_____恵まれた?
「う........ん」
気が付くとベッドの上。うつ伏せだった体を回転させて、部屋を見回す。
すっきりするような空色で飾られている部屋は、前居た子供部屋を彷彿とさせる。
_________前居た?
ちょっと待て_______どういうことだ?知ってるはずなのに......知らない?
脳と記憶が反発しあい、パニック状態に。
「参ったなぁ........」
取り敢えず前の記憶は放っておく。
........もう、俺は生まれ変わったんだしな。
『んっん........もしもーし!青空光君、聞こえてるー?!』
突然、脳内に声が響いてくる。この声は......星命さんのだな。
「え、誰ですか、青空光って。俺はXXXX......」
『今その体の名前が青空光って名前なのー!慣れてー!』
「あ、は、はい.....」
『まあ、その分だと聞こえてそうだね。......まず、明日は崎山小学校の入学式だ。光君もそこに入学してもらうよー』
「あ、はい。」
『そいで、君は孤児院の出ということにしてあるから、親はいないよ。あ、ここ一軒家だからねー!家のことちゃんとやってね!』
「.........................え?」
『それで、崎山小は_____』
「ちょ、ちょっと待ってくださいっ!どういうことですか?俺に親がいないって______?」
『ちょうどいいのが居なかったんだよ!......友達は用意できたからね?』
「.........わかりました。話、遮ってしまって申し訳ないです。」
『全然いいよー!パ二くるのはしょうがないしー!......それで......』
その後、星命さんによる、『俺』とその背景について話された。
この体は、運動神経はいいが、馬鹿なことも知った。
『まあ、そんなとこかな。ってことで、これからはやばいときだけ助けるから!あ、でも通信はしないよ?』
「オッケーです。」
『じゃあねぇー!』
それを最後に、プツリ、と脳内通信は切れた。
「.........終わった。」
再び孤独を手にしたと知り、哀しくなる。
「...ってか、明日が入学式って......もうちょい猶予くれよ、神様ぁ.....」
________こうして、俺の恵まれたか定かでない、第二の人生がスタートした。