第3話 『Begining』
少年は目を見開くと真っ暗な世界に立っていた。
目の前にはA4版位の大きさのディスプレイが存在していた。
『最初にユーザー登録を行いますので、まずはユーザーネームを入力してください』
と有ったので【神宮児アテナ】と入力。
すると、今度は『生年月日と年齢、性別を入力してください』と出てきたので【19XX年○月△日・男性】と続けざまに入力しEnterキーをタップした。
すると『ユーザー登録が完了しました。それではプレイヤーネームを入力してください』とやっと出てきたので、【ミネルヴァ】と入力。
それが終わると機体選択に入る。
数多くのスーパーロボット系を生み出してきた『ゼウム・コーポレーション』と『NEXT技工』『スカイフェニックス社』『ザストゥン社』の四社とリアルロボット系が売りの『ロード・インダストリー』『ジオラマワークス・エレクトロニクス社』『エピック・オブ・サーガ社』『ジェネラル・テック・ウォー・インダストリー社』の四社の合計八社の企業からどれか一機を自機に選択する。
一番興味をひかれたのはSRの王道を行く『ゼウム』で【勇炎鎧甲】シリーズは往年の勇○やエ○ド○ンを彷彿とさせるメカニックデザインであったからだ。
これはβでも人気の企業の機体で選ぶ人が後を絶たない状況にある。
他にも『ジェネラル』は【BD】シリーズがある種の渋みを醸し出しており、此方も人気の企業である。
勿論アテナはそれも良いかと考えたが、それでは面白くないと判断し二社を除外。
RR系でまたト○ンスフ○ーマーやボ○ム○及びZ○I○S、ガン○ムに近い『ジオラマ』も良いと感じたが、デザインがコア過ぎて自分を含めた今の若者は理解しがたいだろうと判断し断念。
「ん…?」
それは『NEXT』を検索している時だった。
二等身だが妙に生物っぽく、それでいてコミカライズなメカデザインの機体だった。
まるで戦車であるタチ○マの様なポジションで有りながらロボットというのにふさわしい機体であったのだ。
「――――【DI】? ええと、性能は…と」
【DIシリーズ:『ギルマルチ=マイス』 ランク:C 陸海空をコンセプトにしたオリジナルのDIシリーズをデチューンしロールアウトした機体で拡張性が高い。それでいて他社のパーツとの互換性と同調率も良く、あらゆる戦局に対応している非常に優秀な汎用機。 機体性能:機動力★☆装甲★☆武装★☆ ※シークレットステータス:陸★★★海★★★空★★拡張性★★★★★★★★★★】
「基本の機体性能は他と比べてかなり劣るけど、さり気無く或る意味で極端過ぎる機体みたいだね」
通常、機体の性能は★が3~4である.
しかし★と☆がそれぞれ一つだと、劣っている以前に使い物にならないと効率厨に言わせれば判断されてしまうのだが、そこは異常な程のオールマイティーさと拡張能力の高さでカバーされている。
アテナは其処に注目したのだ。
他の機体も検索してみたもののこれ以上の極端な機体は見付からなかった。
(これもある種の運命なのかな…?)
等と思いながら『ギルマルチ=マイス』を選択。
『機体の選択が終了しました。それでは『ACTIVATION MACHINERY ONLINE』の世界をお楽しみください』
名前:ミネルヴァ
性別:男性
スキル:『空間認識』Lv1 『地形利用』Lv1 『適材適所』Lv1
機体:『ギルマルチ=マイス』