邂逅_________その裏では
第一章終わりいいいいい!
「................」
「........................」
うーん、お通夜かな?
いや、名前どうにかしろよ。苗字のせいで全く違う席なんだけど。ねえ。
いやマジでどうしよ.......どうやって話しかけよう........星命さーん!!!!
.............返答はない。まあ、忙しいししょうがないか。
「はいでは自己紹介をしましょう~」
先生が告げる。周りの人に「青空光です」と言ったが、如何せん位置が遠いので緑谷には挨拶できない。
............え、これ計算してなかったわけ?だって「あ」と「み」だよ?超絶差があるよねぇ?!
というかなんも知らないあっちが俺に向かって話してくるわけないし.......話しかけるしかないか....
「はいそれでは皆さん名前を知れましたね?それではもう少し遠くの方のお友達にも話しかけてみましょう。自由行動でーす。」
よっしゃ来た。すぐさま緑谷の方へ小走りで向かう。
するとなぜか緑谷の方もこちらに向かって来て......
ドンッ!
軽くぶつかってしまった。
「痛ってぇ.....あ、だ丈夫ですか。」
「う、うん......」
..........
.....................
「あ........っと.......青空 光........です。」
「み、緑谷 才です......よろしく?」
沈黙の後、それぞれが自己紹介をする。
...........こいつが.........
そいつは、黄緑っぽい髪のひ弱そうな少年だった。
細渕の眼鏡を通して、少し長めの睫毛と、エメラルド色の瞳がよく見える。着崩したTシャツに、長めの半ズボンを履いている。
だらしない感じのはずなのに、御洒落だ。
なんだよ、いい感じじゃんか_________
一方、才は______
.........この人.......ってかこいつが......相棒。
結構美男の部類に入る.......のかな?
僕より少し短く、先が青色の、美しい睫毛。水色の髪。頬に刻まれたWの痣のようなものが目を引く。
艶やかな水色の瞳は、ブルームーンストーンを彷彿とさせる。
服装もそうだ。春で暖かいというのに、黒色のパーカーを着ている。その表情一つ一つに大人っぽさがあり、モテそうだ。............なんか悔しくなってきたな。
ま、いい感じじゃないのか_________
その頃、神々の御殿では_______
「おおっ!!」
無事に二人が邂逅を果たし、早くも友達になりそうだ。
神々から、安堵と喜びの声が上がる。
前例のない話だったため、皆心配だったのだ。
少年たちがすべてを放棄して逃げ出すのではないか....とか、ストレスから、自害してしまうのでは....とか。
「いやーこちらが入ったとはいえ、上手くいったねぇ~........ま、これから、なんだけど。」
星命が一応は笑いながらも、重要な事を口にする。
「まず、来年の勧誘がどうなるかだね。私たちが言い聞かせたとはいえ、ちゃんとやってくれるか....ま、私が選んだ子なら大丈夫でしょう!」
真剣な顔から一変。星命がまたしても破顔する。
「ゆーちゃんもそうでしょー?」
ゆーちゃん......もとい、夢叶は一つ、頷いた。
「ええ............きっと。でも、私は少し怖いのです。」
「怖い?」
「この子はあまりにも、転生に慣れすぎている。休息を欲しないのは、いずれ身を滅ぼすことになります。」
「...........................ま、大丈夫よ。どーんと構えましょ。」
今度は取り繕った笑顔で、星命が言った。
..........これはすべて、入学式の日の出来事である。二人がこれから経験することを思えば、ここは、ただ一つの休息地帯......ゲームで言えば、セレクト画面のようなものだろう。
それほどまでに、二人の道のりは長いのだ。
だから、二人にはぜひ、この言葉を刻んでほしい。
『_______星も月も、ずっと見守っている______』
と。