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<街中の出会い>

今回は出会いのみでノルマ文字数超えてしまい、出会いパートとなっております。不本意ながら。

ちょっと長くしすぎたかな?

すこし後悔してます;

↑なんてことありませんでした。

 今、この俺――エルナード=グロウエルは水の都ミラエッタより、北東のエルエスを目指して足を進めている。

 ここ最近夜が訪れている所為でどうも時間の感覚が鈍ってしまい、今も睡眠不足で目の下に隈ができてしまっている。

 普通、ギルドの戦士なら時計くらい持っていてもいいものなのだが、実は、先日出会ってしまった魔獣に不幸にも飲み込まれて逃げられてしまったのだ。しかもそれがまた地中に潜られちゃって……。

 あれは貰ったものだったのだが、いったいどう罵られるのか……いまからきがきではない。

 話は戻り、今は歩き始めてちょうど1時間といったあたりで、まだまだエルエスは見えない。最近は空の熱源ヘルテスの光が妙に強い所為で、気温はどんどん上昇していた。お陰で、《黙って歩き続ける》or《諦める》という選択肢の中に、新たに or《水場を探すまたは水穴を掘る》というものを加えなくてはならなくなってしまう。

 幸い腰のポーチにはまだわずかに水の入った水筒があるからまだしばらくは動けるが、下手をして倒れてしまっては、そのまま干乾びて死んでしまうというなんとも残念な可能性もある。それだけはどうしても避けたい。

 もってあと1時間かそれ以下。この辺の地理は何度か通るのでそこそこ頭に入っているが、水場まで行くのは確か2時間はかかったはず。

 こんな事なら、貰った報酬自分でギルドに運べばよかった……。

 基本、報酬の計算はギルドマネージャーが行う決まりで、持っていてもしょうがないからと、当たり前のように荷物と共に送ってしまうのだ。

 俺もさっきそうした。そうしてなければ、今頃馬車の中かもしれないのに。干乾びるよりマスター(あいつ)に怒られたほうがまだマシってものだ。

「……それにしても、やっぱり遠過ぎるよ~。もう少し近くてもいいじゃないか~」

顎に滴り地に落ちる汗を眺めながら、そう言葉を漏らした。

 結局、到着したのはそれから3時間後のことで、予定の1時間遅れとなってしまった。なんとか干乾びずにはいったものの、喉が渇いて仕方がなかった。できることなら今すぐミラエッタの噴水に潜って水を飲み干したい。

 到着した際の門の兵士(ディフェンダー)の視線にやや同情が混じっていたので、隠れて苦笑いを浮かべるしかできなかった。正直言って、泣きつきたいくらいだったが、そんなことコミ障の俺にできるわけもなく、ただじっと黙っていた。

 そうして、こちらをじっと見ていた門の兵士(ディフェンダー)にも軽く会釈をして、俺はエルエスの中央街に入った。

「ほんとに広いよな~」

あまりの街の広さに感嘆の声を上げていると、ふと、以前聞いた話が頭に浮かんだ。

 それはもちろんこの街の話で、エルエスはミラエッタの次に商業が盛んな街でミラエッタとは違い、工業が発展しているという事だ。その所為か先ほどから確かに若干の金属臭が鼻をついていた。おそらく普通の人にはわからないのだろうが、山育ちの俺はその匂いが感じ取ることができた。

 さて、とりあえずはギルドに挨拶行くかな? しばらくはここに留まる事になりそうだし……。

 が、滅多に行かないのでギルドの場所が分からない。だから訊かなくてはならない。

 周囲を見回すと、ちょうど戦闘ギルドに所属していそうな男二人組みを見つけ、俺は駆け寄った。

「あのー、ギルドの場所、教えてくれませんか?」

無愛想な声に気づき、こちらをふり向いた片方の男は、おそらく片手槍の使い手で、背中には小振りの槍が背負ってある。顔たちからして、おそらくまだ10代後半から20代前半といったあたりだろうか。しかし、その外見よりも声や口調によって、それよりもやや下に思えた。

「ん? ああ僕たちかい? ギルドだったよね? 今から僕たちも一緒に行くところだから、ついてくるといいよ」

清清しい笑顔がその真面目さやその他の性格をうかがわせた。

「おい、センス、いいのか? こんな素性も知れないヤツ。お前最近噂気にして警戒してんのによ」

センスと呼ばれる男の隣にいたもう1人の男のほうは、あまり気が進まないようで、先ほどからこちらをチラチラと見ている。

 もちろん、俺だってその視線は気に入らない。いつもなら睨み返してやるところだが、今はギルドの場所を聞かないといけないので、じっと我慢だ。

「いやなら別に良いんだ。無理いってまで連れてってもらうつもりもない」

「いや、こちらにしてもメリットがあるかもしれないからね。君、最近じゃ見ない顔だよね。という事はやっぱり――亡霊目当て?」

「え?」

若干違いはあるが、センスが見事に俺の目的を言い当てたため、つい声が裏返ってしまった。その様子に隣にいた男も呆れ顔をしている。

「図星だね。なら、答えはもちろんOKだよ。その代わり、亡霊討伐になったら、協力してもらうよ?」

 まさかの交換条件!? これは予想していなかった。断る理由も無いが、なんで俺なんだ? もっと強そうなのいるだろ?

「な、なんで、俺なんだ?」

「いや、実は僕らもつい最近着たばっかりで、周りもごついのばっかだし、声がかけづらいんだ。頼むよ。目的は大体同じなんだろ?」

 確かにそうだ。目的は『だいたい』同じ。

 会話から推測すると、おそらく彼らは例のエルエスの亡霊を狩りにでも着たんだろうな。隣の男が浮かない顔をしているのは、その考えがセンスのものだから、かな?

 だけど、俺の目的も似てなくもないし、仕方ないか。

「わかった。だが、俺にも事情はある。ずっとじゃなくて、その時だけだ」

こちらからも更に条件を出すというのは普通に考えると可笑しいのだが、とある事情により、これは仕方ない事だ。

「いいだろう。じゃあ、早速ギルドに行こうか。……と、忘れてた。僕は小規模戦闘ギルド《赤い森(レッドフォレスト)》のセンスだ。こっちは同じギルドの――」

「へネスだ。しばらくは、よろしく頼む」

「俺はエルナードだ。よろしく頼む」

へネスはまだ俺のことを警戒すべき対象と認識しているようで、握手を求めるのは本意ではないことがわかる。

 ぎこちない握手を交わすと、早速ギルドに向かう事となった。

 目的は挨拶と情報収集。不本意だが、この2人に少し協力してもらおう。基本的には、センスにだが。

感想・評価頂けましたら泣いて飛びます。

あっ、あと喜びます。

いや、めっちゃ喜びますよ!!

よろこびすぎて病院送りになっちゃいますよ!!!

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