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<鬼の住む村Ⅰ>

もう、短くてもいいや・・・・・・

 エルナード達が出発して、1日が経ち、それからさらにもう1日経とうとしていた。

 ギルドに残り留守を任されたユウカは、心配するあまり昨晩はなかなか寝付くことができず、目の下には隈ができてしまっていた。髪をとかしそれを鏡に映しながら、そっと1つため息を吐く。

 どうやら今日も眠ることはなかなかできなさそうであり、肩を落とすとともに、心配が耐えないユウカであった。

「――まだ2ヶ月も経ってないのに夜が訪れるなんて、不吉だわ……」


――一方その頃、南の古城を目指してミラエッタやエルエスに行くのでは、山脈を挟んで反対側の道となる草原を歩いているエルナード御一行。

 空は黒く、星は白く、光は美しく、山は碧く、草は清清しく、風は……と、そんなどこにでもありそうな夜景を堪能していた。最近は妙にこの景色が目に焼きついているようであり、なんとなくうんざりしてきていた。

「道はこっちであってるのか?」

「俺の記憶が正しければ、たぶんこっちの……はずだ……」

「…………」

 いきなり訪れた夜に奇妙かを感じながらも、いまはそんなことは考えられないといった感じであった。

 腹の虫をグーグーとならしながら、先の見えない草原を前へ前へとひたすら歩いているのだ。

 それと言うのも、日中まではすべてうまく進行して若干ウハウハと浮かれていた所為か、夜がいきなり襲来してからというもの、不運の連続なのだ。

 まずは暗くなってきて混乱したところへ夜行性の獣に地図を持っていかれ、いまは仕方なく地図を一番よく見ていたヘネスの記憶をたよりに歩いている。

 そのあとも肉食系の獣だかに遭遇し、見事に食料を持ったユマとリノだけ襲われ、抵抗するもあっさりと奪われてしまった所為で、泊まれる村だか町だかを探していたのだ。

 しかしいくら歩けど先はなかなか見えるものではなく、体力的にも気力的にもかなりまいってきていた。

 そう、1度止まって首をすこし回せば見える村にも気づかぬほどに。

「……あれ、ねぇみんな、私の幻覚かなぁ向こうの方に小さいけど村が見えてる気がするんだけど?」

そのことに一番最初に気付いたのはユマだった。進む足を止め、他の皆を呼び止めると、幻覚かどうか確認するためといってその村めざし歩き始めた。

「あっ! やっぱり、やっぱり幻覚じゃないよ! ねえ、村だよ村! 宿かりようよ、食料とかも調達しようよ!」

村である確証をえたユマは子供のようにおおはしゃぎである。

 もちろん他のメンバーも例外ではないのだが、

「よかったね! 危うく歩き詰めになるところだった」

「わぁ、本当ですよ師匠! よかったですね! やったぁ、はじめてのお仕事で死んじゃうかと思いましたよ~」

「あ、ああ。そうだな……」

リノにいたってはもうおおはしゃぎな上に涙をボロボロ流し始めるのだからエルナードも困ったものだった。

 そんなこんなで、女性陣はもう完全に行く気満々なのだ。

「しっかし、地図にこんな村載ってたっけか? 俺この辺は仕事で通った事あったけど、こんな村見たことないぜ?」

「確かにそうだね。いままでこんなところに村なんてあったっけ?」

「あったんじゃないのか? 実際ここにあるんだし」

「そうだねぇ」

と、男性陣はなかなか怪しむのをやめず、村へ入ろうとはしなかった。

 しかしそれを無視して村へ突入するのが、エルナード達グループの自由奔放フリーダム女性陣である。ユマとリノが手を繋いで仲良くはしゃいで村へと真っ直ぐ駆けて行った。

 エルナードは思う、あいつらいつあんなに仲良くなったんだろう。やっぱり女子同士だからか? 不思議だな。また、センスは思う、ユマってあんなに自由人だったんだ。あんまり一緒に仕事行かないから知らなかったな。そしてヘネスも思う、なんであんなにのん気なんだろうか。今って結構大事なところだったよな?

 と、男3人、先を走る2人に大体同じような事を考えていたのだった。

「仕方ない、追いかけるか」

「そうだね。このまま置いてはいけないし」

「だな。まったく困ったもんだ」

そしてまた、男3人、先を笑顔で突っ走る2人を追いかけ、村へと走り出した。


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