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ヴァーミンズ・クロニクル  作者: 蠱毒成長中
シーズン3-イスキュロン編-
74/450

第七十四話 RPG TASTE-ろーぷれていすと-


ラビーレマ編遂に完結!

何時もと違う前半部の戦いは、サブタイから読み解くべし!

自称・イクチ一族の妖術師(笑)、秋本・九淫隷導・康志があらわれた!



秋本:なまいきな クソガキめ! かくの ちがいを みせてやる!

ツジラ:メクラウナギのできそこないないが いうじゃねぇか

ツジラ:いいぜ てめえもだ ひからびてなお すいつくすまで


***

『ツジラ』

・コマンド

>たたかう

  ≫手甲鉤・刺突

 こうげき

 とくしゅ

 ころす

***


 ツジラの攻撃! ツジラは手甲鉤で刺突を繰り出した。

 秋本は死角からの一撃を喰らったが、生き延びた。

 秋本の攻撃! 秋本は妖術(笑)で炎を放った。

 しかしツジラが咄嗟に出した溶解液のバリアーが、それを打ち消した!


秋本:き、きさま!ひきょうだぞ!

ツジラ:どくさいハーレム めざしてた へんたいやろうに いわれたか ねーよ


***

『青色薬剤師』

・コマンド

>まじゅつ

  ≫てきとう

 じゅもん

 そのほか

 いとこにてをかす

***


 青色薬剤師の攻撃! 青色薬剤師は、適当に魔術を放った。

 秋本・九淫隷導・康志は深手を負ったが、何とか生き延びた。

 秋本はの攻撃! 秋本は、妖術(笑)で電撃を放った。

 しかし青色薬剤師は、床材を壁に変形させてそれを防御した!


秋本:きさまもか! あかいかみの くせに あおいろ なんて なのりやがって!

青色薬剤師:べつに どうでも いいじゃん そんなこと

青色薬剤師:い●い●さみだって あかいかみの キャラを えんじてるのに

青色薬剤師:しんそ● っていう うたを うたっているし


***

『ニコラ』

・コマンド

 どくがだん

>みがわり

  ≫青色薬剤師

 とくしゅ

***


 ニコラの身代わり! ニコラは不老不死の身体を生かして、青色薬剤師の盾になった。

 秋本の攻撃! 秋本は妖術(笑)で光線を放った。

 光線はニコラの肌を焼き、肉を切り裂くが、しばらくすると傷は塞がり、元に戻ってしまった。


秋本:いったい なんなんだ おまえは!?

ニコラ:なにって ふろうふし だけど?

秋本:ふろうふし だと!? ふざけるな!

ニコラ:いやぁ じぶんを ようじゅつし とか いっちゃう やつには いわれたく ないわぁ


『イモウトキシン&アニジキニン』

・コマンド

>やく

 ≫強火

 かためる

 おにいちゃん


 イモウトキシンの攻撃! イモウトキシンは、燃え盛るローチ・スリックを放った。

 炎は秋本の身体を焼き尽くす―と思わせて、体表に湿った繊維質のヌタを纏った秋本には効果がない。

 すかさず秋本の攻撃! 秋本は妖術(笑)で氷の弾を放とうとした。

 しかし、突如アニジキニンがそれを妨害し、妖術(笑)は不発に終わった!


秋本:き、きさまぁっ! これは さすがに ひきょう だろうがっ!

イモウトキシン:なにを いっているん ですか? ばかですか あなた

アニジキニン:このていどの こうげき どうにかできないで 

アニジキニン:このけいれつの さくひんの てきキャラが できると おおもいですか?


『嶋野二十五番&黒物体V』

・コマンド

>なぐる

 ける

 ぼうこうをくわえる

 たたきのめす

 めおとおうぎ


 嶋野二十五番の攻撃! 嶋野二十五番は、あくまで普通に殴りつけた。

 拳はあくまで普通に秋本の背骨をへし折ったが、秋本は生き延びた。

 秋本の攻撃! 秋本は妖術を放とうとしたが、逆に黒物体Vの攻撃を受けて更にダメージを受けてしまった!


秋本:ぐおぉぉぉぉぉぉぉぉ!

嶋野二十五番:イスキュロンみん を なめんじゃねえ!

黒物体V:ラッキースケベ ぶっころすぞ!

秋本:まるで わけが わからんぞっ!


―前回より―


 RPG的演出(という名の手抜きギャグ)も程々に、秋本との戦いは最終局面へ向かっていた。


「な、何故だぁっ!? 何故私がッ! この、九淫隷導がッ! こんな青二才のガキ共にっ!?」

 長大な身体をくねらせてのたうち回る秋本は、その軟らかい肉を切り裂かれ、最早瀕死の重体であった。

「まだ気付いてねぇのか、ミミズ野郎」

「ミミズではない! あんな何の取り柄もない肉の管と一緒にするな! 我等はイクチ一族! 創世記から海に住まう、海の王たる血族なのだ!」

「んな事ぁどうでもいいんだよ。重要なのは、てめえが元デザルテリア国立士官学校特待生であるウチの家内に喧嘩売ったって事だ。その足りねぇオツムで理解出来るかどうかはこの際度外視だが、国立士官学校特待生ってのは、言わば準国宝級の存在価値があってよ。つまりはカラスのクソ程も金にならねぇてめえ如きが喧嘩売っていい相手じゃねーわけだ」

「カラスのクソだとっ!? よりによってそこいらのコールタールと見分けもつかんような貴様に言われる筋合いは無いっ!」

「うっせぇオナホ野郎。テメェの居場所は士官学校じゃねぇ、エログッズ自販機ん中だ」

「黙れ若造! お前にバカにされるのだけは死んでもご免だ!」

 それを聞いた繁は、露骨な卑劣さを感じさせる笑みを浮かべて言った。

「まぁそうは言っても、俺って所謂『絵に描いたように健全で善良な民間人』じゃん? 平たく言えば『凄くいい人』。そう、俺ってば『無茶苦茶いい人』なわけよ! だからさぁ、お前みたいな安物ローターの出来損ないに対しても、寛容さと善意を以て接しようと思うわけ!」

 芝居がかった口調で大袈裟に言った繁は、秋本の首筋に槍を突き付ける。

「うぉあ! な、何をする!?」

「おう、悪ぃ! 許せ、わざとじゃねえんだ! 偶然にも手が滑っちまってなぁ! そう、偶然なんだよ! 俺、いい人だから!」

「偶然だと!? ふざけるな! これのどこが――

「お前さぁ、オナホールだかローターだかの出来損ないの癖して一丁前に隠し財産なんて持ってんだろ? その隠し場所を吐け。そうすりゃ逃がしてやる」

「ッハ! そんな事をこの私が教えるとでも――

「はい、アウトォー!」

「おも゛っ!?」

 繁は槍を持った手を素早く一回転させ、秋本の頭部を切り落とした。頭部を回収した繁は、舌をサシガメの口吻のような形に変化させると、それを切り取った頭部の脳天に突き刺し中身を吸い始めた。

「……繁、何やってんの?」

 そんな従姉妹の問いかけに、中身を吸い終えた繁は答える。

「何って、情報収集だよ。相手の脳味噌を吸い取って、その中にある知識や情報を頂くのさ」

「はぁ!? 何それ? アサシンバグってそんな事出来るの!?」

「幾ら何でもそれは反則でしょう!?」

「反則とか言うなし。こちとら基礎ステータス全部平均以下なんだ、これくらい出来て良いだろ」

「基礎ステータス以前の問題ですよ! コックローチの耐久力はアサシンバグを大きく下回ってますが!?」

「タセックモスもパワーじゃアサシンバグの足下にも及ばないよ!」

「お前等は速度とか飛行能力とか機動性とか射程距離とか汎用性とか色々上回ってるから別に良いだろこんくらい」

「良くない!」

「良くありません!」

「良くあれ。頼むから良くあってくれ。いや本当マジで――

「ツゥゥゥゥジラァァァァァァ!」

「――へ?」

 死んだはずの秋本による、怒りと憎悪の籠もった叫びが講堂に響き渡った。振り向けばそこには、先程より遙かに巨大化し、色合いも地味な灰褐色からサイケデリックな色合いになった秋本が居た。

「野郎、まさかマジきモンの妖怪だったってのか!?」

「そんな馬鹿な、只の器用な鰓鱗種かと思ってたのに」

「残念だったなぁ! イクチ一族は無限の命を持つ者! 身体を完全に消し去らぬ限り、何度でも再生する!」

 そう言って秋本は太短い身体を不気味にうねらせる。

「そういう事か……仕方ねぇ。皆、折り入って頼みがある」

「何だ、リューラ? 改まってどうした?」

「あぁ…このナメ腐った野郎だが、俺らに殺らせてくんねぇか?」

「二人に? 私は別に良いけど、何で?」

「奴は私の母校をこんなにしやがった張本人だ。奴の所為で何人も死人が出て、備品や校舎もかなりぶっ壊された……」

「だから俺らとしちゃ、ここで奴らをぶっ殺さねぇと気が済まねぇんだ」

「そういう事でしたか……」

『そこまで言うのでしたら、我々は手出しも何もしはしませんよ』

「そうか…有り難う、皆……。良し、行くぞバシロ!」

「オウ!」

「「夫婦鉄契!!」」

 そのかけ声と共に、リューラが開け放った右半身に備わったファスナーから這い出てきたバシロが彼女の全身へまとわりつく。そして数秒もしない内に成された姿は、肉食獣と爬虫類の形質を併せ持った極めて女性的な体型、背中に生えたコウモリのような翼、羽毛の生えた肉食恐竜のような頭から生えた二本の拗くれた角が特徴的な、漆黒の怪物であった。

「「完成ッ! 変則結合ガルグイユ!」」

 リューラとバシロの声が全く同じタイミングで響き渡る。

「な、姿が変わっただとォォォォ!?」

「おうよ! これぞ『変則結合ガルグイユ』! 私とバシロを繋ぐ一心同体の絆あってこそ成せる、愛と絆の究極合体だ!」

「おい、今さっき思いっ切り変則結合って言ってんじゃねぇか」

 繁の冷静な突っ込みも無視して、更にバシロが言う。

「こうなった俺らは只じゃ止まんねぇぜ? 何せ普段は60%ぐれぇの確率で武装扱いの俺が、この時ばかりは一丁前の戦闘キャラ扱いだからな!」

「いや普段から武装扱いの確率案外低くない? そもそも武装扱いの確率って何?」

 香織の冷静な突っ込みも、最早三人の当事者――リューラ、バシロ、秋本――の耳には入っていない。

「ぐ……どんな姿になろうとも、不死身のイクチ一族であるこの私を殺すことは出来ぬぞ!」

「ヘッ、ソイツはどうかな?」

「何ぃ?」

「テメェがオナホに住んでそうなウナギの出来損ないだと解った時、既に殺し方は出来ていたんだぜ!」

 そう言ってリューラと結合したバシロ(色々面倒なので以降場合によってガルグイユと呼称)は、背の翼で空高く舞い上がり飛び蹴りを放つ。いつの間にであろうか、その左脚は円錐形の削岩用ドリルに変形しており、更に右腕は小型ロケットになり尾部から炎を吹いている(繁は一瞬燃料の存在について疑ったが、程なくして徒労と考え深く考えるのをやめた)。

 秋本はそれを妖術で迎撃しようとするが、慣れない形態故にタイミングを逃してしまう。

「「夫婦奥義之白(めおとおうぎのしろ)ッ! ――飛翔破山蹴(ひしょうはざんしゅう)!」」

 妖術を諦めた秋本はそのままガルグイユを丸飲みにしようとするが、それより先に左脚が彼の頭部へ突き刺さり、そのまま胴を通過し尾の先端部までをも細切れの肉片へ変えてしまった。飛び蹴りを終えた二人はそのまま着地し元の姿へ戻り、更にその直後に復活の隙を与えまいとした桃李の炎と繁の溶解液が肉塊を消し去っていく。

 かくしてデザルテリア国立士官学校を舞台とした壮絶な戦いは、秋本・九淫隷導・康志一味率いる首謀者一味の全滅により無事幕を閉じたのであった。

次回、シーズン4・アクサノ編がスタート!

自然と共存する赤道直下の大陸にて、繁一味を待ち受ける脅威とは!?

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