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【大アルカナ】4番・皇帝〘逆位置〙
ルナが固まっている皇帝に
何度も声をかけていると
別のほうから声が聞こえてきた。
ルナが声のするほうを見ると
そこには
さっきまでルナと話しをしていた
皇帝が
同じ体勢で座っていた。
あたしは
その皇帝の元に行き
訊ねた
『どうして【金の缶詰】があるんですか?
やっぱり猫神様なんですか?』と
ルナが訊ねると
『そちは誰に対して
物を申しておるのか判っておるのか?
ワシは皇帝であるぞ
そちが気安く
話しかけて良い我では無い!!
さっさと下がれ!!!!』と
ちょっと気難しい表情で
ルナに向って言った。
《どういう事?
さっきと何か違う。
さっきはちゃんとあたしの話を聞いてくれたのに
今の皇帝は何も聞いてくれない。》
あたしの前では皇帝は
ブツブツと何やら
『ワシは間違ってない…』とか
『もっと強く言ったほうが…』とか
何やらひとり言を言っていた。
あたしは疑問が残るまま
訊ねても答えは同じと思い
皇帝に
『さようなら』とだけ言うと
その場を離れた………
と、次の瞬間
目の前が眩しくなって
リナのルナの名前を呼ぶ優しい声で
目が覚めた。