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ヴァーミンズ・クロニクル  作者: 蠱毒成長中
シーズン6-エレモス編-
314/450

第三百十四話 戦うゲスト様-完全連携の瓦解&反乱の四凶登場 その2-





零華VSオース三兄弟、決着!

―前回より・T字型通路―


「あんた達を殺すのに、あるかどうかもわからない因子の示す、見えもしないサインを見抜く必要性なんてありゃしないのよ。必要なのは、根気とやる気と殺しの道具――私が用意するのはそれだけよ。他に必要な諸々は、大体この身体に入ってるんだから」


 声高らかに、自信満々と言った様子で言い放った零華は持ち前の"速さ"をフルに活用し、笛の音に似た高い音を立てながら三度みたびラビウムを一撃の下に斬り殺す。


「私は確実にあんた達を殺す方法を思い付いたわ。私の予想が確かなら、この方法で戦っていればいつか必ずあんた達を仕留められる。正しい"因子"を探り当てるなんて、そう難しい事じゃあないのよ。更に言えば恐らく、あんた達がこの"確殺法"に抗う術はないわ……」

 零華の言葉を受けたオース三兄弟の間に動揺が広まる。不死身因子云々の話は相手を混乱させ戦況を有利に進めるためのハッタリに過ぎず、そもそランダムに決まった組み合わせでサインを出し続ける因子など存在さえしない。それは揺るぎない真実である。

「(因子……つまりまだ僕らのハッタリを信じ込んでいるな)」

「(となるとハッタリにハッタリで返そうっていう根性なのか?)」

「(いや、それにしては威勢が良すぎる……精神的な揺らぎもない……)」

 では、一体何がそこまで彼女を奮い立たせているのか?それは恐らく、自らが思い付いたという"確殺法"に対する自信であろう。

「(ともあれ)」「(守りを)」「(固めよう)」

「(時間でなら)」「(余裕でなら)」「(圧倒的に)」

「「「(((僕らの方が有利だッ)))」」」


 かくして再開された三対一の戦いに於いて、三兄弟は"確殺法"を確立させた零華の"今までにない特殊な動作の類"を警戒しつつ戦った。しかし三人の警戒とは裏腹に零華の戦術はこれまでとさして変わりないものであった。強いて差異を挙げるなら"何故かラビウムだけを狙うようになっていた"という点であろうが、今の三人にとってそんな差異など熟考に値しなかった。そしてそうこうしている内にオース三兄弟は凄まじい勢いで生命エネルギーを失っていき、遂に残るストックは三つ―則ち三つ子を維持する必要最低限の数にまで減少していた。最早彼らに"余裕"などないのである。


「……凄まじいな」

「よくぞここまで」

「無傷でやりきったものだ……」

「そう褒められたものでもないわ。私はまだ"正解"を斬ってない。"死ぬ度に切り替わるんだから、一人を何度も殺していけばいずれ正解を斬れる"なんて、やっぱり考えが甘かったのかしら」

「いや、そうでもない」

「自覚はないかもしれないが」

「貴女は着実に僕等を追い詰めつつある」

「……どういうこと?」

 三兄弟は零華に『こうなったなら何がどうでも同じだろう』と、ハッタリの真相を明かした。真相を知った零華は特に表情も変えずに素っ気なく『そう』とだけ返し、続けて『素直なあんた達にお礼をしたくなった』と言って、血風丸を構え直す。

「だからさ……来なよ、三人まとめて」

「「「なッ……」」」

「三人」「まとめて」「だって?」

「そ。こんな狭い場所で使いたくはなかったんだけど、こうしてあんた達と戦っていたら『使わなきゃいけない』って気分になっちゃってね」

「『使わなきゃ」「いけない』って」「一体何を?」

「何ってそりゃ、必殺技?みたいなもんよ。生前・・夫から教わった奴。ほら、いいから早くかかって来なさいって」

「いいのか?」

「勿論」

「どこからでも?」

「どこからでも」

「何があっても文句は」

「言うわけない」

「「「……」」」

 三兄弟は急変した場の雰囲気に少々混乱気味なようだったが、零華に言われた通り空中へ浮き上がり、壁面を蹴るなどして加速。それぞれがまるで異なる方向と角度から殺傷能力の高い棍棒や長刀を振り上げ零華目掛けて猛スピードで突撃する。

 対する零華はそれを回避するでもなく、構えを維持したまま静かに"技"の名を口にする。


「曲刀風月流、一の太刀――――残光ッッ!」

「「「―――!!??」」」


 静かなる叫びと共に振るわれる血風丸が笛の音を思わせる甲高い音を発しつつ空を斬る。

 それと同時に放たれるは、通路を覆い尽くさんばかりの眩い閃光。光は斬撃の波動を生み、零華を取り囲むあらゆるものを無差別に吹き飛ばす。それは武器を振り上げて彼女に突撃していたオース三兄弟も例外ではなく、彼らの華奢な肉体は、閃光に包まれると同時に豚や鯉用の配合飼料に混ぜやすいようなサイズの肉片と化した。閃光の有する力は断末魔の叫びすら許さないほどに強力であり、容赦がないものであった(技の詳細が知りたかったら早く原作をプレイするかプレイ動画を(ry)。

 そしてまた、閃光が及んだのは彼女の敵だけに留まらない。凄まじい光の波動はT字型通路の内壁をも破壊しており、それを察知した零華はすぐさまその場から逃げ出そうと走り出す。

 しかし内壁を成す建材は光を受ける前から既に耐久年数ギリギリまで劣化していたらしく、亀裂は瞬く間に零華を追い越し一斉に瓦解を始める。


「しまッ!やっぱりあんなところでカッコつけるんじゃなかった!」


 零華は足場がなくなった時点で残光を放ったことを改めて後悔したが、時既に遅く崩壊する通路を落下しながら零華は意識を失った。


―目覚め―


「―――………――……ッッ!?」

 目覚めるとそこは、恐らく地下駐車場と思しきコンクリートと車両の支配する空間であった。

「ここは、一体――「お目覚めかしら、お嬢さん」――!?」

 突如背後約50m程の位置から響き渡る、中性的な男の声。

 振り向けばそこには、中性的でコーカソイドめいた顔立ちをした長身痩躯の美男子が佇んでいた。美男子と言ってもその口ぶりや雰囲気、細かな所作などはどうにも女性的で、衣装さえ東洋的オリエンタルで袖と裾の長い女物の装束―ちょうど地球のベトナムに伝わるアオザイのようなもの―を着込んでいる。

「……」

 その男が如何にも怪しく信用ならない存在であることを悟った零華は、男を睨みつけつつ血風丸を抜いて身構える。

「ちょっとォ、そう怖い顔しないでよン。折角の可愛いお顔が台無しじゃない……ま、睨み顔は睨み顔でソソるんだけど、やっぱり女の子は笑顔でなくちゃ」

「……不審者に話しかけられて笑顔を維持できる女なんていないでしょ」

「ふ、不審者って……酷いわねぇ、確かに周囲からは変人とか変態って言われるけど、それでもちょっと傷つくわぁ……」

 零華の発言にショックを受けたらしいアオザイ男は、芝居がかった動作で落ち込んで見せる。

「不審者扱いが不服なら名前くらい名乗りなさいよ……」

「ン、それもそうねぇ。申し遅れたわねン、あたしはアイル・ア・ガイアー。クロコス反乱軍の中でもそこそこ強いって評判の四人組『反乱の四凶』の一員よン。宜しくね、零華チャン」

「ッ!?……あんた、何で私の名前を?」

「あァんもゥ、そんなに強張らないでったらン。大丈夫よ、ちゃんと説明したげるから……永谷ちゃん、説明よろしくね」

 驚愕のあまり刀を握る手が震える零華を適当に宥めつつ、アイルは自身の尻に軽く語りかける。すると彼の呼びかけに応じるかのように尻の辺りから一匹の白蛇(普通にナミヘビ風)が生えてきては、若く凛々しい女の声で言葉を紡ぐ。

「我が主にして本体であるアイル・ア・ガイアー様は凄腕の魔術師であり、好みの方がこれまでに経験してきた情事に関する記憶を的確に読み取る魔術が何よりの得意技でございまして」

「その魔術で私の名前も知ってるって事?」

Exactlyそのとおりでございます。とは言え、ご主人のお名前は本編未プレイの方への配慮として特別に別途偽名を読み取ったようですが」

「(こいつまでメタ発言を……)……うん。まぁ、そのことは理解できたけど――「『記憶読取魔術の効果範囲が妙に狭くて使い勝手が悪いのではないか』という疑問はご尤もです」

「何でわかったの……」

「アイル様の特技について話を聞いた方はほぼ確実にこの疑問を口にしますもので……」

「そうだったんだ……」

「そうなのよー。それであたしが『読み取る記憶なんて好みなコ達のいちゃらぶえっちな和姦シーンだけで十分なのよン』って答えるじゃない?そしたら相手の二割はあたしの考えが間違ってるって糾弾して、もう五割は呆れ返って、残る三割はドン引きするのよ!オカシイと思わない!?」

「ん、まぁ……使い方それぞれだけど……」

 アイルの気迫に気圧される中、零華はふとある事を思い出す。

「って、そういえばそうだわ。ちょっと聞きたいことがあるんだけど、質問いい?」

「ん、別に構わないけども」

「寧ろお願いします」

「OKありがとう。それじゃ私は確か北区七号ビル四階の通路が崩れたんで逃げようとして落っこちてた筈なんだけど、それがどうしてこんな地下駐車場にいるの?」

「あら、質問ってそんななのね。なら答えは簡単、あたしが風の魔術で助けてここまで運んできたからよ」

「じゃあ何故私を助けたの?あんた達が私の前に現れた目的は何?」

「何故助け、貴女様の前に現れたかと問われれば、その理由は主に三つほど」

「先ず、あなたを生で見て直接お話がしたかったからよ。綺麗で可愛い自分好みな女の子とお話したいって思うのは、オトコノコなら誰でも思うことでしょ?」

「厳密に言えばアイル様は男性ベースの先天性生殖機能併合症であり、ジェンダー混在故のヘテロセクシャル寄りなバイセクシャルなのですがね」

「"先ず"ってことは、他にも理由があるのね」

「そうよー。まぁこれは月並みな話なんだけど―――」

 アイルが話すのと同時に彼の背から白い針金のようなものが生じ、それらはやがて翼のように連なる巨大な白百合の花弁へと姿を変えた。

「あなたと戦うためよ、零華ちゃん」

 宣言するアイルの姿は妙に神々しく、また凛々しく見えた。地下駐車場に不釣り合いなほどの神秘的な姿は、さしずめ天使かある種の神格を思わせる。

読者「あんた一体何なのよ!?更新は遅れる!尺は延ばす!手は抜く!

ちょくちょく『詳しく知りたかったら原作をプレイしろ』なんてメタ発言は挟む!

かと思ったらそれにとどまらず変なところで読み仮名入れて字数は増やす!

挙句はメタ発言に加えて下ネタまで連発する!

あんたそれでも二十歳なの!?お次はボスラッシュと来たわ!

某同人RPGのエロサキュバスがモデルだって言うから期待したわ!

そしたらあんな気色悪い変なオカマキャラが出てきて大ショックよ!

せめてここ数か月の間あんたに一体何があったのか教えて頂戴!」

蠱毒「駄目だ」

読者「駄目ぇ?そんなぁ……」

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