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二度寝


気付くと薄暗い、自分の部屋のベッドにいた。


寝ぼけながらも今の時刻を確認しようと左手でケータイを探るが、いつもなら枕元にあるはずがなかなか見当たらない。

俺は仕方なく部屋の壁にかけてある時計を見ることにした。


なんだ、半端な時間に目が覚めたな……

時計の短い針が「3」を指しているのがかろうじて見えた。


それと同時に視界に人影が写る。


まだぼやけている目を擦って、自分の左側を向くと何故か夏希がソファで毛布を被って眠っている。


一瞬何故居るのかと疑問に思ったが、風邪を引いて見舞いに来てもらったのを思い出した。


にしてもずっとここに居たのかこいつは……

しかも、ちゃんと服着替えてやがる。


そんな彼女の寝顔を眺めていると昨日の出来事をとても鮮明なフラッシュバックで思い出した。だが、そのあとは覚えてはいない。


あの時の気持ちは、彼女に対する恋愛感情だったのだろうか。それとも……


だが、どちらにしろ何の覚悟もないのに夏希に抱きつくとか、


「なにやってんだよ、俺は……」

俺は反対側に寝返りをうつ。


そして、昨日の事を忘れたくて

あわよくば夢であって欲しい


そんな馬鹿でヘタレな考えをしている自分を目一杯甘やかしながら、俺は瞳を閉じた。



× × ×



ドアをノックする音で目が覚めた。


「ねぇ春也ー? 起きたー? 」


部屋の外から声が聞こえる。夏希の声だ。

だがあえて返事などしない。なぜなら昨日の事を思い出したからだ。


はずい! 顔合わせ辛い! とにかく眠い!

この三つの条件がが揃っているんだ。返事をする理由など見当たらん!


だが、俺の気持ちなど露知らず、夏希はドアを開けて俺の部屋へ入ってきた。


「もう8時なるって!病み上がりだからわざわざ起こしに来たのに何時になったら起きるのよ! 」


それでも、俺は嘘寝を継続させた。


「もう諦めたら? 起きてるの、もうバレてるから。」

そう言われ、俺は布団をはがされてしまった。


思わず薄目を開き、声の方向に目をやる。


「ねぇ春也。私のお母さん、早くから仕事行ってるから私が家事したり忙しいの知ってるでしょ?

……なにか、私に言うことあるよね? 」


そして、俺は小さく答える

「えっと、ごめんなさいで許してくれる? 」


彼女の怒り混じりの冷たい声に逆らう余地はなかった。




ボチボチいきます

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