情けない自分が
「二人とも付き合ってるんじゃないの?」
俺は、その言葉にすぐ返すことは出来なかった。
「.......えっと、まぁ」
「付き合ってないよ。」
俺が、ついどもってしまうと夏希の方が先に答えた。
「春也とはただの幼馴染みだから、全然そんなのないよ。だから一緒に行こうよ、ちーちゃん。」
夏希は笑いながら言う。
「...そう。じゃあ行こうかな、お祭り。」
藤宮が、返事をすると
「あ、私の家あっちだから帰るね。春也はちゃんとちーちゃんの家まで送っていってね!あと、ちーちゃんからメアド聞いといて!」
夏希はそれだけ言い、「バイバイ」と手を振って自宅に向かっていった。
その後、俺と藤宮は特に会話もなく、藤宮の家へ向かった。
× × ×
「そんじゃ、藤宮メルアド教えて。」
藤宮宅に着くと、さっき夏希に頼まれていたメールアドレスを聞くことにした。
「あぁ、ちょっと待ってね。」
藤宮はそう言って鞄からケータイを取り出した。
「...よっし。んじゃ帰るわ。」
連絡先の交換も済ませ、俺が帰ろうとすると
「ねぇ、
...春也。」
何故か呼び捨てで、呼ばれた。
「何?ていうか、あからさまに呼び捨てにしてどうしたんだよ。」
「別にいいでしょ。こっちのが呼びやすいの。」
と、藤宮は返す。
「藤宮って、前の高校じゃ友達いなかったんだよな?出会って二日で下の名前呼び捨てに出来るの凄いな。」
「いなかったけど、夏希と春也とかって話しやすいから。それにもう友達だからいいんじゃない?」
「まぁ、....かなぁ。」
そりゃ、メアド聞いて、祭り一緒に行くことだし友達でいいのか。
「それより、出会って間も無いのにあれなんだけど、少し聞きたいことがあるの。」
「ん、なに?」
俺が問うと、藤宮は口を開いた。
「春也は、何をそんなに考えながら話してるの?夏希の時は特にだけど。
....夏希と何かあったとか?」
鋭いとこを突いてくる質問だった。
だが、それの質問に易々と答えるほど、俺は藤宮を信頼していなかった。
「...いや、なんもないけど。」
俺はそう返した。
「そう...。今じゃなくていいから...いつか、ちゃんと話してね。一人で抱え込むのは辛いことだから。」
藤宮は、何か悟ったように言った。
「...あぁ、」
俺は、そんな掠れた声で返事することしか出来なかった。
「それじゃあね。お祭り、楽しみにしてる。」
藤宮は、俺にそう告げて家の中へ入っていった。
今見た彼女の表情は、確実に微笑んでいた。
その笑顔は、昨日この場所で心の隅に片付けた感情を
いとも容易く引き出した。
つい情けない自分に苛立ってしまう。
「まだ二日だぞ、単純すぎるだろ...」
自分の未熟さを吐き捨てるように小さく、
その言葉を呟いていた。
所々設定が崩壊してしまってすいませんでした。
なるべくミス減らします!