【大アルカナ】6番・恋人〘正位置〙
《何だか今朝はあの2匹の事が
気になるわねぇ…》
考え事をしながらリナの【タロットカード】を
器用に前脚で1枚引いたルナ
カードの絵柄を見ようとしたら
だんだん眠たくなってきて……
《にょほ》
あたしはつい笑いが溢れてしまった。
なんだか暖かくて幸せな感じがするんだもの……
だって確か恋人のカードだから
こんなにも幸せな感じがするのね
『あら!?あそこに居るのは…』
と、ルナの視線の先に見たのは
白猫とサバ猫が少しあいだを開け
並んで立っている姿だった
うしろには大天使ニャファエル様が
2匹を優しく包みこんでるように見える
白猫とサバ猫のうしろには
違う果実の木が立っていたが…
『ミルクちゃん、あぶないわよ!
うしろに蛇が!!』と
叫んだがルナの声は聴こえていないらしい
《それにしても
近くにボスが居るのに
ミルクちゃんは
何を見てるのかしら?
それとも
考え事かしら?》
ルナは暫く2匹の様子を見守る事にした
だが、2匹はまったく動く様子は無く
2匹だけの世界に浸ってるような
そんな風にも見えた。
《でも、やっぱりミルクちゃんの視線が
きになるのよねぇ。
ボスとは仲良くなったはずなんだけどなぁ……って
あっ!あの白猫ちゃんは
ミルクちゃんじゃないのかも知れない。
それに、あのサバ猫くんもボスじゃないわね。
あんなにソックリなのに…
でも、あの白猫ちゃんとサバ猫くんは
仲良しなのは判るけど
白猫ちゃんの視線は違うほう見てるのが
やっぱり気になるわ。
ミルクちゃんじゃなかったけどね
でも、あたしの声は聴こえないみたいだし…》と
すると別の場所から
女の仔の声が聞こえてきた