アス本拠地侵入大作戦編:作戦1
あらすじ:おじを利用して倉庫に侵入する。歩ちゃんの衝撃の2つ名が明らかに!!
そろそろ真面目にやらないと海屋から愛の拳2発目が来てしまうので本気出します。見てろよ海屋。
ワタシの本気を見たやつで生きている者はいn…はい、海屋さんすみませんでした。その冷酷な視線はやめてもらっても…?
スぅー…はぁー…よしっ
「ちょっとぉ~海ちゃーん、邪魔しないでよぉ~♡今私がこの人と話してたんだから♡」
海屋驚いてる。なんならさっきまでの冷たい私しか知らないおじも驚いてる。計画通り(暗黒微笑)。実は私「変わり身のあゆちゃん」っていう2つ名で近所では有名だったんだから。知りたい人がいるとはとても思えないけどとても同じ人だと思えないほどの変わり身の早さだったことが由来だよ!
…そこのとある事実に気づいた君へ、自信を持つんだ。君の違和感は正しい。さっきから私と海屋は本名は隠して、あだ名で呼び合ってます。ほぼ本名のまんまだから意味があるとは到底思えないけどね。
海屋と視線が再び合う。この茶番を進めよう。
「あゆさん、それは失礼しました。ただ周りのお客様にもご配慮していただけないでしょうか?」
「もちろぉーん♡たしかにうるさくしすぎちゃったわね♡みなさんごめんちゃい♡」
…まわりの客(といっても女性客2人と男性客1人しかいないけど)からの視線がイターイ。しょうがないじゃん、中途半端が一番だめ。やると決めたなら最後まで全力でやらなきゃ。
場が収まったので海屋が離れる。正直不安すぎるー!
大人の妖艶なおねえさんになれ!なるんだ!!歩!!!
「さわがしくしちゃってごめんなさぁい♡でも海ちゃんのこと、せめないでほしィーの♡」
語尾はーと、キツイイイいい!!!!!!黒歴史確定だあああああああああああ!!!てかさっきからちょっと笑ってるのばれてるからな、海屋!ちっ!
「ゆるしてくれる?♡」上目遣いでおじを一気にオトす。
「えっ、あ、ああ♡もちろんだよ♡」
瞳がゆらいだ。もうこのおじが私にオチるのは時間の問題。
…時間…の問題…なんだけど…
…なんか気分が萎えてきた。このおじに対する罪悪感が今頃でてきたみたい。視線が気持ち悪いという印象は変わらないんだけど。(まあ私のスタイルが良すぎるのが悪いからしょうがないけどっフフッ)全部自分の選択の積み重ねでここまできたのはわかってるんだけどさ…。今更偽善者ぶっても意味ないともわかってるんだけど…
最初からだます気で近づいて、コマとして利用したら捨てる。うーん…。
≪ァュミちゃんモウソウタイム≫ モクモクモク…
私たちの作戦が成功して、道具の一つが盗まれた原因がおじだとばれたらおじはアスから処分を受けるだろう。
…このおじはそれなりに悪い人だって海屋からは聞いてる。何回も悪事をやっているところを見たって海屋言ってた。でもチラってみたおじのスマホのロック画面、幸せそうなおじと40代くらいの女性と10歳くらいの女の子の写真だった。…あれ、きっと家族写真だよね。
酒飲んでべちゃくちゃ話してた時も家族の話をしてたのかもしれないし、家族が地震でいなくなった悲しみをこの店で発散させているだけなのかも、もしくはアスに家族を人質に取られているとか…
そういえばこのおじ、きもい視線を私に向けやがってはいたけど手はだしてこなかった…(出して来たら近くの箒を竹刀代わりにして暴れてやろうと思ってたんだけど…残念)
おじだっていたくてアスにいるわけじゃないのかもしれない。ほんとはただのいい父親なのかも。
…≪モウソウタイム シュウリョーウ! ここからはシンキングタイムでーす。≫
崩壊前も含めて今まで騙すことを目的に誰かに近づいたことはなかった。なんだか過去の私と重なっちゃって…私あってるのかな。あー、最近悩んでばっかり…。でも、このまま真実を知らないまま行動していたら誰も幸せになれない気がする。うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん
…よし決めた。
時間が予定よりかかっちゃうかもしれないけど、私は自分の中で引っかかったことは全部大切にするってあの日からきめたんだ。
いつだって自分優先の貪欲わがまま女、それが私っ!! ごめん海屋!!
はーい!お疲れさまでした!!読んでくださりありがとうございます!
今回は優柔不断な私の性格がかなりでた話だったかなーと思います。進みが遅くてごめんなさい!
はたしておじはどうなるのか!?