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ヴァーミンズ・クロニクル  作者: 蠱毒成長中
シーズン6-エレモス編-
379/450

第三百七十九話 戦うゲスト様-ロコ・サンクトゥス~悪鬼とパーカー、作者の本音-




三つ巴の激戦は尚も続く!

―前回より・聖地ロコ・サンクトゥス平原―


 前々回の一件以降、手隠師団と鎗屋悪鬼衆の各八名(合計十六名)は互いに潰し合うことを―というより開戦当初からの敵を相手取るという行為をやめ、標的を別に定めていた。彼らの定めた"別な標的"というのは、言うまでもなく我らがツジラジ制作陣である。

 但し両勢力が標的を変更した根底的な理由は大きく異なっており、鎗屋悪鬼衆が『クロコス・サイエンスだの手隠師団パーカーより此方の方が厄介なようだな。早めに殺しておかねば後々地獄を見そうだぞ』と直感で察知した為であるのに対し、手隠師団の理由は揃いも揃って『明らかに巫山戯ていたから雑魚だと思ってたら無茶苦茶強そうじゃねぇか。あんなん相手してられっか。とりあえずもっと弱そうなあのラジオ云々とか言ってる変なのを殺しに行こう』という、実に情けないものであった(正気を失っている筈の小桜や例外的に常識人である如月までもがそんな考えに至ったのだから、この手隠師団が如何に程度の低い小物の集まりであるかがお解り頂けるかと思う)。


◆◇◆◇◆◇◆◇


「ッらぁぁぁァァァ!」

「甘いわィ!」

「ぐっ!?」【ぬぉ!?】


 生来の小柄な体格に由来する機敏さとアパトサウルスジャールの怪力を併せ持つ大士は竜脚類の脚を模したスレッジハンマーを跳び上がって振り上げ―かつてガラテゥイデア・カエルレウスへそうしたように―青い蟹の化け物ヴェイン・ディ・モウンの外骨格を叩き割りにかかる。

 しかし破壊力が絶大である故にその動きは豪快かつ隙も多い。ともすれば戦闘経験豊富なヴェインがそれを見切ることは容易く、大士は青い鉗脚によって弾き飛ばされてしまった。


「ショウシっ!」

【【【大士君っ!】】】

「余所見しとる場合かッ!」

 吹き飛ばされた大士に気を取られた結花に、ヴェインの鉗脚による突きが迫る。しかしそれは唐突に割って入った聡子と凛の妨害により阻まれ、どうにか逃げ延びた結花は蛇型のエネルギー弾を数多放つ。

「蛇嫌いに蛇仕向けるとか鬼か貴様ッ!」

「鬼はあんたでしょうが!」

【まぁでも結花ちゃんって確かに鬼と言われても仕方ないところありそうだよね】

【まぁねー】

【小悪魔系とかそういうクソ鬱陶しい詭弁でカバーもできそうだけど結花ちゃんみたいな可愛い子にそういうゴミ同然の肩書きなんてまず似合わないからどう足掻いても鬼だよね】

「あんた等ねぇ……」


◆◇◆◇◆◇◆◇


【ぬぉぉぉぉぉ!絶対に許さんぞ貴様ぁぁァッ!】

「ンフフフフっ……粗い、粗いわねぇ。そんな精度の低い感情任せの攻撃であたしは殺せなくってよ!」

 重度にして末期の同性愛者レズビアンとして(これまでちゃんと本編と解説を読んでいた読者の間では)有名な水の使徒精霊セレイヌ。凄まじい怒りによって暴走し、"装備に宿る意思を持ったデータ"でありながら図らずも自身の唱道者にして鎧の装着者であるラピカの体を乗っ取ってしまった彼女は、自身に起こった異変に気づかぬままある一つの標的を攻撃し続けていた。

 その標的こそ彼女をそこまで激高させたそもそもの元凶―鎗屋悪鬼衆が一人、ラブレド・S・アペンディである。彼に自身の幻想を悉く打ち砕かれたセレイヌは、怒りに我を忘れて暴れまわっているのである。

「ちょ、セレイヌ!落ち着いて!それじゃ相手の思うつぼだよゥッ!」

【そうよ!寧ろすぐオカマだってカミングアウトしてくれたんだからマシな方じゃない!】

 首から上の支配権はどうにか奪われずに済んだラピカは、同じく正気を保っているイライジャ共々どうにかセレイヌを落ち着かせようとしたがいずれもまるで効果がなく、対するラブレドは自身を煙や液体、立体映像等の様々な"破壊不可能な物体"へと変化させ翻弄したりと益々調子づいていく。


◆◇◆◇◆◇◆◇


「夕景紀行ッ!群青理論ッ!幸福世界ッ!」

「く、ふッ、んな――はッ!セイ、テぁ!」

 敏捷性特化型の強化人間剣士・零華(そろそろフルネーム公開したいけどまだ獣道本編プレイしてない読者への配慮の為やむなく姓表記せず)が相手取るのは、手隠師団随一の脚力による超高速の我流体術を駆使する隻脚の羽毛種・如月であった。残された足の爪を伸ばし削る事で実質的な刃物に仕上げ、更にパーカーで隠された両腕にもスピードを生かす為の刃物を幾つも仕込んだ彼は血風丸を振るう零華と互角の戦いを繰り広げており、その戦いぶりは本来の彼が高潔かつ公平な精神の持ち主である事を体現しているかのようでもあった。拮抗する二つの力は別に混沌を生むとかそういう洒落た現象を引き起こしこそしなかったが、当時戦いを生で見たいと死を覚悟して平原に赴いたある好奇心旺盛な民間人は後に『その戦いは余りにも素晴らしく、感動の余り死ぬかと思った程だ』と語ったという。

 そしてこの証言はこう締め括られている。


『だがしかし、だからこそああなった時には怒り狂わずにいられなかった』


◆◇◆◇◆◇◆◇


 証言者の怒りが爆発したのは、戦いが互角のままかなりの時間が経過した頃であった。


「っぁ゛っ!?」

「!?」

 疲弊しきった零華の背をマントの隙間から切り裂く、一振りの白刃。

 一方の如月は突然の出来事に絶句し、倒れ込む零華の背後に居た"実行者"の正体に思わず暗器を落としてしまう。


「もう休め如月、お前じゃこいつは殺せん」


 そこに佇む、零華を背後から斬った"実行者"―もとい、手隠師団のリーダー・木戸は(つい先程鬼王に怒鳴られ泣きそうだった癖に)さも人格に優れた頼れるリーダーを気取って諭すように(つい先程背後に隠れていた部下の男へ)言い放った。

作者「お願い、死なないで木戸!

あんたが今ここで倒れたら、瀬戸や如月との約束はどうなっちゃうの(そんなもんないけど)?

ライフはまだ残ってる(いや、何のライフだよ)。

ここを耐えれば、学園の奴らやツジラジにだって勝てるんだから!

次回『木戸死す』

読者(は獣道のダウンロード、インストールをさっさと)スタンバイ!」

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