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暗黒騎士物語(なろう版)  作者: 根崎タケル
第6章 魔界の姫君
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神々の空騒ぎ

◆黒髪の賢者チユキ


 キンキラキンの豪華な空船が目と鼻の先を飛んでいる。

 その船首には半裸な爆乳女神。

 女神は体中に宝石が散りばめられた装飾品を身に付けているため、とても眩しい。

 何とも目に優しくない女神様だ。


「みんなの美の女神イシュティアちゃんが来てあげたわよ―――!!!!!」


 女神が邪神達に手を振る。

 すると巨大な胸がブルンブルンと揺れる。

 何とも目の毒な女神様だ。

 こんちくしょう!!私よりもはるかにでかい!!

 その女神が胸を揺らすたびに邪神達が歓声を上げる。

 お前らさっきまでレーナを巡って争っていただろうが……。


「チユキさん。何だかすごいのが来たよ」


 リノがあっけにとられた表情で私に言う。

 その手が自身の胸に添えられている。

 大丈夫。まだ、育つ可能性があるよと言ってあげたい。

 それにしても、あの女神の名には聞き覚えがある。


「そうね。リノさん。でも、確かイシュティアって名乗っていたわね……」


 愛と美の女神イシュティア。

 確かレーナと同じエリオスの神々の一柱のはずだ。

 なぜ、急にここに現れたのだろう?

 しかし、彼女が現れた事で戦いが中断した。

 おかげで一息つける。

 レイジは邪神達から離れ、シロネとナオも私の所に戻って来る。


「ほう? イシュティアかい? お前が来るとはね。見学に来たのかい?」

「ええ。そうよヘルカート。久しぶりね。こんな面白そうな事をするなら誘って欲しかったわ」


 イシュティアが邪神達を眺めながら言う。


「イシュティア様! 面白がらないで下さい!!」


 イシュティアの乗った船から抗議する声が聞こえる。

 抗議したのはいかにも魔術師といった格好の者だ。

 恰好の者と表現せざるを得なかったのは魔術師の姿をした者の性別がわからなかったからだ。

 魔術師は老人の模した仮面を身に付け、大きなつばの広い三角錐の帽子を被っている。

 つまり、顔が全くわからない。

 声も仮面の為か性別がわかりにくい。ただ、仮面と違って若者のような気がする。

 イシュティアの船に乗っている所を見るとエリオスの関係者だろうか?

 仮面を被った魔術師は女神と魔女に抗議をしている。


「ほう。ルーガスの弟子かい? お前さんも来るとはね。さすがに兄が心配かい?」

「はい。お久しぶりです。ヘルカート師。申し訳ございませんが兄を連れ帰させてもらいます。兄に何かあると後が面倒なので……」

「ちょっと待て妹よ! どういう意味だそれは!!」


 黒獅子が叫ぶ。

 妹って。この仮面の魔術師は女性なのか?


「まあ構わないよ。もとより遊びのようなものだからねゲロゲロ。だけど、お前の兄は戦いをやめるつもりはないようだねえ」


 魔女ヘルカートが不気味に笑う。

 それにしても前々から思っていたのだけど、この世界の邪神のほとんどは魔王の配下になっていないみたいだ。

 人間の伝承では魔王が全てを統率しているような感じだった。実質は違うのだろうか?

 それにエリオス側の魔術師が邪神を兄と呼ぶ。

 何か頭がごちゃごちゃしてきそうだ。


「そうだ! こんなポッと出の奴にレーナが奪われてたまるか! 邪魔をするな!!」


 黒獅子がそう言うと邪神達がそうだそうだと大声を上げる。

 それを聞いた仮面の魔術師が頭を抱える。


「ふふ、面白くなってきたじゃない。男がギラギラした目で女を巡って争うのって、見ていてゾクゾクするわ」


 仮面の魔術師とは違ってイシュティアは楽しそうだ。

 そして、その目がレイジの所で止まる。

 その目はネコ科の肉食獣のようだ。


「貴方がレーナちゃんの勇者で良いのかしら?」


 イシュティアが言うとレイジが頷く。


「ああ、そうだぜ。俺がレーナの勇者だ」

「あら、やっぱりそうなのね。噂通りの美男子ね。そして、強い。これだけの男達が束になっても敵わないのですもの。レーナちゃんが夢中になるわけね」

「ぐぬぬぬぬ!!!!」


 邪神達の悔しがる声が聞こえる。

 確かに仲間割れをしていたとしても、これだけの数を相手にレイジは優勢に戦っていた。それだけ、レイジの強さが伺いしれる。


「ふふ。素敵だわ貴方。戦いが終わったら。私とお話ししない?何だったら寝所を共にしても良いわよ」

「はは。そいつは魅力的な提案だな」


 イシュティアが笑いかけるとレイジが笑って返す。

 待てレイジ。何お前は乗り気になっているんだ?


「母上! どういう事ですか?! 貴方には父上がいるではないですか?」


 レイジに最初に倒された神がイシュティアの側に来る。

 母上って?親子やったんかい!!


「あらハルちゃん? 貴方も来ていたの? そういえば前にレーナちゃんの映像を見た時に詳細を私に尋ねてたわね~。小さい頃は私にべったりだったのにお母さん哀しいわ~」


 イシュティアが笑う。


「母上!!」

「まあ、でも気持ちもわかるわ。このままだとレーナちゃんが取られちゃうものね~。だからみんなで恋敵を潰す。私はそういうの嫌いじゃないわ。もっともうまくいっていないみたいだけどね」


 イシュティアはレイジを見て妖艶に微笑む。


「お待ちなさい!! イシュティア!! 他の者はともかく!! この私がこの男に劣るとは聞き捨てなりませんね!! 良いでしょう!! 他の者達が敗れた後でゆっくりと相手にしてあげる予定でしたが!! ここで私がこの男を倒して差し上げましょう!!」


 猛烈に抗議をしたのはシロネ達の相手をしていたギルタルだ。

 そういえば彼だけは正面からレイジと戦っていなかったような気がする。

 しかし、それは彼が弱くて、レイジが疲れるのを待っているような卑怯者だからではない。

 彼はシロネとナオと戦っても余裕だった。

 2人はギルタルから離れて私の所に戻って来ている。

 シロネと人に戻ったナオの顔が物語っている。

 ギルタルはシロネとナオを相手に手加減をして戦っていた。

 相当な実力者なのは間違いない。


「待て! 俺はまだ負けていない! 引っ込めギルタル! 俺が勇者の相手をする」


 しかし、黒獅子がレイジに剣を向けて叫ぶ。


「待って兄さん! もうやめて! 馬鹿な事はやめてエリオスに帰りましょう! お母さんが心配します!!」

「悪いがやめる事はできん! これは譲れない戦い……ぐっ!!」


 黒獅子が突然苦しみだす。


「油断しすぎですよトールズ。貴方と私は本来敵同志。私の毒で苦しみながら退場しなさい」


 それは一瞬だったギルタルの毒の尾が鞭のようにしなると黒獅子を刺したのである。


「貴様……。ギルタル……」


 黒獅子がギルタルを見て呟くとそのまま飛ぶ力を無くして落ちて行く。


「兄さん!!」


 落ちて行く。黒獅子を仮面の魔術師が船から飛び降り慌てて追う。


「さあ、貴方達も消えなさい。邪魔です。有象無象は引っ込んでいなさい」

「何!! どういう意味だギルタル!!」

「なんだと!! この野郎!!」

「手前!! ギルタル!!」

「ちょっと強いからって良い気になりやがって!!」


 ギルタルがハルセスを含む邪神を邪魔者扱いすると当然他の邪神が怒り出す。

 まあ、これはレイジとって有利な展開だから良いのだけど収拾がつかない。



「そこまでよ!!!やめなさい!!!」



 しかし、突然声がかけられる。

 振り向くとそこにはレーナの空船がすぐ近くまで来ていた。

 レーナは船縁に怒った表情で立っている。


「おおレーナちゃんだ―――!!!」

「おおレーナ!! 美しい天上の美姫よ!! このハルセスが元へ来てくれ!!」

「レーナちゃん!! レーナちゃん!!」

「レーナたんハァハァ!!」

「おお! これはこれは我が愛しき姫!! 私の勇姿を見に来てくれたのですね!!」

「レーナちゃん!! 待ってて今レーナちゃんを騙した悪い男を退治してあげるからね!!」


 邪神達が騒ぎ出す。

 イシュティアが来た時よりも騒ぎになっている。

 しかし、レーナはそんな邪神達を見てため息を吐く。

 心底嫌そうだ。気持ちはわかる。


「あら? レーナちゃん今到着?遅かったわね~」

「それはこちらの台詞です! イシュティア様! トトナは何をしているのです!!」


 レーナが周囲を見る。


「それはこちらの台詞よ! レーナ! 貴方の方こそ何をしてたの?! それにアルフォスも来ているのじゃなかったの?! 兄さんが大変な事になっちゃったじゃないですか!!」


 見ると仮面の魔術師が黒獅子を引き上げている所だ。

 魔術師はレーナの船に乗り込む。

 両者の険悪な雰囲気。

 どうも仲が悪いみたいだ。

 それにトトナと言ったら知識の女神の名前がそんな名だったような気がする。


「アルフォスは馬鹿をして大けがをしたのでエリオスに帰還中です! こちらも事情があるのです!!」

「えっ?!!!!」


 レーナがそう言うと私達を除く者達から驚きの声が上がる。


「ちょっとレーナちゃん!! アルが大けがをしたってどういうことなの?!!」


 イシュティアがレーナに聞く。


「イシュティア様! アルフォス様はここに来ようとした暗黒騎士との戦いに敗れ、大けがを負ったのです! 我々も撤退すべきです!! あの怖ろしい暗黒騎士が来ます!!」


 レーナの代わりに答えたのはニーアだ。

 そして今度は私達を含む全員が驚く。

 暗黒騎士と聞いて思いつく人物は1人だけだ。シロネの幼馴染のクロキに違いない。


「ちょっとそれどういう事?! 暗黒騎士ってクロキの事でしょ!! どういう事なの?!!!」


 シロネがニーアの所に行く。


「あの男はとんでもなく怖ろしい男です!! シロネ!! あのアルフォス様に勝ったのですよ!! 先程は見逃してもらいましたが!! そう何度も見逃してもらえるとは思えません!! 撤退すべきです!!」


 ニーアが力説するが、そもそもアルフォスを打倒す事がすごい事だとは思えない。

 そもそも彼は強そうには見えなかった。

 しかし、私達以外はそうでもないようだ。


「うそ……。あのアルフォスが負けるなんて……」


 トトナが首を振って信じられないと言う。

 それは他の邪神も同じである。


「驚きです……。私の最大の好敵手が負けるとは……」


 ギルタルが驚く。


「まさか俺の次に美男子のあいつが破れるとは」


 ブタとイボガエルを合わせて2で割ったような邪神がすごく図々しい事を言う。


「おいおい……。儂の次に良い男のあやつが敗れるとは……。何という……」

「ああ。全く信じられねえ。我が終生の好敵手が敗れるとはな。容姿では互角、そして強さでは奴は我を超えていた。それが負けるとは。信じられん」

「ちょっとポクチンおそろしいですぅ……」


 邪神達が口々に言い合う。

 顔では間違いなくアルフォスの方が100倍良い。と言うよりもお前らキモイ。

 すごくつっこみを入れたいけど我慢する。

 しかし、どうも私達が知らないだけでアルフォスはこいつ等よりも強いみたいだ。

 全員が信じられないという顔をしている。


「チユキ撤退だ!! こいつらに加えてあいつの相手をするのは分が悪い!!」


 レイジが後ろに下がる。

 まあ、レイジも暗黒騎士の彼には敵わない。撤退もやむを得ないだろう。


「逃げるのですか? 勇者よ?!!」


 逃げようとするレイジをギルタルが引き留める。


「暗黒騎士が来る! 今はお前の相手をしている暇は無い! 勝負は今度会った時にしてやる!!」

 レイジは叫ぶ。


「アルフォスを破った暗黒騎士ですか……。確かにあまり会いたい相手では無いですね。良いでしょう、勝負は次の機会までお預けです!!」


 ギルタルが反対方向へと飛び、この場から離れていく。

 すると何名かの邪神も後を追う。

 残った邪神も自分達だけでは分が悪いと思ったのかこの場から離れる。

 当然全員が捨て台詞を吐いている。

 しかし、アルフォスを負かした者が来るというだけで、この反応。

 ちょっとびっくりだ。


「くそっ! 勇者よ!! これで勝ったと思うな!!」


 最後にハルセスが消えて、この場には私達だけが残る。


「ちょっと待ってよレイジ君!!クロキ相手に逃げる必要はないよ!!」


 私達も撤退しようとすると、当然シロネがレイジを止めようとする。


「シロネよ。あの男は怖ろしい男だ。まさかあれ程とは思わなかった……。早く逃げるべきだろう」


 ニーアが震える体を押さえる。

 彼女は何を見たのだろう。



「がお―――――!!!!!!!!」



 突然可愛らしい獣の鳴き声が聞こえる。


「しまった奴らが来たぞ!!!!」


 ニーアの叫び声に私達は声がした方を見る。

 そして私達は見てしまう。でっかいテディベアが木々を掻き分けてこちらに来るのを。

 テディベアは10メートルぐらいの大きさで森の上に顔を出して進んで来ている。

 熊のようにも見えるが、どうみてもテディベアだ。


「何あれ!! すごい可愛い!!!!!」


 リノが大喜びではしゃいでいる。

 テディベアは樹が邪魔で中々進めないみたいだ。

 なかなかこちらに来ない。


「がお――――!!!」


 大きなテディベアが咆哮する。迫力が全くない。


「すごい可愛いのが向かって来てるっスね……」


 人の姿に戻ったナオが呟く。


「本当に何あれ……。すごく可愛いのだけど」


 テディベアの足は遅くゆっくりとこちら来ている。

 その進む様子はとても可愛い。


「ねえ!! チユキさん!! しかもくまさん頭にピンクのブタさんが乗っているよ!! すごく可愛い!!!」


 リノの言う通りだ。

 テディベアの頭にはハンマーを持ったピンクのブタが仁王立ちをしている。何てファンシーな!!!

 一体何が始まろうとしているだろう?


「待てリノ!! 奴らが後ろから来ている!!」


 レイジが指差すとテディベアの後ろには暗黒騎士を乗せた黒い竜が一緒に飛んでいるのが見える。

 その周りには飛竜に乗った悪魔達。

 間違いなくシロネの幼馴染達だろう。


「レイジ、良いですね。撤退しますよ」


 レーナが言うとレイジが頷く。


「わかったレーナ。撤退しよう」


 レイジがちゃっかりとレーナの船に乗り込む。

 慌てて私達もレーナの船に乗り込む。


「ちょっと待ってレイジ君。クロキから逃げる必要は無いよ」

「そうだよ!! 折角可愛いくまさんが来てるのに!! 会ってみようよ!!」


 シロネとリノがレイジに反対する。

 まあ私もテディベアを間近で見てみたいような気がする。


「そうよ!! レーナちゃん!! アルフォスを破った暗黒騎士!! 私も興味があるわ!!」


 なぜかイシュティアも船に乗り込む。

 本当に何で貴方まで来ているのだろう。


「ふふ。アルフォスを破った暗黒騎士。どんな男なのかしら」

 イシュティアが舌で唇を舐める。

 それを見たシロネの顔が変わる。


「よし! 急いで戻ろう! 撤退だよ!!」

「えっ? シロネさん? 急にどうしたの?」


 リノが急に変わったシロネを見て驚く。


「わかっています!! シロネ!! ニーア!! 急いで船を動かして! 移動します!! トトナ! 反対側を押さえて!!」

「わかったレーナ……」

「ちょっとレーナちゃん?! 何をするの?! それにトトナちゃんまで何で私を押さえるの?!!」


 レーナとトトナがイシュティアの肩をがしっと掴み動かないようにする。

 すごく息の合った行動だ。仲が悪いのじゃなかったの?

 レーナの空船とイシュティアの空船が巨大テディベアとは反対方向へ移動を開始する。

 こうして私達は撤退するのだった。





◆暗黒騎士クロキ


 滅茶苦茶遅れたが御菓子の城へとたどり着く。

 レイジ達は自分達が来た事で撤退したみたいだ。

 おかげで戦いにならずにすんだ。

 そして全員が無事のようだ。

 ダティエが嬉しそうな顔をしている。


「オババ様!!大丈夫ですか!!」


 ポレンがヘルカートの所へと駆け寄る。

「ああ大丈夫だよゲロゲロ。まさか、あの泣き虫がこのババを助けにくるとはね。ちょっと遊びをするつもりだったのだがね。こんな嬉しい結果になるとは思わなかったよ」


 ヘルカートがポレンの頭を撫でる。

 その顔はとても嬉しそうだ。

 何だかんだ言ってポレンを心配していたらしい。

 その心配が無くなってホッとしたのだろう。


「お前さんにも礼を言うよ。さすが最強の暗黒騎士だ。まさか、この泣き虫をこんなに成長させてくれたのだからね」

「いえ、ヘルカート殿。自分は特に何もしていません。殿下が自らの意志で頑張ったのです」


 自分はそう答える。

 実は特に何かしたという気は無い。

 そもそもポレン自身が動かなければ、自分が何をしようとしても無駄だっただろう。


「閣下――――! 私を助けるために来て下さったのですね――――!!!!」


 ダティエが巨体を揺らしながら迫って来る。

 自分はさっとクーナの後ろに隠れる。

 情けないと思われるかもしれないが、こうするしかない。

 ダティエはクーナの前で止まる。


「ダティエ……。クロキを困らせるな」

「はい……」


 クーナが言うとダティエがショボーンとした顔をする。

 ちょっと悪い事をしたかなと思う。


「はは、無事で良かったよダティエ殿。でもお礼は殿下に言って欲しい。殿下は貴方を心配していたのでね」


 そう言ってポレンを見る。

 ダティエがポレンの方へと向かう。


「ありがとうございます。殿下。件の品。エリオス美男子裸体咲き乱れ画集は必ず届け……むぐぐ!!」

「わー! わー!」


 ダティエがポレンにお礼を言おうとするとポレンが遮る。

 一体何を言おうとしたのだろう?

 ダティエがポレンの口を慌てて塞いだので聞こえなかった。


「殿下? どうしたのさ~?」


 頭上から声がする。

 大熊に変身したプチナだ。

 変身した姿を見るのは初めてだけど、どう見てもぬいぐるみだ。

 まさかこんなに可愛く変身するとは思わなかった。

 もふもふしたくなるのを我慢する。


「まったく、この子はこういう所は変わらないねえ」


 ダティエの口を塞ぐポレンを見て、ヘルカートがやれやれと首を振る。


「本当に何をやっているのだ。あいつらは」


 クーナも呆れ顔だ。


「閣下。ヘルカート様も無事でした。そろそろ帰還しましょう。陛下が心配しております」

「ああ、わかったよグゥノ卿。君達も来てくれてありがとう。助かったよ」

「いえ、我々はこれが任務ですので」


 グゥノが嬉しそうな顔をする。

 御菓子の城の前は相変わらず騒がしい。

 でもまあ、これで目的は果たしたナルゴルへ戻ろう。

 ポレンを戻さなくてはならない。

 きっとモデスが心配をしている。

 自分はそう思いナルゴルの方を見るのだった。


メインのアルフォス戦が終わったので、最後はぐだぐだになってしまいました。

かなり最初の予定を変更したので、力技で辻褄を合わせた所もありますm(_ _;)m


取りあえず。イシュティアとレイジの引き合わせに成功。次章も彼女は登場させる予定。


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