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Do you know whether the angel is superior to people?

 何も考えずに書き始めて、慎吾を殺してしまったため書き直し、遅くなりました。

 ご都合主義ですが気にしないでください。


 短いですが気にしないでください。

 ―――死という名の安息は、この身には訪れない。例え剣に両断されようが、炎に焼かれようが、我が世界はこの魂とともにあり、その世界が消えることはなく、魂は世界の中で生き続ける。また、世界も魂の中で生き続ける。

 およそ全てが終わろうと、この地球、銀河、宇宙、世界が終わろうと、この魂の中の世界はありとあらゆる知性のための欲求の対象であり続ける。

 死はあの世界での消滅を意味し、この世界での誕生を意味する。死を経験することによって、君はこの世界へとたどり着く権利を得た。よってこの扉は開かれる。自己の中で完結した世界は新たな扉を開き、君の力となるだろう。

 こうしてめぐり続ける。この魂が、この世界が全てを知り尽くすまではいつまでも……。




 まずナディアが思ったのは驚愕、そして疑問だった。

「―――――――」

 慎吾は動けない。動けないようにしたし、動けるとしてもこの状態で剣を外すほど下手ではない。

「―――――――」

 だが、慎吾はそれをさけた。さらに立ち上がってこちらを見ている。

「面倒な、そこまでして生き続けたいか」

 少し愚痴ってから今度こそは外さぬと狙いを絞る。

 ―――次で決める。

 だが、そんなものは魔力の流れを見た瞬間に消え去った。

「―――ぁ」

 慎吾の咽喉からはわずかにしか声を出さないが、その瞬間にナディアを一都市を壊滅させられるだけの魔術が囲んだ。

 ナディアの天剣には、魔術を無効化する能力がある。だが、それは触れたものにしか効果がなく、この状況下においてあまり意味はなかった。

 ナディアにできたことは、天剣の魔術無効化の能力に頼って魔術の包囲網を突破することだけだった。

 だが、ありとあらゆる魔術をもってナディアを襲う以上、それには全て追尾術式が組み込まれていることは当然といえば当然である。

「―――やばっ!」

 ナディアはそういうとそのまま世界をまたいだ。


 そうして、慎吾はその場で倒れ、天界からの来訪者は元の世界に戻った。



 ―――夢の中の世界を、一言で表現するならば、それは図書館だ。ありとあらゆる知識を収め、それを求めるものに示す。

 知識欲の対象。故にこの世界にない知識はない。

 記録者に、観測者によって刻まれ続けるあらゆる記録は、すでに観測者によって一つの結論を導き出すも、他の結末を待ち続け、そこで因果の砂時計を反転させる。

 今度は同じように落ちないように細工をしながら、また違った物語を導き出す。



 白煙の上がる地で、慎吾は倒れ伏し、無防備にその姿をさらしていた。

 慎吾は己の許容量を超えた“深淵の魔法”を使用し、己によって倒された。

 その身体においては中の魔力が枯渇し、脳は処理のためにすさまじい頭痛を引き起こし、慎吾の身体を痛めつける。

 人の脳によって処理できる限界の魔術の数は千程度。これ以上の魔術は脳の容量を超えてしまう。だが、あの時慎吾が使った魔術の数は万を超えていた。許容量の十倍という数の負荷は慎吾であったがために頭痛で済ませていた。

 慎吾の固有魔法がこれである以上、これによって“命を落とすこと”はありえない。

 だが、命を落とさずとも、この痛みは常人ならば発狂するほどのものである。それを耐えて、耐えて、耐えて、耐え抜いたころになってようやくその男は現れた。

「ここが戦闘跡か……まるで戦争の跡みたいじゃないか」

 その場では木々は燃え、切り倒され、地面はえぐれ、ところどころ地割れとなり、焦げたような跡がいくつも残っている。

 後ここに死体があったら戦場そのものだっただろう。

 そう、死体はない。ここにあるのはただ一人の少年だけだ。

「生存者、というかこれを作ったやつか、立場上治療しないといけない」

 そういうと長い詠唱を済ませて慎吾の身体を癒す。

「―――症状は魔術式把握による脳のオーバーヒート、それに伴う魔力欠陥症は生じていないが、この周囲の状況からこれらを引き起こした魔術をこの少年が使用したことは確実。

 この様子だと使った魔力の量は……おおよそ十万ルードを超えるな。ランク3の魔術師の平均が大体六千五百だから十五倍チョイ……まだ残っているということは魔力が多いのか?それにしてもこんな馬鹿みたいな魔力を持ってたらそれなりのやつが気付くと思うんだが……まあ、それは俺の仕事じゃないんで考察はやめるとしよう」

 つぶやきつつもしっかりと治療は終え、しっかりとした後処理を終えたところでようやく幼女様が現れた。

「葛城、どうだった?」

 その表情は普段の学校では考えられないほど真剣であった。

「化け物」

 葛城と呼ばれた男は慎吾をしっかりと横たえて立ち上がり、幼女様を見据える。

「冗談だ、だが、これの相手側は間違いなく化け物というか人外だな。これほどの魔術行使があっても死んでいないなんて、はっきり言って人のできることじゃない」

 葛城の口調はふざけていたが、その内容は真剣そのものであった。

「むしろ、こいつじゃなければ死んでるな。こいつ絶対に固有魔法持ちだし、結構深くまで行ってる」

「戦力的には?」

「ざっとランクⅢで十五人分にはなる。実際に運用を考えたらⅠのやつらと大差ないだろう」

 ⅡでⅢ十人分、ⅠでⅡを十人分だ。単純な魔力で十五人なら実際のところはⅠと大差ないということである。

 だが、その計算は間違っている。

 慎吾自身の魔力はⅢと大差ないし、実際の戦闘能力ならⅡの上位がいいところだからだ。

 慎吾の異常な魔力は全て内の世界からあふれ出たものだ。故にそれがなければⅡということになる。逆に、それを含めればⅠには当然のように入るのだが……。


 ―――そんなことは知らずに時は流れ、日が沈み、夜になってようやく慎吾は目を覚ました。



 報告

 魔術による脳の過負荷による気絶を刈谷慎吾が起こしたことから、刈谷慎吾の魔力は総量にして十万を超えるもよう。

 さらに、それによる被害の量から考えてランクはⅠに相当すると考えられ、危険度をEXに指定し、危険人物の中に入れることを決定する。


 投稿ペースが落ちます。

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