど同じじゃん」
俺が立っている場所。そこはVROMMO内であり、作品のタイトルは「another world online」。
その「another world online」の「始まり町【東京】」に入る前の、入り口に立っていた。
「何だろうこれ? 何の動物をモチーフにしているんだろう?」
始まりの町とフィールドとの境目には柵が設置されており、入り口の両サイドには動物っぽい形の何かがこちらを睨んでいる。
このゲームのコンセプトは、「現実世界でのあなたをそのままに、もう一つの世界で遊んでみませんか?」だ。
この「another world online」は、全世界で爆発的に売れた人気作品で、日本の他にもアメリカやヨーロッパ、それに中東や南米が舞台のバージョンがあるほどだ。
大人気になっている理由は様々だが、ハマっている友達。こいつは俺が大学の入学式に出来た友人で、大学ではよくつるんでいる奴なのだが、そいつ曰く、
「現実で出来ないファンタジーが、このゲームだと全て出来るんだぜ! それに、人間の五感のほとんどを再現しているって言われているくらいで、ゲーム内なのに現実との区別がつかないくらいなんだ!」
と、出会って間もない時に、かなり熱くおススメされた。
そんな友人に押しに押されて始めた訳なんだが、確かにこれは現実との差があまり無いように思えた。
理由は試しに取ってみた、土を持った感覚や土の匂いがしたからだ。
「ここまでリアルだと逆に怖いな」
手に持っていた土を払い落とすと、友人から指定されていた場所に向かう。
「たしか、まず最初に冒険者ギルドに行って登録だったな。えっと、地図〜〜。地図〜〜」
ゲーム内では「使えて当たり前、むしろ使いこなせないとゲームの9割は損するぞ」と言われて必須となっている、ウィンドウを起動させると、目の前にタッチパネルのような物が出現する。画面だけが俺の前に出現しており、向こうが透けて見える。
画面の欄にはマップの他にも、ステータスやアイテム、今は居ないけどフレンド情報などもあって、そこをタッチするとその項目が利用出来るようになるみたいだ。
画面上で箇条書きになっているマップの部分に触れると、パッと画面が日本地図に切り替わった。
「ふむふむ。どうやら、このマーカーがある所が今いる現在地みたいだな」
日本地図の東京がある辺りに、アプリで地図を使う時に見るようなアイコンが付いていた。その日本全体を写した地図からスワイプを何回かして、俺の周囲1キロくらいの範囲を表示させる。
「たしか、ゲーム内で海外にも行けるって言ってたけど、サーバーが向こうのに変わって、表示される言語がそっちの母国語になっちまうって言ってたよな」
(まぁ、行く予定はありませんがねーっと)
と思いつつ、縮小した地図の中に始まりの町と冒険者ギルドの場所を発見した。
冒険者ギルドの所を押してみると、その場所に別のマーカーが記された。
となると、ここが冒険者ギルドで目印までの最短ルートも表示されてるみたいから、便利な機能だ。
えーと、始まりの町のちょうど真ん中辺りにあるみたいだな。
よし、では行ってみますかね!
○
「へー、結構プレイヤーショップとかあるんだなー」
冒険者ギルドまでの道のりを、ショップやら他のプレイヤーを見ながら進んで行く。
このゲームのプレイヤーとNPCの区別は、頭の上に表示されている逆三角形のマーカーが目印みたいだ。
青がプレイヤー、黄色がNPC、緑が使役モンスターで、赤がエネミーモンスターだっけかな。
そんなこんなで、散策しながらやって来ました冒険者ギルド!
ギルド内に入って施設を観察すると、結構中は広くちらほらとプレイヤーもいるみたいで、数人のグループに分かれて大きなボードの所や酒場ぽい所で賑やかに談笑している。
さてと、アイツ曰く、まず最初に受け付けの所に行かないとダメだって言っていたっけ? それで目の前にボード、右が酒場だとすると、左が受け付けかな、よし、では行ってみるか!
「あのー、冒険者に登録したいんですが…」
「はい、冒険者に登録ですね。このゲームは初めてですか?」
「えっと、はい。」
俺は受け付けのお姉さんから、このゲームにおける冒険者の説明を聞いた。
まず冒険者にはランクがあり、Lvが上がるにつてれランクも上がり、行ける範囲が増えたり、討伐クエストの種類が増えたりするシステムみたいだ。
ランクはLv1〜999までがMaxで、10単位づつで行けるクエスト範囲が増えて、50毎にギルドカードの装飾が豪華になっていくらしい。
クエストの受注はクエストボードの所にある用紙に付いているアイコンをタッチすると、ウィンドウに
「このクエストを受注しますか?はい/いいえ」
が表示されて、はいを選択するとokみたいだ。
Lvが低かったりとか、条件が足りない場合はアイコンが表示されず、クエストの受注が出来ない仕組みになっていて、ウィンドウに
「受注Lvに達していないか、推奨人数に達していない為クエストの受注は出来ません。」
って表示されるみたいだ。
それで実際にクエストを受注したら、好きな戦闘スキルで討伐する。
通常戦闘スキルが、片手剣、双剣、刀、斧、ハンマー、格闘家、弓、魔術師の8種類で、ウィンドウの戦闘スキル欄をタッチすると初期武器が装着される。
特別戦闘スキルが、サモナー、テイマー、僧侶、付与術師の4種類で、このスキルは条件を満たさないと習得出来ないスキルで、通常戦闘スキルに+αと言う状態での戦闘が出来るみたいだ。
一応この全12種類から自分にあった戦い方や、モンスターの属性によってスキルを変えたりしながら戦うみたいだ。
また、特殊派生戦闘スキルなるものがあるみたいだが、それはおいおいで。
受注出来るクエストの種類は主に3つ。
1つ目は討伐クエスト。
特定のモンスターを討伐すればクエストクリアだ。
例えば、
「討伐クエスト
依頼主・町の町長
内容・ゴブリン3体の討伐
報酬・500G
期限・クエスト受注から3日間
推奨Lv1〜
・町がゴブリン被害にあっている。数を減らして欲しいので、とりあえず3匹討伐して来てくれ。」
みたいな感じだ。
これで討伐が終了した段階で経験値と報酬が手に入る。
逆に期限を過ぎると、クエストが白紙になってしまうばかりか、ギルドランクと経験値が下がるみたいだ。
2つ目はドロップクエスト。
これはモンスターからドロップされるアイテムの、設定された個数をギルドの受け付けに持って行くとクエストクリアだ。
例えば
「ドロップクエスト
依頼主・防具屋の主人
内容・飛びウサギの毛皮3つ
報酬・500G
期限・クエスト受注から3日間
推奨Lv1〜
・防具を作るのに、飛びウサギの毛皮が3つ分欲しい。」
みたいな感じだ。
受け付けに持って行った時の品質よって、経験値と報酬に変動があるらしい。
最後が採取クエスト。
これは、フィールドにあるアイテムの採取がメインで、これも設定された個数をギルドの受け付けに持って行くとクエストクリアだ。
例えば
「採取クエスト
依頼主・薬屋の受け付け嬢
内容・薬草3つ
報酬・500G
期限・クエスト受注から3日間
推奨Lv1〜
・傷薬を作るのに、薬草を3つ持って来て下さいね!」
みたいな感じだ。
これも、受け付けに持って行った時の品質に
よって変動するらしい。
討伐クエスト以外なら、先にアイテムを捕獲して後からクエスト受注しても大丈夫みたいだ。
あとは、ギルドを挟まないクエスト受注と発注だが、これはクエスト内容、クエスト期間、報酬などの交渉を自分がしないと行けない。
逆にギルドに任せれば、適切なクエスト内容になってボードに貼りださせる。
俺もいつかクエストを発注するんだろうか?
と言っても当分先だろうなと思っていると、冒険者ギルドでの説明が終わった。
「以上が、受け付けからクエストのやり方になります。ご不明な点はございますか?」
「あっ、いえ大丈夫です。」
「では、こちらの用紙にご記入下さい。」
渡された用紙には、氏名、ゲーム名、年齢、電話番号、住所の記入欄がある。
名前と年齢は分かるんだが…
「あの、この電話番号と住所も書かないといけないんですか?」
「はい。滅多にある事ではありませんが、禁則事項に抵触したプレイヤーに対しての、現実世界での取り締まりなどに利用されます。
例えば、あるプレイヤーがストーカー行為をした場合、されているプレイヤーからの報告があり、実際に行為を確認した場合に対し適用される感じになります。
あまりにも酷い場合はアカウントを削除になり、刑事告訴などにも利用されます。」
成る程。ゲーム世界も、犯罪行為をする人間は現実世界と変わらないのか。
虚偽の内容を書いた場合もアカウントの削除に繋がるんだろうな。
「こういうのってログインしたら、最初にやるイメージがあるんですが、ここだとギルドで書くんですか?」
「そうですね。まず、ここで必要事項を書かない場合は体験版と言う事になり、かなり制限は掛かりますが一応無料で遊べる事が出来ます。そして、ここの世界観を気に入って頂き、こちらの用紙に必要事項を記入して頂くと正規で遊ぶ事が出来ます」
ふと、ここで書く事に疑問を持ったので聞いてみたら、ニッコリと微笑みながら答えてくれた。
もしかしたら、説明書に記載があったかも知れないがワクワクしていて見て無かったし、あいつも大事な事なんだから言ってくれればいいのに! と、思いつつも取り敢えず目の前の用紙に記入する事にした。
えっと氏名の欄に-上原由貴-
ゲーム名は-ヨシタカ-
年齢は19歳っと、あとは電話番号と住所も書いて受け付けのお姉さんに渡した。
「はい。ありがとうございます。
では、こちらがギルドカードと初期登録者の配布品になります。」
ポーンと音と共にメッセージが流れ込んできた。
『ギルドカードを貰いました。』
『新人登録者の配布品により、ポーチを受け取りました。』
『テントを受け取りました。』
『傷薬を5つ受け取りました。』
『携帯食を5つ受け取りました。』
『砥石を5つ受け取りました。』
『マナ回復薬を3つ受け取りました』
おぉと、一気にメッセージが届くととこんがらがらがら。
「えっと、いろいろ貰ったみたいなんですが…」
「はい。説明をさせていただきますね。
まず、ギルドカードはプレイヤー情報、クエスト記録、各モンスターの討伐数、各戦闘スキルのLvなどがウィンドウのギルドカードの所で閲覧する事が出来、これは自動に更新されます。また、こちらは任意で他のプレイヤーにも情報としてお渡しする事が出来ます。
次にポーチです。
こちらは受け取ったアイテムを入れる為の道具ですね。
アイテムにはそれぞれ入れられる数が決まっていますのでご確認下さい。
次にテントです。
このゲームでは町の中ですと、宿屋などにログアウトする場所があるのですが、フィールドの場合はテントが宿屋の代わりになるのです。
傷薬などは体力・満腹度・武器耐久度・魔力を回復する際にご利用下さい。
詳しくはアイテム一覧で表示されてますので、ご確認下さい。
以上で説明終了となります。
分からない事がありましたら、何時でもお声をお掛け下さい。」
「はい、ありがとうございます。」
えーとアイテム欄っと、どうやらポーチに入っている道具がアイテム欄を閲覧すると分かるみたいだ。
今のアイテム欄はこんな感じだ
保有アイテム5/100
テント1/1
傷薬5/50
携帯食量5/99
砥石5/20
マナ回復薬3/50
右がアイテムがポーチに入る最大個数で、左が今持っている個数って事だよな。
よし、なんとかここまでは大丈夫だな。
それじゃ、せっかく冒険者になったんだし、クエスト受注してみようかな?
ボードの前に来てクエスト用紙を見ていると、何個かアイコンが表示されてるのがあるな。
どれどれ、さっき説明されたの以外だと
「討伐クエスト
依頼主・冒険者ギルド
内容・ウルフ3体を討伐
報酬・800G
期限・クエスト受注から3日間
推奨Lv1〜
・町の安全の為ウルフ3体の討伐をお願いします。」
「ドロップクエスト
依頼主・町の娘
内容・歌雀の尾羽2つ
報酬500G
期限・クエスト受注から3日間
推奨Lv1〜
・綺麗な尾羽で髪飾りを作りたいの。2つほど持って来て下さい。」
「採取クエスト
依頼主・宿屋の女将さん
内容・リンゴの実を5つ
報酬・750G
期限・クエスト受注から24時間
推奨Lv1〜
・リンゴの実でジャムを作りたいんだ。時間が短いがやってくれると助かるよ。」
ふむ、ゴブリンとウルフが討伐クエストだから、これのどっちかにするか。
どっちにしようかな? んーお金多いしウルフにしようかな? よし、そうと決まれば早速クエストを受注しよう!
アイコンを押してっと、あとは適当に採取して、溜まったら受け付けに持って行こう。
よし、そうと決まったら早速町の外で戦闘
だ!
初めての事だと緊張しますよね。
次はいよいよ戦闘です。