表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/21

成層圏の向こう側まで狙い撃つ男

ここは…宇宙空間。


ある男が砲台の残骸に立っていた。彼はパイロットスーツを着て、銃の形をしたコントローラーで照準を合わせる。これは、彼の精密射撃の技術をそのまま反映させるためだ。


「何やってんだろうな…俺は」



狙う敵は…焼け野原ひろし。本名は知らない。人型の機動兵器に乗っている。…家族の仇だ。


「でも…。こいつを倒さなきゃ…仇をとらなきゃ…俺は前に進めねぇ…。世界とも…向き合えねぇ…!」



向こうがこちらに気づいた。



「だからよ…」



相手の銃口がこちら向けられた。






「狙い撃つぜぇぇぇぇぇえ!!」






彼の放った砲撃は焼け野原ひろしの機体に直撃した。

が、それと同時にひろしは引き金を引いた。



その粒子ビームは彼の乗っている砲台を貫いた。



その衝撃で彼は宇宙に放り出される。



「父さん…母さん…エイミー…」


目の前に広がる星が、故郷で降っていた雪と重なる。

両親と妹で暮らしていたあの場所の。



「…わかってるさ。こんな事じゃ…変わらないかもしれないって。元には戻らないって」



「でも…明日は…未来は…。ライルの生きる…未来を…!」

家を離れて暮らす双子の弟が頭に浮かんだ。










彼の目に地球が映った。



「よお…お前ら。満足か?こんな世界で」

手を銃の形にして地球へ向ける。

砲台が小爆発を始めた。


「俺は…嫌だね」










―彼は砲台の爆発に巻き込まれた…。










「ロックオォォォォォン!!」



部室でDVDを見ていた俺、龍斗は思わず叫んでいた。


ふぅ

何回見てもカッコいいな。なんで死んじゃったんだよ。


つーか1人だと暇だな。


しっかし『狙い撃つぜぇ!』はカッケーな。

なんかこう狙撃的なのをしてみたくなってきたぜ。






「呼んだかい?」



突如としてドアが開いた。





「…誰?」



「俺のコードネームは…ロックオン・ストラトス。成層圏の向こう側まで狙い撃つ男だ」




「いやだから誰だ!」









「へー。狙撃部?」



「そうだ。さっき俺の名前を呼んだだろう?部室、ここの地下だから良く聞こえるんだ」



「地下?地下なんてあんのか?ってか地下でよく聞こえたな。何が『よく聞こえるんだ』だ」


「オーライ!なら部室来てみるか?」


「いや行きたいけどお前誰だ」










「ここが狙撃部の部室だ」



「いやすごいけども普通に射撃部でいいんじゃね?」



「狙撃の方がなんかカッコいいじゃないか」



「さいですか」







「なんなら見てみるか?俺の狙撃を」



「マジか!」



「オーライ!準備するぜ」


「さっきから思ってたがなんかお前キャラ作ってるだろ」



「ロックオンだからな」









ロックオンはゴーグルを付け、競技用のエアライフルを取り出した。



「…本物じゃないんだな」



「当たり前だろ」





彼は的に向かって構え、射撃体制に入った。



「狙い撃つぜぇ!」









的がこっちに近づいてきた。無駄にハイテクだな。



「無駄とはなんだ。それより…ほら」


「おおー」



彼の放った玉は見事人型の的の10の所、つまり頭のど真ん中を貫いていた。


「10点…?」


「いや、10x点だ」


…なんかよくわからんがすごいな。




「ところで…結局お前の本名はなんなんだ!」



「機密情報は口にできない…」


「…キャラ作りやめれ」



「いや…どうしても…」




「いいから生徒証見せろ」



「おおおい!刹那!」


「だれが刹那だ!」



生徒証を見ると…



「…佐藤光彩?」



「いや…ちょっ」



「いや…普通か!なんかニールとかライルとかそんなんだと思ったのに!」




「しょうがないだろ!不可抗力だ!」



「ってかお前絶対成層圏の向こう側とか狙い撃てねぇだろ。エアライフルで」



「うるさい!ノリだ!」




それにしても地下にこんな所があったとは…。なんなんだこの学校!





え?パクり?

なんのことですかな?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ