翔琉story6
翔琉視点で進んでいきます。
――翔琉side――
二学期中間テストも終わり、俺達にはあるイベントが迫っていた。
その名も、文化祭!
高校での初めての文化祭だし、優季を誘って文化祭デートでもしよっかな~。……なんて、思ったりしてたんだが、
「――だからさー、ちゃんと話し合いに参加してよ! 石川さん!」
「いや……知らないし。あんたらで勝手に進めててよ」
はい、トラブル発生中です。主に我が女神である彼女、石川優季さんが原因です。
文化祭での出し物が男女装喫茶(名の通りウエイトレス全員、男が女に女が男に変装している喫茶店)なるものに決定し、その役割を決める話し合いの際に優季がやる気ゼロ。それに注意というか激怒する進行していた文化祭委員の長谷川……と、その友人達の渡辺、河野、清水の四人組がまとまって優季を囲む。加えて担任の不在。
今の状況のあらすじを説明すると、こんな感じだ。少し雑だっただろうか……。まあいいだろう。
すると、文化祭委員である長谷川が優季に言う。
「どうして、いっつもクラスでの決め事に参加してくんないの? 他の人に迷惑かけてるのわからない?」
まあ、ごもっともである。
それに対して優季は足を組ながら、
「何が、クラスでの決め事だよ。出し物勝手に決めたのあんたら文化祭委員でしょ? 周り見てみなよ。あんたこそ、他の人がそこまで乗り気じゃないことまだ気付いてないの?」
うん、それも事実だ。それよりも、それ長谷川の位置からだとパンツ見えてんのかな? いや、あいつ短パンだったわ……。
俺が頭の中でふざけていると、また長谷川が口を開く。
「はあ? 変な言い掛かりよしてくれる? この前ちゃんと反対意見が無いかちゃんと聞いたじゃん。誰も意見しなかったんだから全員賛成に決まってるでしょ」
「よく言うよ。どうせ聞いただけで反対意見があれば却下するつもりだったくせにさ」
優季は乾いたように笑って、足を組み直して続ける。
「そんなわけだから、勝手にやってな? あんたと……このケバい女三人と、四人仲良くね」
優季は自分を囲む四人に向けてそう言い、挑発するような不適な笑いを浮かべた。
ってか、喧嘩売るって何なの? そんなんじゃ一生クラスに溶け込めないですけど…………やっぱり俺と付き合いたくないわけ?
一方で俺はというと、その様子を二つ後ろの席から苦笑いをしながら眺めていた。周りの人間、というかクラスメイトには俺と優季が親しくしていることを知られていない訳なので、なかなかフォローし難い。
さて、どうしたもんやら……。
そんな事を考えているうちに、また事態は一つ悪化する。
ガンっ、ガタンっ!
突然大きな音がしてその方を見ると、長谷川が優季の机を蹴り飛ばしていた。机は横に弾き飛ばされ、優季の隣の男子生徒の席に衝突して、その男子は大きく仰け反っていた。
「あんた……何、調子のってんの? うちら馬鹿にすんのも大概にしときなさいよ、このアバズレ女が」
長谷川はドスの効いた声で優季にそう言った。
それに優季は立ち上がって、
「その言葉、まんまあんたに返したげる。それに――」
彼女は長谷川に一歩だけ近付いた。
「――私、未経験だからさ。ごめんね」
優季は表情を崩さないまま、長谷川に呟くと彼女の頭をポンポンと撫でた。明からさまな彼女の挑発に、長谷川は顔を真っ赤にしている。
というか優季さん……。それ、言わなくてよくないですか……?
すると、
「――っ、このっ!」
「――おい、何の物音だ! お前らちゃんとやってんのか?! …………おい、何やってんだ。長谷川、石川」
長谷川が優季の胸ぐらを掴むと同時に、担任の先生が教室に入ってきた。
それを確認した優季は、長谷川の手を振りほどいて教室の出入り口へと向かう。
「お、おい、石川! どこ行くんだ!?」
なんて担任の言葉には耳も貸さずに優季は教室から出ていった。
はぁ……。まぁ、しゃーないか。
俺は溜め息を吐いて、ゆっくりと手を上げた。
「……あのー、先生ぇー」
「……何だ、大門」
「――トイレ、行ってきていいっすか?」
さて、どうしたもんかな。
久々に書きましたので、若干のキャラ崩壊あるかもしれませんが、自分の頭の中のイメージでは変えていないつもりです。




