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ヴァーミンズ・クロニクル  作者: 蠱毒成長中
シーズン6-エレモス編-
404/450

第四百四話 戦うゲスト様-同時多発対巨大戦、激化!-


さて、巨大戦編あと何話だ?(知るか)

―前回より・聖地ロコ・サンクトゥス平原―


【イヤハヤ何トモ壮絶デスナァ……コレゾマサシク最終決戦ト言ッタ所デショウカネェ……】


  アポストルスの一匹である身長4m程の雌獣人オールドーは、二十余りの細長い尾を触手のようにくねらせながら佇んでいた。その見た目通り他の三匹より遙かに非力で華奢な彼女は、サルワートルのような目的の為に何処までも突き進む体育会系の武人気質ではなかったし、パトリオータのように面白可笑しく気楽であればあとはどうでもいいといういい加減な思考回路でもなく―有り体に言えば"奸計と策謀をこよなく愛する狡猾にして卑劣な策士気取り"である(心なしか外見が東洋の化け狐に似ているのはそういった性質の表れなのかもしれないが、真相は定かでない)。

 策士を気取るが故に彼女の脳は何時如何なる時も―理論上は睡眠中でさえ―常に全ての物事を自らにとって最も効率的に進める為の策が練られ続けているのである(そして当然、彼女は策を練るための情報収集も欠かさない)。彼女がそこまでして策を練る目的は"欲求を満たし利益を得る"という、至極単純かつ自己中心的なものに過ぎないのである。


【コノ空気コソハマサニ戦場ノソレ……我ガ同胞ハラカラ達モ件ノ者共ト戦ッテイルヨウデ。トモスレバ、流レカラ察スルニ私ノ所ヘモ敵襲ガアッテイイ筈ナンデスガ―――】

 ハキハキとした喋りでわざとらしい独り言を口にするオールドーは、いつの間にか三人組の男女に取り囲まれていた。

【サルワートルヘ8、パトリオータヘ6、ウィクトルヘ12ニ対シ、私ヘ差シ向ケラレタノガタッタ3トハ……舐メラレタモノデスナ。ソリャア小柄デ貧相ナノハ認メマスガネ、ダカラッテ3ハナイデショウ?セメテ5ハ寄越シテクレナイト非礼トイウモノデスヨ】

「まぁそう仰有らず。確かに貴女の意見も一利ありますしお気持ちも解らなくはありませんが、生憎と他に此方へ来られそうな人員は軒並み出払っておりましてね。その代わりと言っては何ですが、我々三人それぞれが二人分の動きで貴女をお相手致しましょう」

【ホウ、言ウデハアリマセンカ……面白イ、ソレデコソ殺シ甲斐ガアルトイウモノデス】

「フフフ……面白いのは貴女もですよ、束ね尻尾シュワンツ・ブンデルのお嬢さん……」

 長身痩躯に深緑のスーツを着込んだ一見穏やかそうな男―クアル・ハイル創設者ドロール・ゲヴァロシアが不敵な笑みを浮かべた刹那、彼と彼を慕う同志二名エリニムおよびグリスの双眸が、赤く光った・・・・・


◆◇◆◇◆◇◆◇



シャァァァァアアアア!喰蛾クガァアアアアアア!】


 他の追随を許さないアポストルス随一の巨体で原始的な本能のままに暴れ回る巨大な多足類ウィクトル。彼の見た目に違わぬ凄まじい怪力はそのまま絶大な破壊力へと直結し、触角一本の一振りが掠っただけでもヒトの体幹をV字型にへし折る程であった。ともすれば節足や顎による打撃や噛み付きは、口から噴射される高温水蒸気の極太ブレス共々彼より小さなあらゆる生物を即死させるに十分な威力を秘めている事は想像に難くない。

 故に(先程オールドーが述べたように)その対処には(別行動中につきリューラ及びバシロ、ケラスを除いた)ツジラジ制作陣の殆どを含む12名(一心同体扱いの小樽兄妹を二人とカウントすれば13名)の大人数が当たっていた(ツジラジ制作陣以外の構成人員としてはエルマやザトラ、ジャンゴ、ヴェイン、グェイ・クー、ラブレド)。


「縁起稼ぎの紅白光線ンッ!」

《「受けよ、火鉛カエンの豪雨!」》

「粘性蛾弾幕掃射ァァァァァ!」

飛翔堅破蹴ヒショウケンハシュウッ!」

陰陽双天球インヨウソウテンキュウ!』

誘導弾ミサイル喰らうのだッ!」

「腕共よ、叩き伏せろ!」

「デラクリア流凍結魔術、フリージング・ブラッド!」

「ぶち砕けろやィ!」

「はァぁ~……でぁらだだだだだだだだだだだだだ!」

兎鬼怨怨縛トキエンエンバク!」

「溺れちゃいなさい、虚構淫靡のホロレディ!」

「吹き飛ぶがいいッ!」


 各々様々な技を放ち何とかウィクトルを仕留めんとしたが、彼の持つ強靭な外骨格の前にはそれらの何れもが意味を成さず、荒ぶる節足動物の勢いは留まるどころか益々激しくなっていくばかりであった。


「(クソッ……もう硬えってレベルじゃねえぞこいつぁ……)」

 破殻化状態で滞空しながら、繁は考えを巡らせる。

「(裏の裏ァ掻いて正面から物理的にぶっ潰そうとしてみたが、あんな頑じゃ無意味か……となりゃ異能で殺すか奇策にハメるか、か……さてどうす―【刺蟻亜シギアァァァァア゛ア゛ア゛ア゛ッッ!】――っとゥ!――ッぶねーなぁオイ」

愚把餓亜グバギアァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ア゛ア゛―「考える隙ぐれー寄越せっつーんだ――ィよッ!」―亜罵アバ!?餓罵罵ガババ!?蟻蟻ギギ蟻尾罵ギビバ!?】

 間髪入れずに振り下ろされた節足を、繁は咄嗟に引き抜いた等打槍ズムワルトで威力を減退させ押し返す。押し返されたウィクトルは豆腐のように刺し貫いて殺す筈だった相手に攻撃を止められたのが余程予想外だったのか、かなりの間困惑しているらしかった。

「まぁ良いや、俺は所詮小手先の男。ストレートな決闘なぞ柄じゃねえ!」

次回、第四百五話「戦うゲスト様-同時多発対巨大戦、熾烈化!-」

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