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無人島砂漠化ガクチカ育成物語  作者: 緒猿乃こえ
第一章 無人島に来たけど全部砂漠化。それでもこの場でガクチカを育成する
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4.キャンプ飯はガクチカ・終幕

 マシュマロとチョコビスケットの組み合わせによって生まれてしまったスモア。

 無限が存在するのであれば、それはスモアにあると言っても差し支えない。そう思ってしまうほどだ。

 だが、流石に満腹になってきた。まだ残ってはいるがこの辺りで今日は終了とさせていただこう。


 炎は徐々に小さくなりつつある。健康的であることを望むのであれば、もう寝てもいいだろう。但し、歯は必ず磨く。このまま寝たらやばい。絶対虫歯になる。

 炎が小さくなってきたことで、辺りはより一層暗くなっているため、ここでキャンプ用ランタンの灯りを点けて、明るさを補強する。

 歯ブラシを荷物の中から探し出し、歯を磨く。

 しゃかしゃか磨きながら、就寝の準備を始めるためテントに入った。このテントは意外と大きい。人が二、三人横になって眠れるだけの広さがある。しかも、防水かつ燃えにくい。こんなに素晴らしいテントを貸してくれた友人Rには感謝しかない。ただし、借りるときに一つ条件を付けられた。

 就職先が決まったら「ラーメン奢ってくれよ」と。それくらい奢る。むしろ、それだけで貸してくれる友人Rは人が良すぎる。本当に良い奴だ。


 今日は眠い。本当は風呂に入ってから寝たら最高なんだが、この島に風呂があるはずもない。今日のところはそのまま寝よう。

 テントの中は「TUCHIDA」のおかげで非常に快適な暖かさだ。


「暖めてくれてありがとうTUCHIDA」


「どういたしまして、宮重ミドリさん。ゆっくりお休みください」


 流暢で全く違和感のない日本語を話す「TUCHIDA」。流石、日本で開発されたAI。数あるAIロボの中でも「TUCHIDA」シリーズが人気を博しているのは、この言葉の流暢さあってのことだ。


 先にテント内でのんびりしていた愛犬パンプキンが立ち上がって、俺の脚に寄ってきたのでその場で座り、歯ブラシを咥えたまま「よしよし~」と言いながら顎の下を撫でる。小型犬も好きだが、中型犬の程よいサイズ感も好きだ。

 撫でられたパンプキンはお腹を出してごろごろしている。服従のポーズだ。お腹も撫でてやると、気持ちよさそうにそのまま眠ってしまった。


 歯磨きを終え、寝袋を広げる。これから当面の間、ふかふかのベッドとはお別れだ。既に恋しい気もするが、ここは一つ堪えた。ベッドが恋しい程度のことで、帰宅してしまってはガクチカにはならない。


 ガクチカの形成は、今、こういった些細なことを堪えた先にある。そうに違いない。楽しいことだけでなく、若干我慢することは必要なのだ。




 寝る前に、今日の学びをメモしておく。


・新聞紙は燃える。とても燃える。

・肉と米は凄く合う。

・カップ麺はカレー味。

・スモアは無限。



 それと、「君は無人島に行って何をしたのか?何を学んだのか?」に対する、一つの答えも書き留めておく。多少話を盛る、というのは誰でもやっていることらしいし、俺も脚色に力を入れたい。



 私は、無人島という物資の限られた状況下でキャンプ飯の実践を繰り返すことで食事による多幸感をより一層感じるという体験に没頭しました。もともと食事が好きでしたが、「どんな環境でも美味しく食事をしたい」と思い、無人島でキャンプをするようになってからは、普段とは異なる環境で食べる肉と米の美味しさ、自然環境が与えるカップ麺における食事体験の向上、スモアのような簡単な工夫が食の可能性を広げることを知り、食の素晴らしさをもっと多くの人に伝えたいと思うようになりました。直火で焼くお肉の焼き加減については特に何度も失敗を重ね、それでも焼く時間や温度、一度に焼く量を変えて幾度も試しているうち、次第により美味しい肉を口にすることができるようになりました。その後、バイト先のファミレスで肉を焼く担当の私は、無人島で学んだことを生かし、お客様に合った焼き加減を実践したところ、以前では考えられなかったことなのですが、お客様から何度もお褒めの言葉を頂きました。家庭料理研究家の友人とは、いつか食品系の企業に就職したらコラボ商品を作ろうという約束もしました。新たな環境に身を置いて好きなことについて深めると、まだまだ知らないことを知ることができるのだと感じたとても良い経験でした。





 よし、これで食品系企業の内定は貰った。

ガクチカの例文、もし「実際に使いました」という感想などございましたら、いつでもお待ちしております。

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