連続記録
必死に走る俺を嘲笑うかのように
そのチャイムは残酷にも鳴り終わった。
俺のトランザムは階段の踊場で限界時間に到達した。
「やっちまった…」
今ので5日間連続遅刻達成ー
新記録更新~
わーいわーい
……嬉しくねえー
そろそろ成績に響くな…
くそっ
「なんてドジなんだ俺は…」
敵の足を止めることすらできやしねえ…
じゃなくて
あ、そうそう
俺の名前は神山龍斗ソレスタルビーイングのガンダムマイスター…ではない
我がクラスの担任はスガさん(菅井健夫)だ
彼はテキトーなところがあり、自分がクラスに入った時点で来ている生徒はみんな出席と見なしている。だが、彼はたいていは定時に来るので特に意味を成さない
「ターツト」
ああ・・・これで内申書に・・・ん?
「うわっ!スガさん!」
「何やってんの?甘納豆でも落ちてたか?」
甘納豆はスガさんの好物だ・・・ってのは置いといて!
「まだ間に合う!」
俺はまた走り出した。
「あと名前を伸ばすな!気持ち悪いから」
「えー甘納豆ー」
甘納豆関係ねえ!
そういうスガさんの声が遠ざかっていく
「セーーーーーーーーーーーーーッフ!!!!!!」
俺は教室のドアを開け自分の席につくまでの動作を「ーーーーーーーーーーーーー」の間にやってのけた。
「すごい肺活量だねー。龍斗」
隣の席の秋山由香が感嘆したように言う
ふいー。確かにこの高校生活1年と2ヶ月ちょいの中で一番体力つかったぜい。
「まあ通常の三倍ってとこかな」
「確かに顔、赤いね」
「超必死で走ったからだよ」
「あはは。ごめん」
まったく・・・。由香は俺と実家は隣、生まれた病院まで同じというスーパー幼馴染だ。
「は~い。おはよー。遅刻は・・・ゼロかー」
そこにスガさんが教室に入ってきた。随分おそいな・・・まさか甘納豆探してたとか?それはないか・・・
そんなこんなでホームルームも終わりー・・・と思ったら
「あ、龍斗はちょっと先生のとこ来い」
「なんですか…?」
「甘納豆を出せ!甘納豆を要求する!」
「はい?」
するとこのおっさん机から銃を出してこちらに向けてきた。モデルガンだけど。
「さもなくば…射殺する!!」
無視しようとしてもしつこく付きまとってきたとさ。
ふう。疲れました