卓上カレンダーって使いづらい
タイトルに意味はない!
「言い切りやがった!」
俺は…どこにいる?
みんなが怖い。
どう思ってるのかわからない。わからないのが…怖い。
なんなんだ…。
よくわからない。
近づきたくない…。
仲良く…なりたい。
来ないでくれ。
行かないでくれ…。
…矛盾。
みんなが笑っている。
…なんなんだよ。
……………
「なんなんだよ!」
…夢か。
…夢……なのか。
…最悪の寝起きだ。
「いやだから!お前がここんとこ『ガッ』ってきたからここが『グッ』ってなったんだよ!」
「知らねーよ。擬音語多いよ。読んでる人何言ってるかわかんねーよ」
「これ牛乳パックでできてんだからもっと労らなきゃダメだろ!」
「知るか!それにへこんでる方がフィットして座りやすいだろ!」
部室では龍斗と拓が喧嘩している。拓がソファー(made of 牛乳パック)を若干陥没させてしまったようだ。
「あーもういーや。どーせ牛乳パックだし」
龍斗はめんどくさそうに言った。
「牛乳パックなめんなよ。パラパラチャーハン作れるんだぞ!」
「なぜ急に牛乳パックを擁護するんだ」
「そして夏休みの工作だってこれつかえば一応っぽいものが作れるんだぞ!」
「懐かしいこと言うな!8月31日に急いで牛乳パックで等身大猫型ロボットを作ったのはいい思い出だ」
龍斗は手先が器用だ。
「無駄にすごいな!」
「全国コンクールで惜しくも銀賞だった」
「全国!?どんだけハイレベルなんだよ!金賞のやつ見てみたいわ!」
「それは俺が夏休み殆どかけて作り上げた1/10白い悪魔だ」
確かビームナンチャラの刃まで再現していた力作だった筈だ。先生が驚いてたのを覚えている。
「なんでだ!金銀独占か!つーかそっちメインだろ!なに暇を持て余して猫型ロボットとか作っちゃってんだよ」
実にくだらない連中だ。そのソファーを作った張本人である俺も人のこと言えないが。
「龍斗…怒ったよな」
「あ?」
「だからソファーしばいちゃったじゃん」
「まあ…別に?そんなこと気にすんなし」
「いや…まあ…な」
しばしの沈黙。
「嘘…ついたら気分悪くなるもんなのかな」
突然拓が突飛なことを言い出した。
「まあ…人によるだろうな。平気で嘘をつく奴、嘘を嫌悪する奴、いろいろいるしな」
答える龍斗も律儀な奴だ。
「嘘ってよくわかんないよな」
拓は俯いてつぶやいた。
「うん?なんか言ったか?」
「いや…お茶でも飲むか。佐野から貰ったいいやつがあるんだ」
「佐野って誰だ!」
「嘘…か」
「達也も飲むか?」
「おーう。頼むー」
……そう言えば転校生だったな、拓。