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魔族との決戦

俺は勇者シラールの能力を受け継いだことで、かつての勇者、いやそれ以上の力を手に入れた

俺は本当に人類の希望になった

しかし道のりはそう簡単ではない


俺の手に入れた浄化の能力は魔族であれば瞬殺できるのであろうが、人間には通じない

すなわち、人間の兵に守られているであろうマルベックは簡単には倒せない

そこまで辿り着けないのだ


これから取るべき道を考えていた


「仮に王のマルベックを倒せたとしても、また別の魔族が成り代わるだけなのかもしれない」


ハータが俺にそう言った


確かにそうかもしれない

今の王を倒したところで、まずは根本を叩かないと魔族による脅威は変わらないのかもしれない


だとすると、まず俺がやるべきはシラールが成せなかった魔族を生み出す根本を叩くことなのかもしれない

新たに魔族が生み出されなくさえすれば、マルベックを倒すのはそう急ぐ必要もなくなる可能性がある


「俺はカルタン国の東にある魔族の土地に行こうと思う」


そう決断した


「しかし、一人では・・・・」


心配する声が聴こえる

しかし、かつての勇者シラールは一人でその寸前のところまでは行けたんだ

今の俺はそれに加えて身体能力強化の力もある

勝算は十分にあるはずだ


アイリーンが真剣な表情で言った


「クラヴィス、お前が最後の希望と言ってもいい。とにかく生きて帰るんだ。生きてさえいてくれれば、やり直す余地はいくらでもある」


「ああ、わかった。駄目そうなら逃げて帰るよ。たぶん勇者シラールもそうしたんだ」


そういうと、アイリーンは安心したようだ

俺はそれに頷いて応えた



それから俺の魔族討伐の旅が始まった


魔族の土地に近づくにつれ、人々を襲っている魔族と遭遇する機会が増えた

俺は魔族を浄化することで倒した

そんな俺の姿を見て、人々は俺を勇者シラールの再来だと称えてくれた


当然、その事はマルベックの耳にも入っていることだろう

しかし、何か手を打たれる前に殲滅する


道中、水や食料はある程度は現地調達するしかなかった

水は一度沸騰させ、それを樽に追加する

残ったお湯で動植物を茹でて食料にした

アイリーンの食事とは比べ物にならないが、それでもアイリーンを連れていくのは危険すぎるから仕方ない


進むにつれ、土地の様子は砂漠から岩だらけに変わっていく

空気そのものも変わってきた

まるで自分に触れる空気を浄化しながら進んでいるかのような感覚すら覚える


魔族がどのようにして生まれているのか

魔族の動きを追っていくうちにその答えに辿り着いた

禍々しいまでの巨大な樹がある

およそ動植物のようなものがいない土地に不自然なまでの巨大な樹

その周囲には見たこともないほどの魔族が群がっている


俺はそれを魔樹を呼んだ

あれが全ての元凶に違いない

魔樹は周辺の土地のあらゆる生命力を吸い上げ魔族を生み出す

そして生み出された魔族は、大きな生命力を持つであろう例えば人間のようなものを魔樹の元へ運び、魔樹はその生命力を吸い取ることで成長し、同時に魔族の生命を維持している

両者にギブアンドテイクが成立している


つまり、魔樹を浄化することが出来れば魔族は生命を維持できずにやがて絶滅する


俺は意を決すると大勢の魔族が群がる中に突進していく

魔族は俺に気づくと一斉に群がってきた

一体一体浄化して道を切り開くのではキリがない

突っ切るしかない


「うおおおおおおおおおおおお」


身体能力強化を最大まで高めて、その一回の突撃に全てを賭けた

群がっている魔族の集団の中に一点の穴が開いた

そこから俺が飛び出した


背後から迫る魔族の群れ

俺は勢いを落とさず魔樹の巨大な幹に手の平を当てる


「これで・・・終わりだ」


俺が触れた部分から凄まじい光が溢れる

その光を浴びた魔族たちは吹き飛びながら消滅していく

周囲から禍々しい気配が消えていく

気が付けば俺のいる周辺が静かになっていた


目の前には干からびたようになった巨大な樹だけが残った

俺はその樹に背を向け、その場を立ち去った


「さて、帰るか」


しばらくして、背後から巨大な樹が倒壊する音が聞こえてきた



俺は帰路についた

その道中、魔族の脅威が消えたことを聞いた人々は俺を勇者クラヴィスと呼んだ

そう、間もなくこの世界にも平和な世が誕生するだろう


しかし、まだあと一つやり残していることがある

とはいえ、これから先の道のりを考えると最後の仕上げというやつだろう


・・・・そんな俺の考えは打ち砕かれた

とある街に立ち寄った時、壁に貼られていた張り紙を見た

そこにはこう書かれていた


「大罪人、クラヴィスはただちに城に出頭するように」


付け加えるように次の文言が添えられていた


「クラヴィスの仲間の罪人達はすでに捕えた。10日後に処刑を行う」

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