アス本拠地侵入大作戦編:作戦2
はやく義眼ゲットしてほしいー!(←お前が作者だろ)
眠そうなおじにばれないように、離れた場所で女性2人に挟まれて苦笑いしている海屋にアイコンタクトをとる。私が片眉を某魔法の国のプリンセス並にあげたり、厳しい顔つきになったりして強い思いと覚悟を伝えようと思ったけどまるで伝わってない。今こそ思考を読めよ!!!
(あとで聞いたら1日の思考を読める回数が決まってるらしい。どうせ変なことを伝えようとしてるだろうから使うのをやめたんだって。なんだとーーー!!!!こっちは真面目なのに逆にいつも変な時に使ってるのは海屋のほうじゃねえか!!!!ムキーィィィィィィィィ!
「最初の1回は起きた直後で困惑しててもわかりやすく状況を説明するために思考読みを使ったけどそれ以外はいつもおばかなそうな顔ばかりしているお前が真面目な顔してる時だけ使うようにしてる」by海屋)
なにもわかっていない海屋がこっちに近づいてきた。海屋とお話していたきれいなお姉さまたちから睨まれるが気づかないふりをする。たまには目を背けることも大切なのさ。
「なんだ。もうこいつ寝てるぞ。大丈夫なのか。」
「ねえ、海屋。最後に笑ったやつが真の勝者だ、ってこの前の作戦会議で言ってたよね?」
「どういう意味だ。…お前なんか企んでるだろ。」
「最後に笑ったやつが真の勝者」とはこの前の作戦会議の時自信がないといった私に海屋がかけてくれた言葉だ。言ってくれた時は嬉しかったし、海屋の優しさが心に染みた。自分でもこんな風に利用しようなんて思っていなかった。ごめん海屋。
「…最後に笑えれば、過程は関係ないよね?」
「ちっ。別に関係なくはないだろ」
…なにがいいたいんだ、って絶対思ってるな。
「私このおじのことを知りたい。で自分で判断する。このおじをどうするか。さっき会ったばかりのやつにどうしてって思うかもしれないけど、このままじゃ私、あいつらと同じになっちゃう。…それだけは絶対に絶対にいや。スマホいじっちゃダメって言われるよりも一生肉食べちゃだめっていわれるよりも推し活できないことよりもいや。」
必死に頭を下げる私。
私の中では重要な基準、でも海屋からしたら特段気にすることではない。協調性がないやつが嫌われることはよく知ってる。いつも我儘聞いてもらってるし、もし海屋が反対したら予定通り最初の作戦で行く。
覚悟は確かに決めた。でもこの覚悟の作用範囲は私だけ。私の覚悟がその人にとっての妨げになってしまったり、押し付けてしまうようなものであってはいけない。
…この沈黙が続く空気、何度経験しても慣れないなぁ
「お前の言いたいことはわかった。…お前は他人に甘い。それはお前の長所なのかもしれないが、この世界で生きるには弱みにもなる。お前みたいないいやつだけが世界にいるとは思うな。今end Jに生き残ってる約1万人はな、崩壊して多くの人が死んでるような場所でしぶとく生き残っているようなやつらだ。お前とは真反対のくそみたいなやつだっている。このことを忘れるな。
騙されてお前が被害を受けるのはおかしい。いつも行動パターンは何種もつくっておけ、状況に応じて使い分けろ、そして俺に共有しろ。あと今みたいに言いたいことがあるなら簡潔に言え。非効率極まりない。突然だとこちらも対応できない。報連相を至急身につけろ。…お前みたいなやつが世界を作り替えていくんだろうな」
息継ぎなしで言い切るのすごいねとか余計なことはいいません!私も成長しております!
こっちをじっと見てる海屋。私の反応を待ってくれている。こいつ、モテるな。
…なんていいやつなんだろう。地震が起こる前は海屋のことは名前くらいしか知らなかった。地震が起きたことがよかったことだとはとても思わないけど、海屋と出会えて本当によかった。
それにしても海屋、いろいろ詳しいな。まるで昔からえんじぇーにいたみたいな…いやきっと漫画の読みすぎか中二病だっただけだな!
…海屋に感謝の投げキッスしとこ。
「ちゅっ♡」
「…はっ?(低音デスボイス)」
すみません。調子乗りました。
歩の子供っぽさ、未熟さを出してみました。実際、子供なんだけれども。
こういったシーンは話数を重ねて成長するにつれて減っていくと思うのでそう考えるとちょっと寂しいですね。
…遅い、進みが遅すぎるぞ…!!
作者なのでネタバレします。歩が脳内でフラグっぽく「まるで昔からえんじぇーにいたみたいな…」とわめいておりますが違います。フラグっぽいけど全然フラグじゃありません!w