【大アルカナ】3番・女帝〘正位置〙
今日はとっても懐かしくて幸せな気分だった
だって………
あたしはリナのタロットカードの1枚
【女帝】のカードの上で
眠っていたらしいわ……
気づいたら
『あれ?お部屋に居たはずなのに
まだパトロールの途中だったかしら?
でも、ここは初めて見る場所ね。
周りには木がたくさんあるから爪とぎも出来るし
足元からは
リナがあたしと遊んでくれる時に持ってくる
【麦畑】がいっぱい出てるから
遊び放題だし
それに喉が渇いたら
あそこに水が流れてるから安心
でもオヤツは無いみたいだから
オヤツを持ってここに来れば
1日中、楽しく遊べるわね。
あら!?
あそこに誰か女猫が居るわ。
そうよね。【あたしだけの秘密の場所】
じゃなかったのかぁ…
あたしはその女猫に近づくと
大きな丸い石のイスの上に赤い布
その上にゆったりと座っていた
あたしはその女猫に近づくにつれ
だんだんと涙が溢れだしてきた
『マ…マ!?』
ルナはその女猫に向って声をかけると
女猫はルナのほうを見て
『ルナ、こっちにいらっしゃい。』と
ルナを呼ぶとルナは
『ママァ〜。ママァ〜。』と
女猫に走って近づき
自分の頭や身体を女猫にスリスリと
擦りつけると
女猫はルナの顔や頭、身体をペロペロと
舐めた
暫くそれは続き
ルナは女猫に頬をくっつけながら
『ねぇ、ママどうして?どうしてここに?』と
ルナが質問すると女猫は優しい笑顔で
『ルナちゃん。大きくなったわね。
可愛いぃ、ルナちゃん。
愛してるわよ。』と言ってルナの顔を舐めると
その優しい笑顔のまま
女猫は動かなくなった
『ママ?どうしたの?
何で動かないの?
何かお話しして!?
あたしもママに聞いて貰いたい事が
たくさんあるの。だからねぇ、ママァ』と
いくらルナが声をかけても
女猫は話す事も動く事もなかった
ルナは暫く考えたあと
女猫の顔を見て
『ママ。あたしもママの事
愛してるわ。だから、また会いに来てね。』と
女猫の鼻に自分の鼻をくっつけ
もう一度
女猫の頬に自分の頬を擦り寄せ
そのまま女猫に背中を向け前に歩き出した