【大アルカナ】9番・隠者〘正位置〙
ルナはずっと考えていた
《あたしの願い…
叶える事は
無理なのかしら…》
そんな事を考えながら
リナの【タロットカード】のある1枚に
右前脚が触れると
急に睡魔に襲われ
気がつくと…
《ここは…ゆめ…の中…よ…ね?》
ルナが目を開けると
辺りは何もなかった…
というより……
《さっきより辺りは暗いし
まぁ、あたしは猫だから暗くても
大丈夫だけど
でも、
何も無いわ!!
今までのカードの夢は
お部屋の中とかだったし
お外でもこんなに
暗くはなかったわ。
危ない場所はあったけど…》
と【崖の上(愚者)】の夢や
【車に轢かれそうになった(戦車)】の夢の事を思い出していた。
そうルナが今居る場所は
崖の道を登ってる途中だった
《どうして、あたしはこんな道を
歩いているのかしら……
それに
いつもと何か違うわね》
ルナは
自分の意思とは関係なく
薄暗い崖の道の頂上を目指し
無意識に後ろ脚だけで歩いていた
右前脚には灯りの点いたランプを
左前脚には木の杖を持って
いつの間にか崖だった道が雪…氷となっていた
ルナは
『(夢だから寒くも冷たくも無いけど)
いったいどうなってんのよ〜』と
叫んでみたが声はこの暗闇に吸い込まれ
周りからは
返事も何も返っては
こなかった。
ルナはだんだん寂しくなってきたが
右前脚に灯ってるランプの灯りを見つめ
考え事…と、いうより
何かを思い出そうとしていた
『そういえばこのカードって
ミーコさんが悩んでた時に出たカードだったわ
たしか…
【隠者】
だからこの景色なのね。
〘じゃあ、どうすれば良いのか?〙
その方法は自分で考えなさいって
事なのかしら?』
ルナは右前脚のランプを見つめ
考え始めた