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ヴァーミンズ・クロニクル  作者: 蠱毒成長中
最終シーズン-決戦編-
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第四百二十九話 センメツ





例の如く手抜きサブタイ

―前回より・雪原と化したエクスーシア王国―


 供米達に続いて馳せ参じた増援は九条やティタヌスといった面々ばかりではない。嘗て亡き流体種の屍術者デーツ・イスハクルに率いられツジラジ製作陣の真宝襲撃作戦に協力、今は旧真宝こと麗紅リーホンにて飲食店を営む者達もまた、世界の危機を気取けどり増援に駆け付ける。


「せめて大技で葬ろう……切り刻まれ果てろ、一振千斬イッシンセンザン!」

「ぎゃわばぁぁぁああ!」

「へげらぁぁああああ!」

「げべれぇぇええぇっ!」

 ある一方では馬系禽獣種の青年剣士・五間刻十の持つ"悲願刀九百九十九(ヒガントウクモツクモ)"によって増幅させられた剣が剣士達を斬り殺す。


「我は蛇、地を這うもの。神罰により四肢奪われし呪われた者。

細きからだ、川の如し。輝くうろこ、虹の如し。

鋭きまなこ、魔の如し。我は身の汚れと老いを脱ぎ捨てる者。

我は再生者にして、転生者。されど我は命を投げ捨てる者に非ず。

我は生故の逆巻く快を享受せし者。斬られ悶えて殴られ喘ぐ。

皮膚を裂き骨肉に及ぶ傷こそ我が生の証。

痛みこそ誇り。苦しみこそ栄誉。苦痛とは至高の快楽也。

さあ傷よ傷よ、我にその痛みの果てを教え給え―――いざ、傷痕臨界ッ!」

 またある一方では、お決まりの詠唱により切り札『傷痕臨界-陽負いの蛇-』を発動した魔術師・生一が三対の翼で空を舞う。


闘獣拳七ツ星型トウジュウケンナナツボシノカタ覇神英轟波ハジンエイゴウハ!」

「ヴェゲェェェェ!」

「フボォォォォォ!」

「ナネニィッ!?」

「ニネヌゥッ!?」

 更にある一方では、山猫系禽獣種の女格闘士・風戸聖が両掌から燃え盛る波動を放つ。高熱であるそれらは雪原の分厚い雪を地表が露出する程に(水と埃への溶解を通り越して)蒸発させ、周囲から迫り来る敵兵――上記にある断末魔の叫びに含まれるのは"カニス・セルウス"に"蓮守"こと"サルミヌス・クストディ"及び"スプレーマントロプス・フルーメン"といったような、嘗て中央スカサリ学園が生体兵器として運用していた己天辿晃の眷属達――を高熱で瞬時に焼き殺し、吹けば飛ぶ塵のように吹き飛ばしていく。


「ヒャッハー!処女だぁー!捕まえろぉー!」

信帝ラト様に献上しちゃえば今度こそ昇進間違いなしよッ!」

「逃がさんぞい!絶対ゼッテェ捕まえちゃるんじゃあっ!」

 こんな時まで本気になって昇進の事を考えている熱心なおめでたい海神教の信徒達が追い回しているのは、主に保守的な魔術に秀でた尖耳種の少女アリサ・ガンロッド。一見為す術もなく逃げ回っているようにしか見えない彼女であったが――

「……――ジランちゃん、今ですっ!」

「ッしゃあ!」

――逃げ回る動作は所詮フェイクであり、馬鹿正直に追い回していた海神教の信徒達は漏れなくアリサの使い魔である雷電の竜ラジ・ジランの放つ青白い雷撃によって跡形もなく焼き殺されることとなる。


「わぁぁぁあああ!?」

「うばぁぁぁああ!?」

「ぎゃべぁあああ!?」

 復活を遂げた真宝軍の着ぐるみ兵士共を吹き飛ばすのは、重量級火器の砲弾による凄まじいまでの爆炎であった。その照準はかなり大雑把――というより好い加減――である為か、逃げ延びることも不可能ではない。故に何人か逃げ延びた兵士達も居るようだが、そんな事などお構いなしに砲撃を続ける二人組こそ――

「ファハハハァ!ナメ腐った着ぐるみの死に損ない共がぁ!己の無力さを思い知ったかぁ!」

「いい?樋野ダリアの軍門に下った以上、あんた達があたしらに勝つことなんて有り得ないのよっ!」

 鮫系鰓鱗種の巨漢レノーギ・シェリアンとその恋人であるミサゴ系羽毛種のデトラ・アイラーである。戦場にて気分の高揚した二人の暴れぶりは凄まじく、挙げ句逃げ遅れた敵兵を捕まえては支離滅裂な質問を繰り出し答えられなければ殺すという、どこぞのメット悪党を彷彿とさせる愉快なごっこ遊びに走っていた。


「おぅてめえ、俺の名ァ言ってみろィ!」

「はッ、お、お前なんぞ知るかバ――「俺はレノーギ様だぁッ!」――かばらぶげっ!?」

「あんた!あたしが何の鳥か当ててみなッ!」

「ひ、いッ、か、カケスかツバ――「ミサゴだよバァカ!」――めばぶるっ!」

 また、その質問内容も自分の名前や種族、或いは仲間達についてのものなどならまだマシだったのであるが――

「ようてめえ!この小説イチの名場面はどこか言ってみろ!」

「えぁッ、は、はひィ!それは勿論第一話ラスト、インスタントうどんが街中に取り残されるくだ――「10の26乗回死ねクソボケがぁ!」――りぎぃっ――あがぁ!?」

「あんた、蠱毒が脚本書いたボイスドラマのタイトルは言えるわよね!?」

「は、はいもちろんっ!それはおうま――「タブーワーズ・ハイスクールよバカ!」――がどろっ!?」

 やがては作者の本音に尾鰭(大きさは魚本体の20倍程度)がついたようなメタ発言を連発しながら手当たり次第に敵兵を始末していく。


 一方、二人の仲間である純系両性具有の美しき尖耳種シャラ・ペルットはというと、あぶれた敵を待ち構えるという名目で一人"ブランク・ディメンション"の中で待ち構えていたのであるが……


「敵、来ないなぁ……ま、いっか」


 余りに暇であった為に、暗い洋館のような"貌"である『怪異巣食う豪邸』にて機能の一環として備わる使い魔達と茶会を楽しんでいた。

足りない一人は多分後から来ると思うよ?

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