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ご都合主義のヒーローですが何か? --すべての始まり--  作者: 箱庭の巣窟
全ての始まり______
5/16

軍人少年は夢を見る_____

才君の前世にシフトチェンジ!大分壮大ですねぇ........

ぜひお楽しみください!



薄暗い森の中______

「..........ふう」

ずれた帽子を直し、汗まみれの髪を整える。

血まみれの手袋を外し、誰もいないことを確認して「それ」を行う。

「.......水よ.....」

水球が彼の手から飛び出し、手袋を洗っていく。

「よしよし......水は死骸んとこ置いとけばいいよな。」

水球を死骸の山に飛ばし、少年は軽い足取りで森を出る_____


======

水仙 怜(すいせん れい)、ただいま帰還しました。」

「ご苦労。」

「.....それで、どうだね?『毒牙(ドクガ)』の動きは。」

「かなり活発になっています。『影』の者たちも増えてきていますし、このあたりでカタをつけようという意図でしょうね。」

すらすらと報告を並べ立てていく。これしき、本部に帰る途中でも思いつく。

「なるほど。ではこちらも.....」

「勢力強化をした方がいいでしょう。」

「ああ。我々『カムイ』だけでなく『コタン』にも協力を仰ぐべきであろう。」

「ええ。私も最大限協力するつもりですので、準備のほど、よろしくお願いいたします。」

「分かった。もうよい。」

「はっ。」


一礼して部屋を出る。さて、気難しい上司への報告は終わった。あとは部屋でのんびりするだけ....


そう思うと心が浮き立つ。明日は休日、そして明後日も.......ふふふ。


本当に前世の記憶を持ってていいと思った。

前世のこと、そして今世で素質を認められたことで、今こうして暮らせてるしな。

僕は水仙 怜、14歳。僕は大人顔負けの知識と頭脳を持ち、戦略を用いて戦い、好成績を収めてきた。

正直言って、この生活が好きだ。今まで何度も死にそうになったけど、それでも仲間と協力して強大な敵を倒す、というゲームのような体験は最高だ。

「さて、明日明後日でゆっくりして、またバシバシ敵を倒すぞ~!」

モチベーションがあるのも、この人生をゲーム感覚で楽しんでいるからである。


夜。

街に出てちょっと豪勢な料理を注文、舌鼓を打ち、温泉で疲れを癒す。心身ともに疲れているのでよく沁みる......幸せ。


本部に帰り、読書やゲームと、娯楽で小一時間、やっぱり疲れを癒す。

10時ごろ、ベットに入る。早寝早起きはもはや習慣と化しているので昼まで寝るとかは一切ない。


連日の疲労と気難しい上司に報告をした気疲れで目を閉じると一瞬で眠りの世界に誘われていった。


=====


気が付くと......薄紫と白の空間にいる。ああ、夢か。

その結論に達すると同時に、白髪の女の人がテレポートしてきた。

........美しい。

ゴクリ、と唾を呑んでしまう。

薄紫で星の刺繍がしてあるネグリジェのような服、整った顔。薄紫色の双眼は、見ていると夢の中に引き込まれそうな優しさだ。

『こんばんは。夢の世界にようこそ。』

鈴を転がすような声音で話しかけてくる。

『私は夢の世界の番人でもありこの世界の神の一人、[羊埜 夢叶(ようの ゆめか)]と申します。以後、お見知りおきを。』

「は、はい.......」

夢叶さんは私を慈しむ様な目で見つめる。そして哀しそうに、

『ああ、迷える子羊よ、お許しください。貴方の魂と引き合う身体が見つかってしまいました....貴方はそこに転生しなければなりません.....』

いきなりぶっ飛んだこと言ってきた。

僕は当然よくわからないので質問をする。

「ど、どういうことですかそれ!?私が、転生?!二度目になりますよ.....?!」

『ええ......そうね。二つの人生の記憶を持ったあなたはきっと苦しむでしょう。でも、これは大王様のご決定なのです。この混沌とした世界を、二人の勇者に鎮めさせよ、その為の清い魂を探せ____と。そして、貴方がそのうちの一人に選ばれた。嗚呼、なんということでしょう.....!』

「え、えと......つまり私は、二度目の転生をして世界を救えと...?」

夢叶さんが悲壮な表情を変えずに頷いた。

『ええ。そうです......貴方は二度の人生の記憶を持ったままスタートになります。そしてもう一人の相棒_____アオゾラヒカルと協力して世界を変えるのです。』

「な、なるほど.......因みに、私の名前は何か変わったりするのですか...?」

『ええ。緑谷才という名前になります。貴方は今いるカムイに、8歳の小学二年生として、そして伝説の星・空属性の相棒として、戦うことになります。ですが、それを明かすことはタブーです。それに.....転生は彼らも、毒牙も消えた後になりますが。』

「え?!じゃあ私らは何と戦えと..?」

『[氷牙]という、毒牙に代わる新勢力が現れます。貴方たちは、それを破滅させてほしいのです。』

なんとなく話は理解できた。つまり僕は、小学二年生の親友であり相棒としてカムイに入り、世界を救えと。そういうことか。

「なんとなく話は理解できました。」

『.......理解できましたか。では、あなたが今から転生する体についてです。あなたは当然親持ちになりますので、しっかり説明しないと不審がられますし.......』

その後、夢叶さんから体の詳しい説明を受けた。しっかり頭に入れないと相棒にも迷惑がかかる。

________何より、僕たちに世界平和がかかっている。そう思うとどうしても聴かずにはいられなかった。


『さて、これで大方説明が終わりました。それでは、転生の時、毒牙を破る時まで、お別れとなります。わざわざ夢の中にまでお邪魔してしまい申し訳ありませんでした。では、また。』


その言葉を最後に、視界がぐにゃり、と歪んだ。

夢叶さんが哀し気に微笑んでいるのを見た気がする。


_______目を開けば、そこは見慣れたカムイの寮室だった。



はいありがとうございました!

次回もぜひご覧ください!

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