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トンネル

放課後の教室


「ねえ、うわさのトンネルのこと知ってる?」


「あー知ってるー。羅刹湖の近くのやつでしょ」


「そうそう。あそこにはいるとなんか怖いことが起きるんだってー」


「こわーい」


「こわいよねー」



そんなことを話している女子たちの脇を通り、タツトは部室に向かった。・・・・なんか起こるってアバウトすぎじゃね?



昨日はタクが入部した。話してみると意外と面白いやつだ。もう部室にいるはずだ。





そんなこんなで部室。



入るとタクが片隅で三角座りをしてた。こげぱん状態だ。

ソファーには女子二人が座っていつもの活動をしている。・・・つまり意味もなくしゃべってる。



「よーう」


「あ、タツト」


「おはよー」


『おはよー』は違う。『その日にはじめて合う人にはおはようだ!』と主張する人はいるかもしれないがこいつとはさっき教室で会ってる。


「そこのこげぱんはなんだ?」


「なんか『はじめまして!』とか言ってきたから無視した」


「なんで?」


「知らない人だから」




俺はタクに聞く。お、『タクに聞く』って韻をふんでるな。


「何があった?」


「うう・・・なんか部室はいったら・・・なんか女の子がいて・・・なんかかわいかったから・・声かけたら・・・」


「そうか。・・・・ユカ、こいつ新しい部員だから。メールしたはずだけど?カスミにも・・・」


「・・・?そうなの?え?あっ・・・。・・・・えーと・・・ごめんね?」


「いや・・・ほんと気づかなかっただけなの。ほんとにわざとじゃ無いから」


わざとだと思います。だってさっき『無視した』って言ってたもん。


「いや・・・分かってくれればいいから・・・・」


「えーっときみ名前はなんていうの?」


「タクって呼んでください。フルネームは教えません」


おおなんだこいつ。デスノートでも恐れてるのか?










「・・・・・・・・・」


「・・・!・・・・・」


「・・・・・・・・・」


「・・・・・・・・・」




気まずい沈黙が流れる。ちなみに途中の『!』は俺がコーラをこぼしそうになった時のアレだ。



「そうだ!」


急にカスミが叫ぶ。


「肝試し!」


「は?」


「いやせっかくタクくんが入ってくれたんだし、みんなの親睦を深めるためになんかやった方がいいと思って・・・」


「で、肝試し?」


「そう。うわさのトンネルのことは知ってるでしょ」


あの漠然ガールズがしゃべってたやつか。


「そこに行くと?」


「そう。すばらしい暇つぶしだと思うけど?」


うーむ。それを言われると弱い。


「俺はいいぞ。お前らは?」


「わ、私もいいよ!」


「お・・・れ・・・もいい・・・よ・・・・。」

・・・タクダメージ受けまくリングだな。


「じゃ、今度の日曜にでも行くか」


「さんせーい」










と、言うわけで日曜。


「おはよー」


メールしといたからタツヤもきた。この『おはよー』は、合っている。今、朝だから。


「おーう」





「みんなそろったかー?」


「はーい」


「イエーイ」


「ひゃっほー」


・・・タクはまだ回復してないのか。


「じゃー行くぞー」




バスに揺られること20分。



俺たちは羅刹湖の辺のバス停で下りた。


「なんで羅刹湖なんだろうな」


「なんとなくかっこいいかららしいぞ」




歩くこと3分。



「付いたぞー」


「おお・・・」


「すごいねー」


そのトンネルはとってもでかくて暗かった。










「それじゃーはいるぞー」


「おー・・・・」



そして俺らはこの真っ暗なトンネルに足を踏み入れた。





「暗ーい」


「広いんだなー」


「待ってくれー」


「うおーなんかヌメヌメしてるー」


「ねえ!」


この声はユカだ。


「なんか怖いから手つなごうよ!」


「さんせーい」


「じゃあみんな真ん中に集まれー」


「わー」


「きゃー」


「ひゃっほー」


「ひょー」



「俺の隣はユカとタクか」


「えへへー」


タクはまだ元気が無いのか。


・・・ん?なんか違和感が・・・。気のせいか。




しばらく歩くと出口が見えた。


「もう少しだー」


「あ、ほんとだ」


タクももう元気を取り戻したようだ。・・・こんなところで元気になるってすげーな



「まてーーーーー」



「誰だ今なんか言ったの」


「? さあ?」



「むああああああてえええええええ」



「ぎゃーーーーーーーーー!!!!」



最後はみんな手を離して走り出した。










トンネルの外。





「ぐわーーーー。怖かった。」


「ほんとだねー」


「でも私の両隣人がいたから良かったー」


「俺もー」


「おいらもー」


「我輩もー」



・・・・?・・・・は!?


「ちょっと待て。俺たち5人なんだから両側はさまれてる人は3人だけなはずだぞ!」



「へ?」


「・・・・え?」



「ええーーーーー!!!」



「待て待て待て待て。ほんっとにお前ら両隣いたのか?・・・俺はユカとタクがいたぞ」


「・・・・よくわかんなかった」


「・・・・おいらもー」


「・・・・我輩もー」




サーーーーーーーーッ (←血の気が引く音)





「落ち着け。みんなの発言を確かめよう。最初になんか言ったの誰だ?」


「わたし。暗ーいって言った」


「・・・ユカか。次は?」


「タツトが広いんだなーって言ってた」


「あ、俺だったか。次は?」


「待ってくれーって誰か男が・・・」


こいつ記憶力すげーな


「タクか?」


「俺そんなこといってないぞ」


「じゃタツヤ?」


「僕も言ってない」



サーーーーーーーーーッ(←さっきと同じ)




「次!次なんか言ったのは?」


「あ、僕がヌメヌメしてるーって言った」


「その次は?」


「私が手をつなごうって言った」


「それで?」


「私がさんせーいって言って・・・」


「俺が集まれーって言ったのか」


「僕がわーって言った」


「わたしはきゃー」


「わたしはひゃっほーって言ったけど」


「ひょーって誰かが・・・。タクか?」


「・・・言ってない。落ち込んでたから」



サーーーーーーーーーーッ(←ry)



あの違和感はこれかあーーーーーー!!




「うおーーーこえーーー!!」






「こんにちは」


突然変なおっさんが現れた。


「うわ!」


「だ、誰?」


「あ、私ココでアルバイトをしてるものです」



「・・・ん?」


「ここにくる人を怖がらせてるんですよ」


・・・・は?


「じゃ、手つないだのは・・・?」


「はい。わたし誰かとつなぎました」



「あーーーー!!あのしわしわはおじさんだったんだ!」


ふむ。カスミとつないだんだな.・・・ってか気づけや


「ふー。びくったー」


「ふふ・・・。では私はこれで」


「はーい。・・・でも『待ってくれー』とか『ひょー』とか言うのはすげー怖かったですー」


「はい?私そんなこと言ってませんが」

そういっておじさんはトンネルに戻っていった。





「え?・・・じゃ、誰が・・・・」





      サーーーーーーーーーーー----------ッ








疲れました

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