激おこ女神の降臨
告知ですノベルバでも投稿を開始しました!!
ぜひ見てもらえると嬉しいです!!
そして、なろう版の全消しですがノベルバに残そうかなとも考えています。
なろうでも少しは残したいですけど、この辺りの判断に迷います。
◆エルフの姫ルウシエン
知恵と勝利の女神レーナ様は天界でもっとも美しい御方だ。
光り輝く髪に、深い青色に星が見える瞳。
神妃フェリア様や愛と美の女神イシュティア様も美しいが、瑞々しさという点ではレーナが上のように感じる。
初めてお会いしたのは何百年前になるだろうか?
上エルフは天上の御方に仕えるためにエリオスに昇る者がいる。
姫である私も天上の御方に仕えるためにエリオスへと昇った。
一つ一つの雲が虹の橋で結ばれて、その上に広がる空中庭園には輝く白磁の宮が立ち並ぶ。
アルセイディアも美しいが天上の楽園はそれを超えていた。
そこで、私はレーナ様に仕える事になった。
凛として美しく、数多の戦乙女の方々に従えるレーナ様は正に天上の美姫と呼ばれるにふさわしい。
天界の殿方達だけでなく、天上にいる若い女神や女性天使達もレーナ様に憧れる。
それは私も同じである。
お側にお仕えしている時はその一挙一動に目を奪われた。
アルセイディアに戻った後も、レーナ様を時々思い出していた。
そして、そのレーナ様が私の後ろに立っている。
「久しぶりねルウシエン」
レーナ様がゴミを見るような目で私を見ている。
ええと?
何でここにレーナ様が?
訳が分からず、混乱する。
だけど、ここにいる事以上に訳が分からない事がある。
なぜかレーナ様が怒っているみたいなのだ。
美しい眉の左右が吊り上がり、青い瞳は冷たく、見られているだけで凍りそうだった。
なぜそんな目で私を見るのだろう?
私が何をしたのだろう?
憧れていた方が、私をゴミのような目で見る。
その事に私の心は張り裂けそうだった。
「ああ、ああ」
私が泣きそうになった時だった、後ろから泣き声がする。
コウキが泣いているのだ。
私は振り返る。
コウキは目に涙をいっぱい浮かべてレーナ様を見ている。
「か、母様!!」
コウキは叫ぶとレーナ様の元に一直線に向かう。
レーナ様は身を屈めコウキを受け止める。
コウキはレーナ様の胸にしがみつき泣きじゃくる。
「母様! 母様あ!」
「もう、コウキったら、強い子は泣いてはいけません。それに、母はいつでも貴方を見守っているのです。ですから寂しくないはずですよ」
レーナ様がそう言うとコウキは離れる。
「は、はい。御免なさい母様……。もう泣きません。絶対に強い子になります。父様のような強い騎士になります」
「ふふ、良い子ねコウキ。貴方なら、きっと立派な騎士になれるわ」
コウキの頬に手を当てるとレーナ様は優しそうに微笑む。
何だろう。私は蚊帳の外だ。
それに気になる事を言っている。
「あ、あのレーナ様。その~、コウキの事を知っているのですか? それに母様って……」
気になった事を聞く。
レーナ様はコウキの事を知っていた。
それに母様とはどういう事だろう?
まさか、コウキはレーナ様の子?
私はコウキを見る。そういえばどことなくレーナ様に似ている。
しかし、いつの間に?
相手は誰?
まさか勇者!?
それが一番可能性が高い。レーナ様に言い寄る殿方が多いけど、噂になったのは彼だけだ。
しかし、まさか子どもまで生んでいたなんて……。
だから、コウキをあの国に預けていたのか。
驚愕の事実に愕然とする。
「さて、コウキ。ちょっと眠っていてね。このドぐされエルフに仕置きをしなくてはいけないから」
レーナ様がそう言うとコウキの体が突然力が抜けたように倒れそうになる。
それをレーナ様は優しく受け止めると長椅子に寝かせる。
レーナ様が冷たい目でこちらを見る。私は身の危険を感じ後ろに下がる。
「ルウシエン。貴方はコウキを拐かし、私の秘密を知ってしまったわけだけど……。さて、どうしてくれましようか?」
「ひいいい」
レーナ様が近付く。
怖い! 怖い! 怖い! 怖い! 怖い! 怖い! 怖い! 怖い! 怖い!
ヤバい!
殺される!
確かにこの話が本当なら天上にいる殿方達が騒ぎ出すだろう。
そして、勇者達と争いになるに違いない。
秘密にしておきたいのもわかる。
「言いません! 言いません! レーナ様が勇者との間に……、あれ?」
そこまで言いかけた時だった、おかしな事に気付く。
コウキは父はナルゴルにいると言っていた。
だとするとコウキの父親は勇者でない事になる。
「何でそこでレイジが出てくるのかしら? 彼がコウキの父親のはずないでしょう」
「え、それじゃあ……」
やはり違うみたいだ。
という事はコウキの父親は誰なのだろう?
「ええ、教えてあげるわ。もっとも、その事を誰にも言えないでしょうけどね」
レーナ様の右手が光る。
その手から強大な魔力を感じる。
レーナ様はエリオスの女神様の中でも上位の魔力を誇る。
私程度では抵抗する事ができない。
「ひいいいいい!」
私は豚のように悲鳴を上げるしかなかった。
◆黒髪の賢者チユキ
エルフの都アルセイディアの中心にある琥珀の宮はエルフの女王が住む場所だ。
来客用の館はドワーフ達に最上の部屋を使われたので、私達は琥珀の宮の一室をあてがわれた。
夜になり、そこで私達はもてなしを受ける。
窓の外を見ると星明り中、巨大な黄金の樹が輝きアルセイディアを照らす。
街の中も夜光花が輝き、幻想的な雰囲気を醸し出す。
アルセイディアが夢幻の都と呼ばれるのも夜景の美しさによるものだ。
目の前では多くの美童達が歌い踊っている。
面食いのエルフ達が集めただけあって、全員顔が整っている。
将来はかなりのイケメンになるだろう。
「偉大なる黄金樹の麓にて、
小妖精達は喜び踊る。
美しき乙女達の甘い歌声が奏でられ、
花が綺麗に咲き誇る。
そこは夢幻の都アルセイディア。
麗しき女王が守る地に、
天上の神々の祝福あれ」
私は少年達のボーイソプラノを聞く。
彼らの衣装は白く丈の短い。
しかも、下に何も履いていないらしく、可愛らしいものがぴょこぴょこ見えている。
前の私なら赤面してまともに見る事ができなかっただろう。
しかし、ブルルルンを見た後ではあの程度では動じない。
むしろ、おい少年! もっと足を上げたまえ! と口笛を吹きたいぐらいだ。
私も成長したなあとしみじみと感じる。
「なんか……、おっさんぽくなったすねチユキさん」
私の様子を見ていたナオが失礼な事を言う。
「ちょ、ちょっと!? どういう意味よナオさん?」
「いや何でもないっすよチユキさん。それにしても中々珍しい食事っすね」
「何だか話をごまかされた気がするけど、深く聞きたくないから良いわ……。確かにそうねナオさん、エルフの国なだけあって珍しい物が並んでいるわね」
ナオの言う通り私達の目の前にはエルフの食事が並んでいる。
それは珍しい物ばかりだった。
私はパンの樹から取れたパンの実を取る。
パンノキという植物は私達がいた世界にもあるが、それとは全く違う植物だ。
何故なら文字通りパンが樹に出来るからだ。
形も丸パンで、味もパンそのものだ。
次にバロメッツの羊の焼肉である。
バロメッツの羊は草木から生まれる羊だ。羊毛は衣服の素材になり、肉は食用になる。
その肉を食べると、味は少し蟹に似ているが美味しかった。
このアルセイディアは農業が盛んであり、珍しい食べ物がいっぱいあるのだ。
私は黄金樹から取れた果実から作られたお酒を飲む。
この黄金酒は神々でも飲む事が難しいらしいが特別に私達に振る舞われた。
かなりのもてなしと言えるだろう。
他にも私達はお土産を貰った。
例えば小妖精の絹等である。
小妖精の幼体は芋虫のような醜い外見だが、美しい糸を吐き出す事で知られている。
その糸から作られたのが小妖精の絹であり、この世界で最高級の布地だ。
布地は淡く光り、手触りが良い。
これで服を作ったら素敵なものが出来るだろう。
この絹を貰った時のリノの喜びようを思い出す。
私はリノの方を見る。
リノは何か納得いかない顔で横を見ている。
「うう、何か納得いかないのだけど……」
リノが横を見て言う。
そこには白銀の髪の美少女がいる。
もちろん白銀の魔女クーナである。
何故か彼女も私達と同じようにもてなしを受けている。
何でもニーアがそうするようにエルフの女王に言ったそうだ。
そのため彼女もここにいる。
ただ、彼女がここにいるだけなら、リノも文句を言わない。
彼女の周りにいる美少年達が問題なのだ。
私達をもてなすために20名の美少年が給仕している。
その半数が白銀の魔女をもてなし、半数が私達の側にいる。
リノはその人数差が納得できないのだ。
別にニーアやエルフの女王がそうするように言ったわけではない。
何故かそうなった。
もちろん先程のように精神魔法を使っているわけではない。
彼らはまるで綺麗な花に群がる蝶のように彼女に引き付けられたようだ。
また、半数は仕方なく私達の相手をしているように見える。
普段多くの男性から崇められているリノとしては面白くないのだろう。
その白銀の魔女はさも当然のように美少年達を側に侍らせている。
「クロキも普段あんな風に扱われていたりして」
シロネも何だか複雑な気持ちで彼女を見ている。
まあ、それも当然だろう。
幼馴染が彼女に対してお姫様を扱うみたいにしていたら面白くないに違いない。
その幼馴染の彼はここにはいない。
何をしているのか聞きたいが、彼女はそれだけは絶対に答えなかった。
シロネとしてはヤキモキした気持ちになっても仕方がない。
「リノさん。シロネさん。今回は彼女は私達の味方をしてくれるらしいから、争いはやめるべきだわ」
私は溜息を吐く。
彼女は今回は味方らしい。
ニーアの話で改めて確認したけど、エリオスの神々の敵は魔王だけではない。
魔王は全ての魔物を支配下においていないのは間違いないようだ。
そして、今回はエリオスの神々と魔王の共通の敵が攻めてきている。
敵の狙いはこの森に封印されている凶獣フェリオン。
魔王側もフェリオンが復活するのはまずいらしく、彼女は隠れて様子を見に来た。
要約するとそういう事だ。
白銀の魔女を見る。
小食でお酒もあまり飲まないみたいだ。
あの細い腰では多く食べられないのもわかる。
それにしてもあの腰は細さで、あの胸の大きさは反則だ。
まるでレーナみたいなプロポーションである。
少年達が引き寄せられるのもわかる。
少年達は彼女の気を引こうと必死だ。
もっとも、当の本人はつまらなそうにしている。
彼女からもっと詳しい話を聞きたいが答えてくれなさそうである。
魔王の事をもっと調べる方法はないか私は考えを巡らせるのだった。
前回からクロキが登場していないので、次回はクロキが出てきます。
そして前書きでも書きましたがノベルバでも投稿開始です。ぜひ来てください!
そのために、なんとipadを買ったのです! スマホを持っていないのにいきなりですよ!
しかも、アップルペンシル対応です! 液タブとしても使えます!
これでお絵かきが捗るはずなのですよ (*゜∀゜*)ムッハー.