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暗黒騎士物語(なろう版)  作者: 根崎タケル
第3章 白銀の魔女
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穏やかで騒がしい日

◆魔王モデス


「すまないな、モーナ」


 そう言うとモーナが頭を下げる。


「いえ、モデス様。これぐらいの事であればなんなりとお命じ下さい」


 どうやらモーナが了承してくれたようなのでほっとする。

 今頃、モーナの護衛だった魔族の女騎士達がディハルト卿の元に向かっているはずだ。

 これでディハルト卿も部下を持つ身となった。

 本当は魔族の男性で構成された暗黒騎士団の中から部下を付けようと思ったのだが、暗黒騎士団は勇者との戦いでほぼ壊滅状態であり、現在再建中である。そのため、ランフェルド卿から数少ない暗黒騎士を取り上げるわけにはいかなかった。

 オークや下級魔族等を部下にする事も考えたが、ディハルト卿の強さを考えれば 足手まといにしかならない。やはり部下を持たせるなら魔族の飛竜乗りが良いだろう。

 そこで無傷であったモーナの配下である女騎士の何名かをディハルト卿の部下にしようと思ったのだ。

 元々、ナルゴルに居る限りモーナが危険な目に会う事はなく、護衛の騎士は多すぎるぐらいだった。

 だから女騎士の何名かを減らしても問題は無いはずである。

 しかし、それにはモーナの許可を取らねばならない。モーナはあまりディハルト卿の事が好きではないようなので渋るかと思ったが、意外とあっさり了承してくれた。その事で安堵する。


「私がモデス様の頼みを聞かないはずがありませんわ」


 モーナが笑う。その笑みは自分の心を蕩かせる。


「ぬふふふ」


 笑いモーナを抱き寄せる。


「いけませんわ、モデス様……。このような所で……」

「ぬふふふ、良いではないか、良いではないか」


 すると扉の外から声がする。


「陛下、陛下。よろしいでしょうか」

「どうした、何事か?」


 そう言うと謁見の間にルーガスが入って来る。


「実は陛下のお耳に入れたい事がございまして」


 ルーガスはそう言って頭を下げる。


「何事だ?ルーガス?」

「実は……。勇者達を監視していたナットが勇者の女の1人に掴まってしまったようなのです」

「何だと!!!」


 ナットはこのモデスの為に良く働いてくれた者だ。それが捕まるとは……。


「それがどうしたのです、ルーガス老。たかがねずみ一匹。陛下に伝える程の事は無いはずですよ?こちらの重要な情報を知ってないのなら捨て置きなさい!!」


 モーナが冷たく言う。一時を邪魔されて機嫌が悪いみたいだ。


「確かにそうですが……」


 ルーガスもまた頷く。ナットはナルゴルでは身分が高いというわけではない。だからモーナもルーガスも見捨てるべきだと思っているのだろう。

 だが、このモデスの為に働いてくれた者を見捨てるような真似はしたくない。

「ルーガス卿。勇者達は今どこにいるのだね?」

「それが……。どうやらミノンの迷宮に入ったようなのでございます。」

「何!?あの迷宮にか!?」


 ルーガスが肯定だと頷く。


「はい、理由はわかりませぬが……」

「それは少々まずいな……。あの迷宮は厄介だぞ」


 ミノンの迷宮の事は知っている。あいつが支配する迷宮は、この魔王である自分でも一度入ったら抜け出すのは困難だ。


「陛下……。迷う事はないと思います。たかがねずみ一匹。見捨てれば良いのです」


 モーナはそう言うが出来れば助けてやりたい。

 だが、オーディスとの約定により動く事は難しい。しかし、このモデス以外に助ける事ができるだろうか?

 そこで考える。そして有る者の存在に行きつく。このモデスに匹敵する力の持ち主である暗黒騎士の存在を。

 ナットを救えるのは彼しかいないだろう。


「やはりあの者に頼むしかないな……」





◆剣の乙女シロネ


 アルゴア王国から聖レナリア共和国に戻って来る。

 これからリジェナ達を迎える準備をしなくてはいけないからだ。

 私としては戻りたくなかったのだが、ある程度はクロキの状況がわかったのだからチユキさんと相談した方が良いとカヤさんに言われたからだ。また、完全に洗脳されていないのなら、必ず取り戻すチャンスはあるはずだとも言っていた。

 とにかく今は機会を窺うべきなのかもしれない。


「カヤ。お兄様達とまだ連絡は取れませんの?」


 キョウカさんがカヤさんに言う。


「それが、お嬢様。レイジ様達とまったく繋がりません。もしかすると向こうで何かあったのかもしれません。」


 カヤさんが困ったように言う。

 チユキさんに相談したいのに、一体何があったのだろう。


「ねえ、カヤさん。確かレイジ君達はアリアディナ共和国にいるんだよね?だったら私達も行こうよ」


 魔法の通信器で連絡が付かないならこちらから行くまでだ。


「そうですわ。リジェナさん達を迎えたら、こちらからアリアディナ共和国に行くべきですわ」


 キョウカさんも賛同してくれる。


「そうですね……。確かに待っていても仕方がなさそうですね」


 私達が相談している時だった。

 ふいに扉が叩かれる。


「何ですか? 入って来なさい」


 カヤさんが言うと入ってきたのはレーナ神殿に仕える神官の女性だ。


「キョウカ様にシロネ様、カヤ様。最高大司祭様がお呼びでございます」


 神官の女性は頭を下げる。


「呼んでる?神官長が?何で?」


 私は神官の女性に聞く。

 最高大司祭と言うのは神官長の事である。

 女神レーナの教団の神官の役職には上から最高大司祭、大司祭、司祭、助祭がある。

 最高大司祭は教団組織の最高位であり、世界に1人しかいない。

 そして、最高大司祭は世界中にあるレーナ神殿にいる神官達を指導する立場にある。そのため神官長と呼ばれる事もある。

 その神官長が私達を呼ぶ。一体何の用だろう?


「わかりません……。ただ私はお呼びするように言われただけですので……」


 神官の女性は困ったように答える。私が憶えている限り彼女は助祭だったはずだ。一番下の役職である彼女にはくわしい用件が聞かされていないのだろう。


「何かしら?」

「さあ?」

「兎に角行ってみましょうか」


 私達は神官の女性に案内される。


「ここは……確か……」


 思わず声が出る。

 案内されたのは、神殿でも限られた人間しか入る事が許されない部屋だ。

 ここでは女神レーナとチユキさんが会う時の部屋だ。


「お連れいたしました」


 神官の女性は頭を下げて扉を開ける。

 私達が中に入ると外から閉められる。


「ようやく戻ってきたようですね」


 そこいたのは意外な人、いや神だった。


「女神レーナ!?」


 そこにいたのは女神レーナだ。彼女は滅多な事ではここには来ない。

 何があったのだろう?


「何かあったのですか、女神レーナ様?」


 カヤさんが頭を下げてレーナに聞く。


「シロネ、キョウカ、カヤ。3人ともよくお聞きなさい。レイジ達の命が危険です」


 私達はその言葉に驚く。


「女神レーナ……。一体何がありましたの?」

「ミノン平野にある邪神の迷宮にレイジ達が捕らわれたのです。事態は一刻を争います」


 キョウカさんの問いに重々しく答えるレーナ。

 レーナの言葉で私達はレイジ君達が危機に陥った事を知ったのだった。






◆アルゴアの王子オミロス


「いつ見てもすごいなありゃ……」


 城壁の上から外の景色を眺めていたマキュシスが呟く。

 マキュシスが見ている先には百腕の巨人が倒された場所がある。

 そこは元々は丘だった場所だ。しかし、今は黒く焼け焦げた大穴がある。

 その大穴は大きく、アルゴア王国がすっぽりと入りそうだ。


「暗黒騎士か……。とんでもない力だな……」


 この大穴は暗黒騎士が百腕の巨人を倒した時にできた穴だ。勇者と呼ばれる者を倒したぐらいだから強いのだろうとは思っていたが、これほどとは思わなかった。

 オーガやゴブリン等が攻めて来たにも関わらず、アルゴア王国に被害は全くなかった。

 全て暗黒騎士が事前に手を打っていたおかげである。ゴブリン達からこの国を守るために呼び出されたスパルトイはいつの間にか姿を消している。

 一体どれだけの力を持っているのだろう?


「ああ、こりゃ勝てなくて当然だ。だから元気出せよ、オミロス」

「どういう意味だ、マキュシス?」

「相手が悪すぎたって事さ。お前ならもっと良い女が見つかるよ」


 マキュシスが笑う。


「あんまり慰めになっていない気がするが……。まあ、元気づけようとしてくれた事は感謝するよ」


 それにあの暗黒騎士なら負けても仕方が無いかと思う。自分ではリジェナを守れなかった。

 暗黒騎士でなければリジェナを守る事はできなかっただろう。

 そんな彼と張り合えるはずがない。

 そして彼からはリジェナを守ろうとする強い意志を感じた。だからリジェナはもう大丈夫だろう。ゴブリンを怖がって閉じこもっていた女の子はもういないのだ。その事に安心する。

 そして、魔法の盾を触る。自分も彼のように強くなりたいと思った。


「オミロース!!」


 人狼に乗ったリエットがこちらに来る。

 人狼はこの国に住むことになった。

 何でも暗黒騎士にこの国を守るように言われたからだそうだ。だからこの人狼はもう人を食べる事はできない。

 この国で療養中のエチゴスを見舞いに行ったりする所を見る限り、案外仲間思いなのかもしれない。

 その人狼はなぜかリエットに懐かれている。


「何の話をしてたの?」


 リエットが尋ねてくる。


「暗黒騎士の話しだよ」

「ああ、吟遊詩人のおじさんね。まさか暗黒騎士だったとは思わなかったよ」

「ははは、確かにそうだね」

「そうそう、捕えた吟遊詩人が暗黒騎士だなんて誰が思うかっつーの。そうだな、いつか勇者を倒した暗黒騎士を捕えた男って名乗ってみっかな?」

「それ誰が信じるんだい、マキュシス?」

「ちぇ、本当の事なのにな」


 マキュシスが悔しそうにする。

 それを見て自分とリエットは笑う。

 そして一時笑った後リエットがこちらを見る。


「ねえ、オミロス。また会えるかな……。吟遊詩人のおじさんもそうだけど、リジェナとかにもさ……」

「そうだね……きっと会えるさ」


 リエットの言葉に空を見上げて言う。

 この空の下で生きている限り、きっと会えるそんな気がした。


 



◆暗黒騎士クロキ


「ふふふーん♪」


 目の前でクーナがお茶を淹れてくれている。

 クーナはとても上機嫌だ、おそらくリジェナ達がいなくなった事が嬉しいのだろう。

 リジェナ達は昨日、聖レナリア共和国へと行ってしまった。

 おかげで魔王城のすぐ近くに建てられた自分の屋敷に住む者は、自分とクーナと最初に付けられた熊のような顔の召使いだけになってしまった。

 ちなみに、この熊のような顔の召使いの正体は人熊ワーベアの少女らしい。らしいと言ったのは人間形態の彼女の姿を見た事がないからだ。しかも、あんまり自分の事が好きではないらしく未だに名前を教えてくれない。

 彼女はクーナと違ってリジェナがいなくなって残念そうだ。リジェナ達を御馳走を見るように涎をたらしていたのを覚えている。よっぽど食べたかったのだろう。

 人熊の彼女の存在を考えると本当にリジェナはナルゴルから出られて良かったと思う。ナルゴルは本来、人が住めるような所ではない。少々さみしいが仕方がない。


「どうだ、クロキ。リジェナに頼らなくてもクーナがいればお茶をいつでも飲む事ができるぞ」


 クーナは自分の前にお茶を置くと、どうだとばかりに仁王立ちになって胸を反らす。するとクーナの大きな胸がぷるんと揺れる。

 クーナが今着ている服は元々リジェナが着ていたメイド服である。

 なぜこんな服を持っているのかと言うと、とあるドワーフにリジェナ達の作業着を作って欲しいと頼んだら、この服を渡されたからだ。

 なんでも勇者の召使い達は全員この服を着ているらしく、まねをして作ったらしい。ちなみ人熊の少女もメイド服を着ている。

 そしてリジェナはメイド服の格好で自分の世話をしてくれていた。そのため、目のやり場にすごく困ってしまった。。

 そしてリジェナが着ても破壊力がすごかったメイド服を今はクーナが着ている。

 クーナの胸はリジェナよりもかなり大きい。そのため、メイド服の胸元がかなり危険な事になっている。何か今にもすごい物が飛び出してきそうで目が離せない。


「どうしたのだ、クロキ? 飲まないのか?」


 クーナが不思議そうに自分を見て言う。

 良かった。クーナの胸に見惚れていた事には気付かれなかったようだ。


「いや、ありがとうクーナ。いただくよ」


 そう言ってお茶の入ったカップを手に取り口に運ぶ。

 お茶はかなり甘いがおいしかった。そして、初めて飲む味だった。


「どうだ、クロキ?」


 クーナが何かを期待するように自分を見る。


「うん、おいしいね。所で初めて飲む味だけど、このお茶どうしたの?」

「ああ、ダティエからもらった」


 クーナの言葉を聞いて思わず吹きそうになるのを堪える。

 ダティエって確かゴブリンの女王のあのダティエだよね。

 実は、ゴズの居場所に心当たりはないかとつい先ほどまでカロン王国にダティエを訪ねたばかりだったりする。

 その時にゴズはダティエがモデスから預かった大切な物を勝手に持ち出した罰でカロンの地下水牢に閉じ込められている事を聞いた。

 つまり、もうリジェナがゴズに襲われる事はなくなったのである。その事をリジェナに話すと彼女は喜んでいた。これで安心して人の世界に戻れるだろう。

 その事は自分も嬉しく思う。ただ気になるのはダティエと話しをしている時、彼女の視線がやたらと自分の股間に向いているのが気になった。

 舐めまわすように股間を見られるのは正直気持ち悪かった。

 ダティエには悪いが、出来ればもう会いたくない。

 そのダティエがなぜクーナにお茶を贈るのだろう?2人は仲が悪そうだったのに。


「おいしいか、クロキ?」


 クーナがにこにこしながら聞いて来る。

 せっかくクーナが淹れてくれたお茶だ。味は悪くないのだからいただこう。

 お茶を飲み干す。


「おいしいよ、クーナ」


 自分は笑って答える。


「そうか、じゃんじゃん飲んでくれ。クロキは耐性が強そうだからたっぷりと入れておいたんだ。クロキは何だかクーナに遠慮しているみたいだからな。クーナになら全てを曝け出して良いのだぞ」


 クーナはお茶を再び淹れる。

 耐性?何の事だろう?でも何か悪い予感がする。

 オーガの事もあるが、クーナが暴走しないように手を打ったほうが良いだろう。


「ああ、そうだ。クーナにプレゼントがあるんだ」


 そういって懐から箱を取り出す。

「それは……?」


 箱の中に入っているのは指輪だ。その指輪を取り出すとクーナの左手の薬指に填める。


「この指輪はね、ペアになっていてそれぞれ付けている2人の位置がわかる魔法と互いのいる所に転移する事ができる魔法が込められているんだ」


 自分の左手の薬指をみせる。自分の指にも指輪が填められている。


「これでクーナとずっと一緒だよ」


 そう言うとクーナの瞳が潤む。


「クロキ!!」


 クーナが自分に抱き着く。


「クロキ! クロキ! だ~い好きクロキ!!」

「はは、喜んでくれて嬉しいよ」


 クーナの背中を撫でながら少しだけ罪悪感を覚える。

 これでクーナが何をして、何処にいるのかがわかる。指輪の本当の理由はクーナが暴走しないための手綱である。

 だけど、それはさすがに言えない。

 それにしてもクーナから良い匂いがする。

 こんこん。

 クーナと抱き合っていると扉が叩かれる。誰か来たみたいだ。


「誰だ!!」


 クーナが自分から離れて怒鳴る。邪魔されて少し不機嫌みたいだ。


「失礼します、旦那様」


 扉を開いて入って来たのは意外な人物だった。


「リジェナ?! どうしてお前がここにいる!?」


 クーナの言うとおりだ。

 シロネ達からもらった転移魔法の石でリジェナの一族達はつい先ほど聖レナリア共和国に行ったはずだ。


「そうなのですが……実は旦那様に最後にお願いしたい事がありまして 私1人残りました」


 リジェナが頭を下げる。


「なんだ、リジェナ。クロキに何をお願いするつもりだ?」


 クーナが不機嫌そうに言う。


「はい、最後に旦那様にお情けをいただきたく思いまして」

「えっ?」

「!!」


 リジェナの瞳が真っ直ぐ自分を捕える。


「お情けって……? ちょっと待った、クーナ! 大鎌をしまって!!」


 無言で大鎌を呼び寄せたクーナを止める。


「リジェナ! お前のような貧相な体なんかいるものか! クーナで間に合っている!!」

「えっ……ですが旦那様は時々私のお尻を見ていたような……」


 リジェナの言葉でお茶を吹きそうなる。

 バレてたんですか……。ごめんなさい、掃除中屈んだ時にお尻を見てました……。


「ダメだ! ダメだ! クロキにはクーナがいれば良い! さっきもクーナの胸を舐めまわすように見ていた! リジェナなんか必要ない!!」


 その言葉に思わず椅子からずり落ちそうになる。

 気付いてたのか……。ごめんなさい、ずっと見てました。


「閣下! 閣下はいらっしゃいますか?!!」


 今度は複数の足音がこの部屋の方へと向かってくるのが聞こえる。

 来たのは完全武装した魔族の女騎士達だ。彼女達はリジェナを押しのけるように部屋に入ってくる。


「魔王陛下の命により閣下の配下となりました。以後よろしくお願いします」


 魔族の女性達が自分に頭を下げる。

 そう言えばモデスが自分に部下を付けてくれるって言ってたっけ?

 ただ、こんな魔族の女性が来るとは思わなかった。

 魔族には大きく分けて2種族ある。人間離れした姿の下級魔族と、角が生えている以外は人間とほぼ変わらない容姿の上級魔族。

 そして上級の魔族は、美しい天使族に負けないぐらいの美形揃いである。

 彼女達はランフェルドと同じく上級魔族のようだ。皆、かなりの美女である。


「なんでこうなるんだー!!!」


 クーナが頭を抱える。自分の周りに女性が増えるのが嫌みたいだ。

 まさか自分も部下として女騎士達が来るとは思わなかった。本来なら魔族の女騎士は皆モーナの配下のはずである。

 彼女達がここに来たと言う事は、モーナが自分の部下になる事を承諾したと言う事だ。

 彼女は自分を嫌っているみたいだったから意外である。

 目の前でクーナが頭を抱えている。

 何となく騒がしい日々が始まりそうだ。

 自分は窓の外のナルゴルの空を見ながらお茶を口に運ぶ。

 それにしても何だか体が熱い。

 女性が多くなった部屋で良い匂いが充満する。そしてだんだん意識が遠のいていった。


やっと第3部終わりました。第4部はレイジ達が中心の話しになります。

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