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13 愛しむべきものは

「どれどれ、ふ~む。顔色は良くなったのぅ。手足の擦り傷も消えたようじゃし…」


シュシュを膝の上に乗せて医師と向かい合う。


シュシュは女性隊員達に世話を焼かれるのはだいぶ慣れたようだけど、男性はまだ少し苦手らしい。

相手が以前会ったことのある老医師でも、身体を硬くして息を詰めているのが分かる。


「………医師せんせい、この子って本当に健康体?」


まだ身体が本調子でないにしろ、普通の人間の子供と比較してみるとなかり脆弱だ。

なにしろちょっと動き回る程度ですぐに体力切れを起こして自力で歩けなくなるのだから。

いっそ最初から抱えて移動した方が早いくらいだ。


「―――――儂が思うに、嬢ちゃんは生まれつき弱い個体なのかもしれん。天翅のはねは飾りじゃあない。本来身の丈をおおうほどの大きさがあって、それで自在に空を飛ぶ。嬢ちゃんの翅はいささかか小さすぎるんではないかの」


それは僕も思ってた。

シュシュの真珠色の翅はたたんでいれば衣服で隠せるサイズだ。

これはこれで凄く可愛いけど、本来飛べる種族なんだとしたらこの翼で本当に身体を支えられるのか疑問だった。


「そしてここからは儂の予想に過ぎんが、彼らは飛ぶ事に特化した分身体が小さく軽く進化しとるんではないかとな。昔見た天翅も翅の大きさに比べて随分体つきは小さく華奢な造りをしとったわ」


「そっか…」


翼が発達した分足腰の筋力が衰える、というのもあり得る。

そう言えば鳥の骨は中が空洞になっててとても軽い。

要するに人間とは根本的に身体の構造が異なると思った方が良さそうだ。


「――――――おい、聞いとるか」


「あ、それで?」


「お前さん嬢ちゃんが今何歳位だと思っとるか分からんが、年齢は見た目より2つ3つ上だと考えて扱った方が良かろう。……もしかしたらもっと上かもしれんが」


「――――――――え――――――――」






それって   つまり    アレ?


只今、絶賛 お年頃?


思春期、とか、いうやつではないんでショウカ。






「えええええええ―――――――!!」






遅いよ老医師センセイ!!


もう既に散々撫で回したりハグしたり!!


髪だの頬だの額だのに、思う存分親愛のちゅー(げふんげふん)スキンシップをしまくりました!


相手が年頃の乙女だと判っていたら、もう少し配慮しましたとも!!

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