僕はこうあったんだ(イントロダクション)
「今夜も、あの人に会うから。」
「今夜は、あの人への想いを伝えよう。」
真っ暗な部屋の中、僕はベッドの中。
今が何時なのかはしらない。
むしろ、今日が何日なのか何曜日なのかなんてしらない。
いま、僕は何歳で…
今年は何年…なんだろう。
カーテンと雨戸は締め切り、エアコンは常に入れっぱなし。
ここしばらくは、部屋の外の足音も聞こえない。
まるで霊安室のよう。
つい最近、っていってもどのくらいかは忘れたけど
眩しい光が時々差し込んできて、僕に手を差し出してくれる人がいた。
時には優しく、時には厳しく。
だけど、僕はそれらを拒んできた。
自分から寝たきりになった自分を、変えたくないのかもしれない。
変わることによる自分のメリットや、受けるリスク。
今後のしかかる自分への責任。
どれも僕にはときめかなった。
また、こうなってしまったきっかけが
周りの人とのすれ違いから起きたことだから、ほかの人を信じたくないのかもしれない。
いいわけが多いけど、今の自分も生活もそれほど嫌じゃない。
家を出ずとも、部屋を出ればトイレに行けるし
食べ物だってちゃんとある。
誰にも会うことはないけど…。
お読みいただきありがとうございます。
自分の心の闇と、高校時代の同級生のエピソードをベースにした作品です。
暗い話を書こうとすると、自分のテンションもだいぶ落ちるので
中々、伝える文章を書くってことが、明るい話よりもさらに難しいなと感じます。