表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
泡沫コンフリクト  作者: 七賀ごふん
白崎鈴真

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/16

#3



動画がアップロードされると瞬く間に再生回数が伸び、ニュースサイトでも取り上げられていた。肯定的なものから否定的なものまで、大勢の書き込みが投稿され、噂は噂を呼んだ。今や最も関心の渦の中にいる、若きアルファ。

オメガを救うだの何だの……さすがに彼のスピーチ内容は無視できないものがある。大体父って何だ。二十五歳にして何千人の大人達を面倒見る気だ。


祝賀会が終わった後何故あんなことを言ったのか尋ねると、彼は笑顔で「とにかくインパクトを与えて記憶に残りたかったので、つい」と答えた。

「俺(私)の父になって!」という書き込みは大量にきているものの、これはアイドルを祭り上げるファンの集団行動に過ぎない。

鈴真は優しいのかもしれない、英才なのかもしれない。だが確実にどこかおかしい。


彼はアルファもオメガも遠くない未来に絶滅する、という持論がある。バースの特性は時代と共に次第に薄れ、衰える。最終的に生き残るのは少数の亜種とベータのみだと。

確かに彼の言う通り、アルファとオメガの人口は年々減少している。個々の能力も非常にばらつきがある為、アルファらしくない出来の悪い者もいれば、オメガとは思えない優秀な者も現れている。

加えて近頃はベータを選ぶオメガが増えている。例え子どもが作れなくても、好きな人と一緒にいたいという考えが尊重されつつある為、今後は男女ともに出産率も低下するはずだ。


「……もちろんインパクトは大事ですけど、悪い印象で有名になっちゃいけませんよ。オメガを庇うような発言は世間全体から顰蹙を買う可能性があります。庇おうとしているオメガからも反感を買うことがあるんですから」


法律ばかり厳しくなるならプライドの高いアルファは抗議する。オメガも、絶滅危惧種のように扱われたら有難みより義憤を感じるだろう。

いつだってアルファはオメガに「なにかをしてあげた」という感情が強い。それ即ち、彼らを自分より下位の人種だと思っている証拠だ。


複雑な気持ちを抱えながら会場を後にし、含み笑いを浮かべる白崎に並んだ。彼は気を悪くするでもなく深く頷き、わかります。反省してますと呟いた。実際に反省しているかどうかは微妙だ。


「蓮川さん。その、私も……カテゴリーを作ることが悪いとは思っていません。ただ個人の能力をバース性のみで判断するのはおかしいと思います。オメガはどれだけ努力しようと、有能であろうと、就職先や結婚相手の選択肢が限られてる。逆にアルファは、どれだけ怠けたとしてもある程度綺麗な席が用意されてますよね。それは不公平でしょう。可能性は皆生まれた時に等しく与えられてる。それを守る為にあるのが人権だ」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ