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巨人と小人

「あまり混んでなくて助かるな」


歩くこと十数分。俺達三人は、目的の神社に着いた。


まだ花火までの時間がかなりあるのでそこまで人混みは無く、歩く妨げになることはない。


「取り敢えず、どーする。まだ人も少ないことだし今のうちに屋台とか回ってみっか?」

二人に向かって問うてみる。


「そーね。他にすることもないし。ちーちゃんもそれでいい?」

夏希がそう言うと藤宮も、うんと頷いたので屋台を回ることにした。

多くの店が出てはいるものの、目当てな物は特に無くて、同じような屋台があったりするので、そこまで集中して見ては回らなかった。

すると突然、夏希がリンゴ飴を食べたいと言い出した。


普段、特に欲しいものがない俺は滅多なことが無ければ財布が痩せることはないので、こんな時に男らしさを発揮できる。


そこは俺も男だ。夏希と藤宮に一本ずつ奢ってやったさ。


時間も経ち、だんだんと人が増えて混雑してきたが、祭りという場の雰囲気から人混みが好きではない俺も、テンションが上がってしまい、そんなことも気にならなかった。


二人ともリンゴ飴を食べ終わり、三人で会話しながら歩いていると前方に、自然と人に避けられている背の高くて見覚えのある人物を発見し、俺は後ろから背中を叩いて声をかけた。


「よぉ健人。やっぱお前も来てたのか」


「あ、春也だ。それと、山寺さんと....藤宮さん?一緒に来てたんだ。最近仲良さげだったもんね」


健人は相変わらず気の抜けたような声で、二人に向かってどうも、と挨拶をした。


「あぁ、まぁな。そんでお前は.....」


誰と来ているのかと思い、健人の横を見てみると、背の低い女の小が少し、おどおどしながらこちらを見ていた。


「へー、佐倉くん妹とかいたんだー」

「ううん。彼女だよ」


夏希が聞くと、健人は驚くべきことを口にした。


「はぁ?!お前そんなこと一言も言わなかったじゃねーか」


「そーなの?僕は翔琉に教えたから、春也も知ってるものだと思ってた。」


「....あっ、あの!!

野田 梓、中学三年生です!!」

すると、健人の彼女が突然大きな声で話した。


「...あーうん、よろしくー」

「う、うん。よろしくよろしく!!」

「....どうも」


いきなりの彼女の唐突な自己紹介に、健人以外の俺達三人は少し驚いてしまったが、なんとか挨拶をすることが出来た。

健人は、野田さんに

「よく言えたね~」と頭を撫でていた。夏希と藤宮は黙りこんで、二人をじっと見ている。


「てーか、中三って...いつから付き合ってんだ?」

「えーと、一年くらい前からかな」


一年前か。案外長く付き合っているんだな


「ってことは、同じ中学なのか?」


俺がそう尋ねると、健人は

「そーだよー」

と答えた。



「けんちゃん!花火、そろそろいかないと!」

俺と健人が話していると、野田さんが健人のTシャツを引っ張りながら言った。


「あ、そーだね。それじゃあ、僕らもう行くね」

「おう、じゃーな」


健人は俺達にそう告げて、野田さんと一緒に歩いていった。


「バイバーイ」と夏希は手を振って、藤宮はぺこりと頭を下げた。


野田さんはこちらを向いて丁寧にお辞儀をし、健人と手を繋いで行ってしまった。



「...いやー、とてつもない身長差だったわね。梓ちゃん多分150センチ無いわよね...」


二人の姿が見えなくなる頃夏希がそんなことを言った。


「私も背低いから、佐倉君すごく大きく感じた...」

「安心しろ藤宮。あいつは俺から見てもでかすぎるわ」


俺も身長は高い方だと思うが、健人には全く及んでない。



ふと時計を見ると、花火の時間にはまだ余裕があった。

「...なぁ夏希。花火、川近くのベンチで見るか?」


どこで見るか決めていなかったので、夏希に聞いてみた。


「川?ってここに来るときに通った河原のところ?」

「そーそ、あそこ綺麗に見える場所だからな。かなり混んでて、後ろの方に何個かベンチあるから、毎年そこで見てんだ」

藤宮の質問に、俺はそう返す。


「だとしたら、すぐ行かないとね。目立たないけど、あそこすぐ取られちゃうから」


「そーだな。んじゃ、余裕もって今行くか」



という事で、近くにある河原に三人で向かった。




















ネタ切れしないように一生懸命書いていきます!

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