表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/48

三人での、帰り道


「今日も、道案内お願いしていい?」


藤宮の口にしたその言葉は、色々とまずかった。


勿論それは周りの人に聞こえる声の大きさなので、案の定、夏希には聞こえていた。


「は?!春也アンタいつの間に藤宮さんとそんなに仲良くなったの?!」

夏希はすぐに振り向いて、俺に向かってそう言った。


別に隠すことでもないので昨日のことを話した。


「いやさ、昨日藤宮が家までの道わからなかったから送ってったんだよ。あと藤宮の家、俺らの家からすげー近い。」


「嘘!?知らなかった!どーして昨日言わなかったのよ!」


「別に理由はねーよ。言うの忘れてただけだって」


というか、お前の髪型の方が衝撃強かったし。


「....えっと、春也くん」

すると、藤宮が口を開いた。


つい俺と夏希は、藤宮を爪弾きにして会話をしてしまっていた。


「あっ!ごめんね藤宮さん、蚊帳の外にしちゃって」

夏希は、急いで藤宮の方を向き直し謝罪した。


「別に...そんなことは、無いけど」

藤宮は、少し困った様な顔をした。


なんだ、そっち系の表情はあるのか。


そんなことを考えていると、夏希が皆で帰ろうと言うので、

俺、夏希、藤宮の三人で帰ることになった。




× × ×



「そいえば夏希、藤宮に自己紹介しろよ」


帰り道で、俺は昨日の経験を活かし、夏希に名乗ることを勧めた。

だが藤宮はもうすでに、ご存知だった。

「大丈夫、知ってるから。山寺夏希さんでしょ?」


「おいおい、何で知ってんだよ。俺の覚えてなかったのに...。」


「覚えてなかったんじゃなくて、知らなかったの。山寺さん春也くんの前の席だし、よく喋るとこ見るから知ってた」


なんだよ、最初の挨拶で俺の名前教えとけば良かった...。



「えー!やった!それじゃ、これから仲良くしようね、

ちーちゃん!」

夏希は喜びながら、言う。


「えっと、ちーちゃんって??」

いきなり、多分自分のであるだろうあだ名を呼ばれた藤宮は、少し驚いたように見えた。


なんかあれだな、今日で藤宮の表情読めるようになってきたな。


「千秋だから、ちーちゃんだよ!あっ、私のことは下の名前で呼んでもいいよ!」


「....うん、わかった。

...夏希」


「よし!これで私達友達だね!」




そんな二人を見ながら、夏希と藤宮が、仲良くなったのが嬉しかったのと同時に



何故だか不安を感じた。



× × ×



それからしばらくは、夏希と藤宮の二人だけで会話をしていた。


今度は俺が蚊帳の外みたいだな。



そんな冗談を思いながら、二人を後ろから眺めて歩いていると、夏希は何か見つけたようだ。


「あっ!花火大会のポスター!今週末に祭りあるのすっかり忘れてた!」


「あー翔琉達も話してたな、今年どーする?」


「そーねぇ、今年三人で行こうよ!ちーちゃん、いいでしょ?」

夏希そうが言うと藤宮が口を開いた。


「私はいない方いいんじゃ...、二人とも付き合ってるんじゃないの?」


やはり周りからはそう見えているのだと思った。


きっと、俺はまだ無自覚のうちに夏希で、周りから逃げていた。




そして、当の本人からも...

次回から少しペース遅れます!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ