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ナイトフィッシング  作者: てるてる坊主
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ナイトフィッシング

てるてる坊主 と言います。

初めて書く作品なのですが、文章とか少し雑になってるところとかがあるかもしれないですが、ご了承下さい。

記念すべき一作目はナイトフィッシングというタイトルです。

これはサカナクションさんのナイトフィッシングイズグットという曲を聴いていた時に浮かんだ作品です。

ストレスの多い現代社会で、風変わりな釣り堀ナイトフィッシングに集った人々の物語をお楽しみ下さい。

「ふう」

今日何度目の溜息だろうか、溜息の数だけ幸せが逃げていくと誰かが言ってたが、今の自分には逃げていく幸せがないように思える。

ようやく仕事が終わり外に出ると、外はすでに薄暗くなっていた。

腕時計を見て、しばらく考えた後僕はいつも通りにあそこに行くことに決めた。


車で約一時間、僕はある建物の前に車を止めた。


《ナイトフィッシング》


建物の上部にある看板にはそう書かれている。その建物はお世辞にも清潔とは言い難いようなものである。

だが今の自分にはそれくらいが丁度良かった。この錆びれた感じが好きだった。


この《ナイトフィッシング》は一風変わった釣り堀であった。

というのもここは夜釣り専門の釣り堀である。

午後10時から午前4時まで営業している年中無休の釣り堀

それが《ナイトフィッシング》

だが建物の様子を見た通り、あまり人が入っていくことはなかった。


僕はこのほぼ廃墟に近い建物に入り、いつも通りに自販機で缶コーヒーを買い、受付へと向かった。


「いつものやつ下さい。」

いつも通りの言葉を言う。

「…1200円。いつもありがとね。」

中から50歳くらいの男が無愛想に言う。そのありがとうには気持ちが全くこもってないように思える。

ナイトフィッシングは彼一人で経営しているようだった。彼はいつも忙しそうに新聞を読んでいる。いつ見てもその姿である。客と顔を合わせまいとわざとそうしているようにも感じる。そんな男が経営している釣り堀である、こうなってしまうのも納得である。


僕は彼から釣り道具をもらうといつもの場所にある席に腰を下ろした。

中の釣りスペースは結構広く、25メートルプールのようだ。その両サイドから釣る形式であったようだが、今は片方のサイドには良くわからない機材だとか、ゴミのようなものが置きっ放しになっていて、釣りをするスペースなんかはなかった。

だから釣りをする場所は僕のいる縦長のスペースしかなかったのだった。誰かが来たときその人と並ぶような形になってしまう、そういった構造であった。


幸い今日は誰も来ていないようだ。

ちょっとした幸福感を覚えながら、僕は釣り針を水面に下ろした。

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