暇を持て余した―1
はっはっは
暇だぜ
「いやマジであれは幽霊だろ!」
「いやいやいやいや!そんなんが実在するわけ無いだろ!」
放課後の部室。龍斗と達也がトンネルでの事件について議論していた。
「それならあの声はなんだったんだよ」
「それは…あれだ。暇を持て余したおっさんの遊びだろ」
ちなみに拓はパソコンで『阿部鬼』なるゲームをやっている。
ガラガラ
突如として陳腐な音をたてながらドアが開いた。由香だ。
「おはよー」
おはよーは違(ry
「ねぇねぇねぇねぇ!転校生のことなんだけど!フタツヤ君って知ってる?」
「まあ知ってるけど…転校生だったのか」
「なあなあ達也ー。カオスワールド抜けたらどこ行けばいい?」
「うっせーな拓。とりあえず一階に降りろ」
「でねでね!そのフタツヤ君てねすごく変態なんだって!」
「へえー」
「なんかねー。女子更衣室のぞいたりしてるんだって!」
「…小学生じゃないんだから嬉しそうに話すな。意外と深刻な問題だからそれ」
「なあなあ達也ー。一階に降りたらどうすんの?」
「うっせーな。キッチンにはいれ」
「知り合いなんでしょ?どんな人?」
「さっき一階に降りたらしいぞ」
「?」
「なあなあ達也ー。なんか…阿部鬼が……ギャアアアアア!喋ったああああ!」
「馬鹿やってないでさっさと逃げろ。二階にもどって石碑のとこをぐるっとまわってまた一階に戻って玄関行って外に出ろ」
「ねぇねぇねぇねぇ。それでフタツヤ君てどんな性格?」
「阿部鬼が喋ったことに驚くような性格だ」
「なあなあ達也ー。外にでれたぞー」
「そのまま下に進め。追いかけてくるから」
「フタツヤ君て今何してるんだろう?」
「外に出たらしいぞ」
「?」
「はーっ。終わったー!結局夢オチか」
「最後の選択肢によって変わるんだぞ」
「ちょっとフタツヤ君ここに呼んでよ!」
「おーい拓。こっちに来い」
「ん?どした」
「あれ?この人は拓君でしょ。フタツヤ君は?」
「おい拓。フルネームで自己紹介しろ」
「俺の名前は二ッ谷拓です!」
とゆうわけで事情聴取。
「お前覗きなんかしてんのか」
「いやしてねーし?なんかドアノブが壊れてるのかなーって見てただけだし?あ、あそこって女子更衣室だったんだー?」
「こっちに聞くなよ。確信犯じゃねーかよ」
「…………」
「ほら見ろ。由香ドン引きしてるぞ。…あれ?お前さっきまでなんかテンション高かったじゃん!」
「…いや。本人を目の前にすると…」
「まあまあ」
由香が腐った豆腐を見るような目で拓を見る。
「…そんな目すんなよ。…あ、そうだ。この前新聞屋のおっさんに遊園地のチケットもらったんだけど今度みんなで行かねー?」
物で釣ろうとしても無駄だぜ!
とは行くわけもなく
「マジで!?」
「行こう行こう!」
「きゃっほーい」
簡単に釣られてしまうのが暇人の悲しき性。
「暇を持て余した人々のための遊園地?」
「聞いたことないな」
「わーいわーい」
…なんか楽しくなりそうだ