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風邪

夏休みが明けてから一ヶ月が経ち、少し肌寒さを感じる十月となった。

転校してきた藤宮も、夏希だけでなく永瀬と仲良くなり、三人でいることが多くなっていた。


一方の俺はというと……


「あー、頭いてぇ……」

季節の変わり目の気温の変化に対応できず、風邪を引いて家で寝込んでいた。


昨日から熱っぽいのはわかってたけど、休むほどになるとは…


熱もあるし、咳は出ないが喉が痛い。 怠いので学校にも夏希達にも連絡はしていなかった。

さっきから携帯電話が鳴っているがベッドから起きて取りに行くのも、働かない頭を使うのも面倒臭い。


意識も遠くなってきたので俺は瞼を閉じた――



× × ×



暑い…

ケータイの着信音で目が覚める。

未だに身体が重たいが、先程よりは、なんぼか楽だったので携帯電話を取りに行く。


ケータイを確認すると、時刻は既に午後四時を過ぎていた。

朝に寝てから、もう放課後だ

「まじか…。どんだけ寝てんだよ……」


着信履歴を見てみると、夏希や翔琉から大量に電話がかかってきていた。

そして藤宮から一件、どうしたの? とだけメールが来ていた。


俺は取り敢えず、夏希に電話を掛けてみる。

短いコールでかかった。


『もしもし春也?! あんた今日どうしたの!? 』

電話からの大音量に思わず耳からケータイを離してしまう。


「うるせぇよ…。今頭いてぇから、大声出すな」

ついイラつき気味にそう言ってしまう。電話からは「ごめん」と小さく聞こえた。


『それより声枯れてるけど、風邪でも引いたの? 』

「あぁ、まぁな…。てかお前今どこにいるんだ? 」

もう学校は終わってるだろうしな


すると、

『ん?今家帰る途中。ちーちゃんもいるけど、代わる? 』

夏希はそう言ったが

「…いや、メール来てたから、大丈夫ってだけ伝えといてくれ」

俺はそう言った。


『わかった。それと私だけ今からそっち行くけど、何かいる? 」

特に思い付かなかった俺は「喉が乾いた」とだけ言うと、

「じゃあ、ちゃんと寝て待っててね!」

そう言って夏希は電話を切る。


そして俺は再び、ベッドへ倒れこんだ――










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